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2015年度事業実績(金属資源開発)

地質構造調査等

共同調査による権益確保支援

 資源国鉱山公社や外国企業等とのJV調査等においては、有望なプロジェクトを本邦法人等に譲渡することで、権益取得の支援を行っています。2015年度は21ヶ国 35地域(うち新規8ヶ国10地域)において、JV調査等を実施しました。
 このうち、南アフリカのウォーターバーグJVプロジェクトでは、北部隣接鉱区との統合及び資源量再評価等により白金族金属量が904tから1189tに増加し、当該案件の価値が向上しました。また、豪州のコバースーパーベーズンJVプロジェクトでは約3m区間で21.8%銅、46 g/t銀、0.62 g/t金の着鉱を確認し、さらに、フィリピンのサガイJVプロジェクトでは典型的な斑岩型鉱化作用が認められ、約202m区間で0.48%銅、 0.04 g/t金の着鉱を得ました。

豪州・コバースーパーベーズンJVプロジェクトのコア写真

豪州・コバースーパーベーズンJVプロジェクトのコア写真

本邦企業の探鉱開発活動の支援

 2015年度は、3ヶ国4地域において海外地質構造調査を実施しました。また、海外ウラン探鉱支援助成金交付事業について、2ヶ国3地域の本邦法人等探鉱案件に助成金を交付しました。

リスクマネー供給による本邦企業の探鉱開発活動支援

 我が国の鉱物資源獲得戦略※を踏まえ、本邦企業による鉱山の自主開発を促進するための取り組みを行っています。

※我が国の鉱物資源獲得戦略
・エネルギー基本計画第2次改定(2010年6月閣議決定)
  ベースメタル(銅・亜鉛)は2030年に自給率80%以上、戦略レアメタルは2030年に自給率50%以上を目指す。
・資源確保戦略(2012年7月経済産業省策定公表)
  5本柱が掲げられ、そのうち「資源権益獲得に対する資金供給の機能強化」においてJOGMECによる金融支援が挙げられている。

海外探鉱出融資

 2015年度は、2案件に対して合計で35億円を超える新たなリスクマネーを供給し、本邦企業の探鉱活動を支援しました。対象としたロスガトス案件(メキシコ)とパルマー案件(米国アラスカ)は、いずれも亜鉛をメインターゲットとしています。近年、大規模亜鉛鉱山の閉山が相次いでいることから、これらのプロジェクトは新たな亜鉛鉱石の供給源として大いに期待されます。

国内探鉱融資

 菱刈鉱山※に対し、国内探鉱資金融資として7.3億円の貸付けを実行しました。
 ※1981年にJOGMEC(当時金属鉱業事業団)の広域調査で発見された金鉱山。累積産金量は200tを超える。

開発資金債務保証

 探鉱段階から様々なスキームで支援し、2012年度の債務保証案件として採択したオラロス案件(アルゼンチン/リチウム)が、2015年4月に商業生産を開始しました。40年間、年間17,500トンの炭酸リチウムの生産が計画されています。昨今、電気自動車の普及に伴い、リチウムイオン二次電池向けリチウム需要が急激に拡大しつつあることから、本案件には新たなリチウム供給源として大きな期待が寄せられています。

オラロス・かん水蒸発池の様子

オラロス・かん水蒸発池の様子

資産買収出資

 民間企業の権益取得に際して資産買収出資を実施したライナス案件(豪州/マレーシア)は、非中国系で本格的にレアアースを生産している唯一のプロジェクトです。現在、磁石材料として先端産業に不可欠なネオジム、プラセオジム(ジジム)の日本需要の多くをライナス社の生産製品がカバーしており、我が国の金属資源の安定供給に際立った貢献をしています。

その他

 1982年から1991年までJOGMEC(当時金属鉱業事業団)が探鉱融資を実施したシガーレイク鉱山が、2015年9月に商業生産を開始しました。シガーレイク鉱山は、可採埋蔵量が世界5位、フル操業時の年間生産量は世界2位の高品位・大規模ウラン鉱山で、今後のウラン資源の安定供給に大きく寄与することが期待されます。

海洋鉱物資源調査・生産技術の開発

 海底熱水鉱床の資源量調査では、伊是名海穴「Hakureiサイト」の資源量調査において、ボーリング調査の実施方法を工夫し、物理探査データを最大限に活用するなど、資源量の増大に向けた調査をより効率的に実施し、過年度のボーリングを含め合計55本で深部鉱体を捕捉しました。これにより得られたデータを踏まえ、表層部だけでなく深部の広がりまで考慮した詳細資源量を世界で初めて算定し、伊是名海穴「Hakureiサイト」における資源量は、従前評価に比べて2倍以上の740万トンへ大幅に増大しました。 
 さらに、過年度に発見した賦存域の資源量調査では、特に「ごんどうサイト」において、ボーリングを実施した9孔すべてで鉱体を捕捉し、深部方向に最大幅42mの銅に富む鉱床の連続性を確認したほか、「野甫サイト」でも、厚さ22.4mの鉱体を確認しました。加えて、沖縄海域において新たに「田名サイト」と「比嘉サイト」の2ヶ所で海底熱水鉱床の賦存域を発見しました。
 これら4つの新たな賦存域は、「Hakureiサイト」と比べて、鉱床の規模も同等以上で、銅品位が高いことが特徴であり、海底熱水鉱床の資源量評価に係る次のターゲットとして期待されます。
 採鉱技術分野では平成29年度に計画している採鉱・揚鉱パイロット試験の実施に向けた事前掘削の準備を着実に進めました。さらに選鉱分野では、亜鉛・鉛等の回収を目的とした浮遊選鉱試験を継続実施し、最適な浮遊選鉱条件を把握することにより、亜鉛実収率は昨年度の48%から71%(目標値70%)へ大きく向上し、目標を上回る陸上鉱床並みの回収率を達成しました。採鉱に伴う環境影響を把握するための調査も継続しました。
 コバルトリッチクラストについては、公海域の探査鉱区において資源量評価調査航海を実施し、海底着座型掘削装置を用いて20地点のサンプリング調査を行い、層厚・品位・分布状況等に関するデータを蓄積しました。
 レアアース堆積物については、南鳥島の排他的経済水域において、ピストンコアラによるサンプリング調査を実施し、賦存状況を把握しました。またレアアース堆積物の将来の資源としてのポテンシャルを検討するため、採泥・揚泥、選鉱・製錬等、生産技術に関する調査も実施しました。

  • 田名サイトで確認した海底熱水鉱床のチムニー

    田名サイトで確認した海底熱水鉱床のチムニー

  • 海洋資源調査船「白嶺」

    海洋資源調査船「白嶺」