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2015年度事業実績(地熱資源開発)

地質構造調査支援

調査支援

松尾八幡平地域での助成金交付事業

松尾八幡平地域での助成金交付事業

 JOGMECは地熱資源開発に係る助成金交付制度により、リスクが高い初期調査費用を助成し、地熱資源開発調査への参入障壁を低減、地熱資源開発活動の拡充へ寄与しています。また、助成金交付事業の実施にあたっては、大規模なものだけでなく、地域に密着した小規模な地熱発電事業に対する支援も実施しています。2015年度は、助成金交付制度の周知のため、全国9ヵ所にて制度説明会及び多くの案件形成へのコンサルテーションを実施しました。その結果、新規案件11件を含む、合計26件を採択しました。また、これまで助成金を交付した松尾八幡平地域での事業においては、2015年に探査段階へ移行しています。

地熱資源ポテンシャル調査事業

ヘリコプターによる空中物理探査

ヘリコプターによる空中物理探査

 地熱資源ポテンシャルの評価のため、地域の地元関係者との十分な調整の上、ヘリコプターを用いて八幡平地域において空中電磁探査を、湯沢・栗駒地域、大雪山地域、武佐岳地域及びニセコ地域において空中重力探査及び空中電磁探査を実施しました。本調査によって、山岳地域や国立・国定公園を含む本邦企業等の関心の高い地域における地下構造の解明が可能となり、地表面への影響を最小限にとどめながら地下情報を得ることが出来ました。また、従来の手法に比べ広域的に詳細で均一な地質構造のデータを短期間で取得可能となる調査手法を確立し、地熱開発の促進に寄与しています。

リスクマネー供給

 2015年度は、制度説明会を全国19回、企業ヒアリングを24件実施するとともに、45件の出資・債務保証制度活用に関する相談に対応し、事業者の案件形成に資する制度の周知を実施しました。また、松尾八幡平地域においては、これまでの助成金事業の成果のもとに2015年より探査段階に移行し、JOGMECでは初となる地熱資源探査出資事業の対象として採択し、事業者の資金需要に応じて3回にわたり出資を実行しました。
 既債務保証案件である、土湯温泉バイナリー地熱発電事業(東日本では初めての商用バイナリー発電事業)及び菅原バイナリー地熱発電事業(国内最大の商用バイナリー発電事業)の2件について地熱発電所の営業運転が開始されました。また、国内では約20年ぶりとなる大型地熱発電事業である山葵沢(わさびざわ)地熱発電所の起工式が行われ、運転開始に向けた建設工事が開始され、着実に地熱資源開発が進展しています。
 採択にあたっては、石油部門や金属部門における資源量評価等に関する知見を活用するなど多角的な視点を取り入れ、JOGMECのシナジーを最大限に活かした横断的な技術評価を実施しています。

債務保証採択案件の概要

技術開発

 地熱の探査技術の向上、既存発電所の出力安定化、掘削技術の向上を目指し、3つの技術開発事業(地熱貯留層探査技術、地熱貯留層評価・管理技術、地熱貯留層掘削技術)を実施しています。
 地熱貯留層探査技術は、地熱貯留層の位置や広がりを高精度に把握することを目指しているものであり、石油探鉱分野で利用されている弾性波探査の適用を図るため、当該地域の地元関係者との間で十分な調整を行った上で実証試験地を決定し、山川地熱発電所周辺で約5,000 点の3D弾性波探査データを取得しています。解析の結果、地熱貯留層に関係する断裂を示唆する情報が抽出され、地熱貯留層の可視化向上の可能性が示され、当該技術の実用化に向けて大きく進展するなど着実に実施しています。また、JOGMECが開発した電磁探査法「SQUITEM」により電磁探査のデータを取得し、同探査法の地熱探査への有効性を検討すべく、試験調査を実施しました。
 地熱貯留層評価・管理技術は、出力低下を招いている地熱発電所における生産の長期安定化のため、地下における蒸気・熱水の評価制度の向上を人工涵養の実証試験を通じて行うものです。2015年度はシミュレーションの結果等に基づき涵養位置を決定し、地元関係者との間で十分な調整を行った上で人口涵養を開始し、合計16万7000トンの水を注入しました。トレーサー試験等により注水した水は地熱貯留層に広がっていると推定できるほか、一部の生産井では、蒸気量が涵養前に比して一時的に増加が認められる等、涵養効果を示唆する挙動を確認しており、実用化に向けて具体的な進展が見られました。
 地熱貯留層掘削技術の開発では掘削性能の向上を目指し、PDCカッター/PDCビットを新たに製作し、海外製PDCカッターとの性能比較の室内試験評価を行いました。PDCカッターについては複数の海外製カッターより耐久性が優れていることを確認すると共に、PDCビットについては目標を上回る掘削速度を達成しました。
 これらの技術開発に加え、地熱資源開発における技術者不足に対応すべく、JOGMECが作成した技術者向けの教育資料を大学、企業、地方自治体等約100ヵ所に配布しました。また、地熱事業者や大学等における人材育成では、早稲田大学、九州大学、国際資源大学校(国内研修)にて技術講義を行うとともに、熊本大学に対し3D地震探査の現場実習の機会を提供しました。


各技術開発のイメージ

各技術開発のイメージ

情報収集・提供

海外の最新技術動向

 JOGMECは、世界地熱会議、国際エネルギー機関・地熱実施協定、米国エネルギー省地熱会議等の国際会議に参加し、日本を含む世界各国の地熱関係事業者との国際的なネットワーク構築を推進しています。
 また、ニュージーランド政府系研究機関との技術協力を推進していく枠組みのMOUを締結し、情報収集体制強化に資する関係を構築しました。


GNSとのMOU調印式

GNSとのMOU調印式

広報活動

 地熱資源の調査・開発への理解促進などを目的として、一般向けのセミナー開催、各種メディアを通じた広報活動、専門家・事業者への情報提供など、各層に向けた情報提供活動に幅広く取り組んでいます。
 2015年度は「全国地熱自治体サミットin湯沢」を開催し、大型地熱発電所が立地する全国8地方自治体の首長等が初めて一堂に会して、地熱開発を通じて地域活性化に取り組む際の課題や事例について議論するなどにより、JOGMEC及び地方自治体間のネットワークを強化しました。
 さらに、若い世代を含む一般の地熱認知・理解促進のため、再生可能エネルギー世界展示会や経済産業省主催の地熱マルシェ等を含む5回の展示イベントに出展し、地熱開発に対する正しい理解・認知向上にむけた取組を実施しています。

  • 全国地熱自治体サミットin湯沢

    全国地熱自治体サミットin湯沢

  • エコプロダクツ2015

    エコプロダクツ2015