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2015年度事業実績 (石油・天然ガス資源開発)

海外地質構造調査

 将来、本邦企業による権益取得につなげることを目的に、石油・天然ガス探鉱の初期段階に相当する海外地質構造調査を実施しています。

アフリカ(セーシェル海上、ケニア陸上)

ケニア陸上における二次元地震探鉱調査風景

ケニア陸上における二次元地震探鉱調査風景

 既存海外地質構造調査である「セーシェル西部海域」を実施し、本邦企業が入札において優先的に権益を確保できる権利を獲得しました。将来における本邦企業への承継を目指し、衛星画像解析、地化学調査、震探再処理を行うことで、獲得した優先交渉権を平成30年2月迄延長することを国営石油会社と合意しました。またケニア陸上を対象とした調査を平成29年12月迄延長しました。調査完了時には国営石油会社が保有する権益に対する優先的事業参入権を取得予定で、追加震探、浅層ボーリング作業を準備中です。

ウズベキスタン

 安倍総理の中央アジア歴訪の機会に、ウズベキスタン国営石油会社と1年間の共同調査に合意し、新規調査事業を開始しました。

ベトナム

 2014年以前に実施したベトナム南部沖合における事業については、優先交渉権に基づく交渉の結果、2015年8月、本邦企業2社が当該鉱区を取得することができ、供給源の多角化、自主開発油ガス田獲得の成果につながることが期待されます。JOGMECは本事業を探鉱出資案件として採択し、引き続き支援を行っています。

その他

 本邦企業の新規案件発掘や新規構造調査案件の形成に向けて東南アジア、欧州、アフリカ、中南米、北極圏等のポテンシャル評価を実施し、新規案件組成を目指しています。

リスクマネー供給による本邦企業の探鉱開発活動の支援

 2015年度は、重要な資源国における大型案件に対する資産買収出資採択と本邦企業がオペレーターを務める案件に対する探鉱出資採択を行い、供給源の多様化に向けた取り組みを推進しました。具体的には、アブダビ陸上にて日量約160万バーレル(うち5%権益獲得)の大型案件に対する資産買収出資、供給源多角化等が期待されるベトナム南西海上にて出光興産(株)、住友商事(株)に対する出資支援、ロシア連邦サハリン島沖合大陸棚の開発を推進するサハリン石油ガス開発(株)に対し債務保証を採択しました。
 これらにより、2015年度はベトナム南西海上の同一鉱区における探鉱事業に参画する本邦企業2社を含めた計3件(4社)(資産買収出資:1社、探鉱出資:2社、債務保証:1社)を新たに採択しています。この結果、2016年3月末時点での出資累計は5,118億円、債務保証残高は8,298億円となっています。なおJOGMEC設立後に生産・操業段階へ到達した探鉱出資・資産買収対象企業は8社あり、このうち5社から配当収入を得ています。

  • 各年度末の出資累計と社数

    各年度末の出資累計と社数

  • 各年度末の債務保証残高と社数

    各年度末の債務保証残高と社数

海洋資源開発

探査活動

三次元物理探査船「資源」

三次元物理探査船「資源」

 国からの委託を受け、三次元物理探査船「資源」を用いた我が国周辺海域の石油・天然ガス資源の賦存状況探査を行っています。2015年度は、西津軽沖海域、釧路沖海域、茨城沖海域の3海域で年間計画量を上回る約6,160km2の三次元物理探査データを取得し、事業を確実に実施しました。また、これまでに取得した海域のデータについて順次、処理・解析を進め、データ解析を行った4海域について、幾つかの有望構造を摘出したほか、船上調査員への技術移転、技術者育成を確実に実施し、我が国周辺海域の資源探査を推進しております。

メタンハイドレート調査・技術開発

 メタンハイドレートは将来のエネルギー資源のひとつとして注目されている一方、大水深域の未固結層に賦存しており長期的・安定的、かつ安全・経済的な開発手法が確立されておらず、世界をリードする形で、日本が実用化のための研究開発を実施中です。我が国のメタンハイドレート研究開発は、2001年に経済産業省が策定した「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」に沿って進められています。2008年度までのフェーズ1では世界初の減圧法による陸上連続産出試験に成功するなど所要の成果を収め、現在は2009年度からのフェーズ2について、産学官共同のチーム「メタンハイドレート資源研究開発コンソーシアム(MH21)」の一員として取り組んでいます。
 2015年度は、第2回海洋産出試験に係るオペレーター契約の公募手続きを完了し、日本メタンハイドレート調査株式会社と契約を締結して実施体制を整えました。第2回海洋産出試験に向けた機器等の研究開発を遂行したほか、試験候補地の選定について貯留層評価に基づき複数の候補地から評価・選定を行って最適な候補地の絞り込みを実施するとともに、ガス生産時の挙動等の把握を目的としたモニタリング装置の準備や試験海域における海域環境把握のための調査を実施しました。
 また、長期陸上産出試験の実現に向けた研究協力に関する米国エネルギー技術研究所(NETL)とのMOUに則り、メタンハイドレートの共同研究用鉱区の地質評価に加え、レザバーシミュレーションによる長期挙動予測を実施しました。
 さらに、我が国周辺海域のメタンハイドレート濃集帯分布の推定作業、メタンハイドレート濃集帯の形成条件の検討を継続しております。なお、産業技術総合研究所(AIST)が主体で実施されている表層型メタンハイドレート調査についても、海域調査にJOGMEC職員が乗船するなどの諸支援を実施しました。

産油ガス国への多面的アプローチ

共同事業の実施、基本協定書等の締結

 産油ガス国との共同事業・協力枠組みの構築は、これら諸国との関係構築、政府外交への支援、我が国の技術力をアピールする上で有効です。
 2015年度にはMOU等7件の協力枠組みを構築しました。安倍総理の中央アジア歴訪の機会にトルクメニスタン国営ガス公社とMOUを締結したほか、ウズベキスタン国営石油会社との間では共同地質スタディ及びJAPAN-GTLに関する共同スタディに係る基本合意書などを締結しました。

国際展示会・会議等による情報発信・収集

 2015年度には、メキシコ、アブダビ、カタール等で行われた国際展示会等への出展を通じて、直接対話による情報収集、我が国技術力のアピールを積極的に行っています。
 また、日本政府が主催する「LNG産消会議」やその他要人往来の機を捉え、理事長が資源国の首脳・閣僚クラス、石油開発企業トップとの会談を実施し、関係強化を図りました。

産油国技術者研修

 2015年度は、「探鉱地質コース」及び「物理探鉱コース」の研修2コースにそれぞれ16カ国19名、20カ国23名が参加しました。そのほか、石油天然ガス資源の有力な供給国、油田権益の獲得・延長が期待される国に対して実施する特別研修として、モザンビーク向けLNG研修1コース8名、同様にUAE向け4コース43名、メキシコ向けLNG/LPG研修1コース16名を実施しました。各国の要望に沿って、既存コースの改善及び新テーマの研修を開設しました。研修の直接的な目的は技術移転ですが、研修事業による組織・人的繋がりを通じ、将来における我が国と産油ガス国との共同事業が円滑に進むことも視野に入れて実施しており、1989年の開始以来、これまでに48カ国から合計3,380名の受入れ実績を有し、参加研修生や研修生派遣国から極めて高い評価を得ています。

技術ソリューション事業

 石油・天然ガス資源を自国内に有する産油国等が抱える技術的課題(ニーズ)について、JOGMECと本邦企業等が一体となって技術的解決策(=ソリューション)を産油国等に対し提案することにより、産油国等との関係を強化することを目標に、我が国の先進的な技術を石油・天然ガス開発に適用する技術ソリューション事業を平成25年度から実施しています。

技術ソリューション案件技術開発

 我が国の先端技術を産油国等の技術課題解決に繋げるため、小規模実証試験(フェーズ2)案件を2件採択するとともに、昨年度採択した2件について技術開発を推進しました。また、その前段階である技術開発(フェーズ1)案件も昨年度採択した8件について引き続き技術開発を実施しました。

ニーズ・シーズマッチング

 本邦企業との面談(65テーマ【86回】)を通じ、今後の技術開発に繋がる技術シーズを収集するとともに、14ヶ国(新規4ヶ国)に対して技術ミッションを派遣し、技術シーズ情報提供とニーズ調査を実施しました。
 産油国等のニーズと、日本の技術シーズの出会いの場を創出する取組として「JOGMEC Techno Forum 2015」を開催し、国内外から1,854名が来場しました。資源国・本邦企業幹部、ダニエル・ヤーギン氏、経産省資エ庁資燃部長を招聘し、今後資源分野で活用が期待される技術分野および戦略を紹介するとともに、招聘国-企業面談計20件を実施。特にIOCとの協力可能性について積極的に議論、本邦企業も面談を積極的に行い、参加者や企業が本フォーラムをビジネス創造に向けた「出会いの場」として有効に活用していることが確認できました。

技術ソリューション研修

 開発中の先端技術等を講義・ワークショップ・施設見学等を通じて産油国等に紹介し、ニーズ・シーズ収集・分析、産油国等への技術移転研修を行うことを目標としています。2015年度は技術ソリューション研修「Zero Emissionコース」をUAE、カタール、メキシコ、インドネシア及びオマーンの5ヶ国からの技術者16名を対象に実施し、研修生から具体的な共同研究等への関心が示される等、関係強化に貢献しました。