機構について
ホーム >  組織について >  活動紹介 >  環境報告 >  金属技術開発と環境保全

金属技術開発と環境保全

使用済み小型電子・電気機器からのレアメタルの回収

 携帯電話やポータブルオーディオ機器、デジタルカメラなどの小型電子・電気機器には銅やアルミなどのベースメタル、金・銀・白金などの貴金属、タンタル・インジウム・レアアースなどのレアメタルが高品位で含まれています。これらの機器は家電リサイクル法の対象外で、一部は回収・リサイクルされていますが、大部分は家庭から廃棄物として捨てられ、埋立処分されています。またリサイクルされている場合でも、価値の高い貴金属等だけが回収され、回収に手間とコストがかかるレアメタルの多くは捨てられているのが現状です。
 JOGMECでは、平成19年度から22年度まで、こういった使用済み小型電子・電気機器からのレアメタルの回収技術の研究開発を行いました。その結果、効率的で環境負荷の少ないレアメタルの回収を可能にする方策として、まず機器を機械的に分解し、比重や磁性などの物理的な性質の違いを利用してレアメタル含有部品を選択的に抽出した上で、化学的な分離抽出を行う技術が確立されました。さらに、「使用済小型電子機器等の再資源化に関する法律」が成立したことを受けて、JOGMECは平成24年度から27年度まで、廃小型家電製品からタンタルとコバルトを経済的に回収できるリサイクル技術開発を行い、レアメタルリサイクルに寄与しています。

基板脱離・部品剥離実証試験装置

基板脱離・部品剥離実証試験装置

製錬副産物からのアンチモン回収技術開発

 アンチモンは各種合成樹脂、ゴム、繊維、塗料などに難燃助剤として添加され、電気・電子機器、住宅建材、自動車などの難燃性を必要とする部材に広く用いられています。アンチモン地金は主に中国でアンチモン鉱石から生産されていますが、日本で地金生産を行っている銅鉱石や鉛・亜鉛鉱石にも少量ながらアンチモンが含まれています。銅製錬や鉛・亜鉛製錬のプロセスの中で、アンチモンは煙灰やスラグなどのさまざまな製錬副産物に分配され、一部の副産物からはアンチモンが回収されていますが、アンチモン回収が技術的に困難な副産物も存在します。こうした製錬副産物からのアンチモン回収量を増やす技術開発をJOGMECは行っており、資源の有効利用に寄与しています。

電解採取 電解精製
電解採取 電解精製

銅リサイクルプロセスの電力使用量削減技術の開発

 銅は、電線に大量に使用されるほか、自動車や電気電子機器の重要部品の原料として使用されています。銅地金を銅鉱石から生産するプロセスでは、銅品位99%以上の「粗銅」を製造した後、「電解精製」と呼ばれる方法で銅品位99.99 %以上の銅地金が生産されます。一方、資源の有効利用、自給率向上の観点からリサイクル原料からの銅生産の重要性が高まっています。しかし、リサイクル原料には不純物が多く含まれているため、「粗銅」の銅品位が低く、「電解採取」と呼ばれる方法で地金を得ており、銅鉱石からの銅地金生産と比べて、電力消費量が極めて大きくなるという問題点があります。そこで、JOGMECではリサイクル原料から製造される不純物の多い低品位粗銅から電解精製による銅地金生産の技術の開発に取り組み、省エネルギーに寄与しています。