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広報誌特集:地熱開発の促進のために、開発事業者のリスク負担を低減 [1]

地熱開発

 国産のクリーンなエネルギーとして、大きなポテンシャルを秘めている地熱。地熱開発の促進に向けて、JOGMECは、地質構造調査や技術開発以外にも、さまざまな支援を行っています。 2014年3月には、地熱発電所の建設を進める事業者のリスク負担の低減に向けて、地熱事業として初めて2件の債務保証案件を採択しました。

東日本大震災以降、地熱開発の促進が重要課題に。

 日本における地熱開発は、1970年代以降に加速し、旧地質調査所や新エネルギー・産業技術総合開発機構により全国的な地熱資源調査が行われ、1990年代までに全国で17カ所の地熱発電所が建設されました。しかし、発電開始までに長い期間と多額の費用がかかること、さらに日本の地熱資源の大部分は開発に制限等のある自然公園内にあることから、1999年の八丈島地熱発電所を最後に、新規の地熱発電所の建設は滞っていました。
 地熱開発に再び拍車がかかったのは、2011年3月の東日本大震災以降、再生可能エネルギーに対する期待が高まったためです。地熱発電による電力の固定価格買取制度の導入や、自然公園内での開発に対する規制緩和が行われるとともに、2012年9月にはNEDOから地熱開発支援機能が地下資源に関し知見を有するJOGMECに移管され、地熱開発を進める環境が整いました。

地熱開発特有のリスクと、JOGMECの支援制度。

 地熱発電は安定して発電ができる再生可能エネルギーであるものの、その開発には、さまざまなリスクが伴います。まず、太陽光や風力とは異なり、地下資源特有の「掘ってみないと分からない」というリスクがあります。また、通常の火力発電所では、石油・天然ガス・石炭等のエネルギー資源を世界中から経済性を考慮して調達し発電しますが、地熱発電を行うための蒸気は長距離輸送ができないため、発電に十分な蒸気が長期的に得られることを確認したうえで、その場所に発電所を建設する必要があります。さらに、発電所の稼働までには、調査開始から10年以上の長い歳月を必要とします。
 このような事業者のリスク負担を財務面から低減し、開発を促進するために、JOGMECでは、「助成」、「出資」および「債務保証」という3つのスキームを用意しています。「助成」は、地熱資源の存在が有望な地域で行う地表調査及び坑井掘削調査等の初期調査に対して助成金を交付するもので、2013年度は20件の事業を採択しました。「出資」は、地熱開発を行うプロジェクト会社に、探査に必要な資金を最大50%まで出資するスキームです。
 「債務保証」は、地熱開発を行うプロジェクト会社が、発電所の建設に必要な資金の融資を民間金融機関から受ける場合、対象となる地熱開発のリスクをJOGMECが評価したうえで、融資金額の80%を上限に債務を保証するスキームです。これまでは、金融機関が地熱プロジェクトの評価基準を持たないために、融資が受けられなかった案件に対しても、資金を呼び込むことができるようになり、地熱発電所の建設を促進することができます。
 今回、JOGMECが債務保証を採択した2案件の概要は次ページ上の通りです。



JOGMEC NEWS Vol.37
内容は2014年6月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌 「JOGMEC NEWS Vol.37(2014年6月発行)」も併せてご利用ください。