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世界のJOGMECから:カナダ・バンクーバー事務所

世界のJOGMECから / カナダ・バンクーバー事務所

風光明媚な鉱業の町、バンクーバーで20余年。

 北海道より緯度が高いにもかかわらず、暖流のおかげで年間を通じて温暖なバンクーバー。冬は雨が多いものの、春は暖かく、夏はカラッと気持ちのいい日が続き、世界一暮らしやすい都市ランキングでは常に上位に選ばれています。この地に1992年、カナダ唯一の海外事務所として設立されたのが当事務所。バンクーバーは初期段階の開発探鉱を担うジュニアカンパニーの聖地であり、カナダのみならず世界のマイニングビジネスの拠点としても有名です。

バンクーバー風景、JOGMECバンクーバー事務所

対米から対日本、アジアへ。遅れてきた資源大国、カナダから目が離せない。

それはマイニングビジネスから始まった

 JOGMECバンクーバー事務所は、設立以来、マイニングビジネスを中心とした日系企業向けの情報収集・発信をメインに取り組んできました。他にも地の利を活かしたジュニアカンパニーとのJV分野での連携やカナダ企業等へのプレゼンス向上を目指した展示会への参加、事務所で開催するテーマ別のミニ講演会等にも力を入れています。毎年、トロントで開催される世界最大級のマイニング展示会『PDAC』には2004年以来、継続的にブース参加、2014年3月には北米最大級の環境見本市『Globe2014』に初めてブースを出展しました。さらに企業のみならず、連邦/州政府関係者とのミーティングも数多く行うなど、資源分野での両国間の関係強化に努めてきました。

  • カナダ石炭コンサルタントDoug Smith氏を迎えてのミニ講演会の様子(2014.5.6)

    カナダ石炭コンサルタント
    Doug Smith氏を迎えてのミニ講演会の様子(2014.5.6)

  • PDAC2014でのJOGMECブース

    PDAC2014でのJOGMECブース

シェールガス革命と東日本大震災が変えた両国の関係

 2011年、マイニングがビジネスの中心であった当事務所の役割が大きく変わり始めました。変化の原因は大きくふたつ。まずカナダ側の原因は米国発のシェールガス革命です。世界第3位の天然ガス生産量を誇るカナダに『膨大なシェールガス埋蔵量』という更なるポテンシャルを与えると同時に、唯一の輸出先である米国市場を失いかねないという、光と影の両面をもたらしました。日本側の変化は言うまでもなく東日本大震災です。エネルギー事情の劇的な変化に伴う天然ガス需要への対応、すなわち安定的かつ安価な天然ガス輸入元の確保という新たな課題が生まれました。2011年、両国の思惑が期せずして一致。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州のクラーク首相が、LNG産業育成を州政府最大の政治課題として強力に推進するのに伴い、日本をはじめとするアジア各国からのシェールガス開発やLNGビジネスを見越した投資が活発化しました。その結果、当事務所としてもこれまで馴染みが薄かった石油・天然ガス分野での業務が急速に拡大しています。
 カナダ西岸からのLNG輸出は、良好な投資環境や輸送距離、液化時の気候など、メリットは多数あるものの、先住民問題やBC州が導入予定のLNG税及び今後の労働力不足への懸念といったカナダ固有の課題にも直面しています。常に比較対象となる米国のLNG案件との関係など、短期・中期・長期のどの視点で見るのかによっても、カナダ案件の評価は変わってくるかもしれません。

出典:B.C.,Canada Prospects in Mining and Natural Gas

カナダの資源と日本の技術をJOGMECが結ぶ

 JOGMECはカナダにおいて、日系企業が関与する有望なシェールガス鉱区に対する出資・融資を既に複数案件実施しています。さらにカナダに豊富に存在する超重質油(ビチューメン)の流動性向上のためのSCWC技術(超臨界水による改質技術)や高効率・高生産のシェールガス井開発技術、ガスのマネタイズオプションのひとつとなるGTL技術等、エンジニアリングチームを持つJOGMECの強みを活かした研究開発関連活動も展開中です。
 大国と隣り合わせの中で今後の未来像を展望せざるを得ないという、似たような境遇にある日本とカナダ。天然ガスを中心とする新たな両国間の関係は、単に経済的な連携を超越し、今後数十年にわたる新たな礎になるものと考えています。カナダにお越しの際には、是非、当事務所にお立ち寄りください。エキサイティングな状況を共有できることを楽しみにしております。なお、雨のバンクーバーもなかなか乙なものです。

資源外交NEWS:連邦政府、州政府との天然ガスを中心とした協定を次々締結

 日本とカナダの政府間レベルでの関係は、近年、急速に深まっています。2012年にはJOGMEC河野理事長とBC州クラーク首相が天然ガス分野の相互協力協定に調印、その後さらに、連邦政府やアルバータ州との連携も深めています。また、2013年9月には安倍総理とハーパー首相との首脳会談が行われ、その後の茂木経産大臣と連邦天然資源省オリバー大臣、同じく茂木経産大臣とBC州クラーク首相との天然ガスを主眼とする協力文書への締結とつながりました。

JOGMECとBC州の協定サイン時

JOGMECとBC州の協定サイン時

JOGMEC NEWS Vol.37
内容は2014年6月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌 「JOGMEC NEWS Vol.37(2014年6月発行)」も併せてご利用ください。