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2015年度事業実績(石炭資源開発)

地質構造調査・調査支援

地質構造調査

 海外地質構造調査については、海外における本邦企業の石炭開発を促進するために、産炭国政府機関や海外企業等と共同で探査事業を実施しています。
 2015年度は、産炭国政府とのMOU締結による共同での調査(共同調査)及び、JOGMECが海外企業と共同探鉱を行い、取得した権益あるいは販売権オプションの本邦企業への譲渡を目的としたJV調査を実施しました。

JV調査制度の概念図

JV調査制度の概念図

 共同調査については、モザンビークの未探鉱地域で石炭賦存状況を確認したほか、新たな石炭賦存期待地域を抽出し、将来的な新規炭層発見の可能性を高めました。ベトナムについては、2015年末にカウンターパートと迅速な調査計画を策定・合意後にボーリング調査を開始し、坑内採掘可能な深度において優勢な炭層を捕捉しました。JV調査については、継続案件3件を実施し、クリフォード地域(豪州)においては、有望2地区でボーリング調査を行い、前年比で約1.7倍の資源量増加を達成しました。また、新規案件として、パリセイド地域(カナダ)及びボス・ピービー地域(インドネシア)の2件を形成しました。パリセイド地域は初の原料炭及びカナダ案件であり、原料炭に係る供給源の多様化が期待されます。ボス・ピービー地域は、初の販売権獲得型JVであり、2016年6月の入札により落札者を決定し、本邦企業への引継ぎが実現されました。今後JOGMECによる探鉱費投入により、資源量や開発対象範囲の拡大が見込まれるほか、本邦企業との販売契約が締結されることで、石炭の安定供給に資することが期待されます。

調査支援

 海外の石炭の賦存量の確認、地質構造等の解明を行い、開発可能性を把握するための海外炭開発可能性調査については、2015年度は4件に対して助成を実施し、ドラモンド炭鉱事業(コロンビア)、レブボー地域(モザンビーク)及びGDM炭鉱地域(インドネシア)は、今後数年で生産段階に移行する可能性があり、安定的な石炭の供給や供給源の多角化に寄与することが期待されます。

リスクマネー供給

 JOGMECは、石炭の探鉱に対する出資、開発に対する債務保証による金融支援制度を2012年度に創設し、本邦企業が行う探鉱・開発活動に対し、適切かつ効果的なリスクマネー供給を行う体制を整備しています。この金融支援制度の創設によって、JOGMECは、初期探鉱から開発、生産に至るまで一貫した企業支援を行うことができます。2015年度は、長引く石炭価格の下落を受け、民間企業が新規案件の投資に慎重な中、探鉱出資、開発債務保証制度の説明、意見交換を石炭開発会社、鉄鋼会社、商社等を対象に継続的に実施し、探鉱出資案件3件、債務保証案件7件について案件相談を受けました。個別開発債務保証相談案件では海外フィナンシャルアドバイザーに対し、プロジェクトファイナンスを早期組成する観点から、JOGMEC保証によるファイナンススキームを前倒しで説明し、制度利用に向けた取り組みを積極的に展開しました。また、停滞する本邦企業による探鉱を活性化させるため、一時的な資金繰りを要さずに企業ニーズの高い環境炭他を確保しつつ、かつ生産者との生産物引き取りを通し、相互の信頼関係を構築、未探鉱鉱区において共同探鉱を促す機会にも繋がる販売権獲得型JVを形成し、探鉱出資制度利用促進に向けたビジネスマッチング機会の拡大に貢献しました。

資源国等との関係強化

 JOGMECは、国の鉱業政策実施機関として、国の資源確保戦略を踏まえつつ、産炭国主要機関等との関係強化を推進しています。2015年度は、インドネシアで新規協力枠組みを構築し、既存の6件の協力枠組みについても進展させました。また、我が国最大の石炭供給国である豪州のクィーンズランド州政府とは、既存協力枠組みの中で投資促進セミナー等を実施しています。さらに、我が国が有する石炭関連技術を活用し、産炭国向けの研修事業を行っています。

資源外交強化

 産炭国との間において人材育成支援等を通じ関係の構築・強化などを行っており、石炭の安定供給、供給源の多角化に寄与しています。モザンビークについては、石炭産業5ヵ年発展プランにおける海外地質構造調査、人材育成、マスタープラン作成を着実に実施し、人的ネットワーク構築、協力関係構築に大きく貢献しています。2016年3月には同国技術者を対象として、当該年度成果に係るワークショップをマプトで開催し、成果の共有を行うなど人的強化が図られています。また、同国での事業は、本邦企業が出資または将来出資するプロジェクトを側面から支援し、モザンビーク石炭産業の発展に寄与しており、我が国にとっても原料炭供給源の多角化が期待されます。
 また、日本の最大の輸入国である豪州については、クィーンズランド州政府との間で、首相来日時の面談・セミナー、投資促進セミナー等を通じ良好な関係の維持・促進及び協力関係の深化がなされており、良好な関係を事業の推進に活用しています。

技術力を活用した資源国との関係強化

 JOGMECはこれまでに我が国が蓄積してきた坑内採掘技術に係る知見等を活用し、アジア地域(中国、ベトナム、インドネシア)における産炭国の炭鉱技術者や保安監督者等に対し、生産量・生産能率の向上及び保安対策による事故の低減を図る炭鉱技術の移転事業を行ってきました。また、インドネシアについては日尼石炭政策対話でインドネシア政府より受入研修再開の強い要請を受け、同国の採掘環境に合致した日本受入研修を6年ぶりに再開しました。2015年度は、ベトナムの研修5コース年間計24機関84名、中国の研修3コース年間計23機関56名、インドネシアの研修1コース年間計1機関10名に日本での研修を実施しました。また、現地研修では、ベトナムは2炭鉱での技術指導及び鉱山専門学校等での研修、インドネシアは2炭鉱での技術指導及び大学・鉱山局での研修、中国2ヵ所でセミナー研修を延べ9,594名に対して実施しました。
 また、モザンビークにおいても石炭分野における人材育成に関する覚書に基づき、3月に年次計画書を同国資源エネルギー省(MIREME)と署名し、研修事業をMIREMEと共同で実施。モザンビーク技術者等10名を日本に受け入れて研修を実施しました。また、日本専門家をモザンビークに派遣して25名の現地技術者に対する研修を実施し、研修生の技術向上、同国との関係強化等に貢献しました。


モザンビーク研修生受入及び同国への専門家派遣

モザンビーク研修生受入及び同国への専門家派遣

民間ニーズの高い技術開発の支援

 2015年度より、本邦企業が国内外で新たな資源を確保・調達するために必要な研究開発案件を広く公募し、応募のあった案件の中でその目的が国の政策に沿い、かつ技術的に実現の見込みがあるものを採択して、その実施を資金的・技術的に支援する事業を行っています。2015年度は、本邦企業による新規石炭鉱山開発の促進が図られ、石炭の安定供給や供給源の多様化への貢献が期待できる「褐炭ブレンド設計」と「褐炭コプロダクション型改質」の2件を採択し、実施しました。

情報収集・提供

 JOGMECは、探鉱・開発関連情報に関する公的知識・情報センターとして、本邦企業の関心の高い探鉱・開発・技術開発情報、政府の資源外交戦略の検討・立案に必要となる情報の提供を行っています。2015年度は、アンケート等で情報収集した企業ニーズを踏まえ、新たな石炭供給ソース発掘のため、以下の調査を実施しました。

  1. 世界の石炭事情調査
  2. 世界及びアジアにおける石炭市場の取引動向と石炭コモディティ化への対応
  3. 中国における脱石炭の動きと石炭需給及び石炭輸出入動向調査
  4. インドにおける石炭需給動向等調査
  5. 韓国、台湾及び東南アジア諸国の一般炭需要動向と輸入動向調査
  6. モザンビークにおける石炭開発状況及びモザンビーク炭の市場競争力等調査
  7. インドネシアにおける石炭資源開発に係る環境保護、森林保全や跡地処理・利用政策動向調査
  8. 豪州クィーンズランド州の投資環境調査
  9. 豪州ニューサウスウェルズ州の投資環境調査
  10. カナダブリティッシュコロンビア州の投資環境調査
  11. カナダアルバータ州の投資環境調査
  12. インドネシアの投資環境調査
  13. 豪州における石炭資源の開発・生産動向
 収集した情報や調査成果については、2016年6月に成果報告会を実施し情報提供を行いました。また海外事務所の情報収集力を活かし、産炭国において石炭探査・開発プロジェクト状況調査、鉱業事情調査を実施しました。このほか、海外事務所や本部職員が入手した石炭開発関連情報等を整理し、メールマガジンやJOGMECのホームページを通じて、情報提供を行っております。また、石炭市場動向や、インドネシア、豪州など主要産炭国での投資促進を図るための情報を提供するため、専門家や要人を招聘してのセミナーも実施しました。更に、情報提供ソースであるホームページについてもリニューアルを行い、検索機能等を追加し、利便性を向上させています。 ホームページ: http://coal.jogmec.go.jp/

成果報告会

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