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広報誌特集:資源大陸アフリカの全貌 (石油・天然ガス)

東リフトバレーの断層崖から構造調査対象地域を望む遠景

東リフトバレーの断層崖から構造調査対象地域を望む遠景

世界を驚かせたモザンビークでの巨大ガス田発見

東アフリカ深海のガス田発見鉱区と周辺鉱区

 アフリカにおけるエネルギー資源の供給地として広く知られていたのは、主に次の4つのエリアでした。
(1)北アフリカの地中海沿岸諸国(リビア、アルジェリア、エジプトなど)
(2)ギニア湾沿岸諸国(ナイジェリア、ガボン、コンゴ共和国、赤道ギニアなど)
(3)アフリカ南西部(アンゴラなど)
(4)アフリカ北部内陸国(南スーダン、スーダン、チャドなど)

 ところが近年、これまでほとんど生産が行われていなかったエリアで次々と大型の油ガス田や、それにつながる有望な地質構造の発見が続いており、エネルギーを巡る情勢は大きく変わろうとしています。

 中でも新たなホットエリアとして期待を集めているのが、モザンビーク沖の大水深域でみつかった巨大なガス田です。モザンビークはアフリカ大陸の南東部にあり、インド洋沿いに長い海岸線を持つ国ですが、タンザニアにつながる北の沖合で次々とガス層が発見され、推定埋蔵量は探鉱が先行している2鉱区だけで100兆立方フィート(Tcf)を超えるものとみられています。連続する地域でさらなる開発が進めば、世界でも屈指の天然ガスの供給地になる可能性があるのです。

 モザンビークは、1975年にポルトガルから独立した後、16年間にわたって内戦が続いたため、アフリカの中でもインフラ整備などが遅れた国でした。しかし1994年以降、国際連合モザンビーク活動(ONUMOZ)の支援のもとで政治と経済の安定化が進み、開発に向けての環境が整ってきました。

 モザンビークにおける天然ガス開発には日本の三井物産が参加しており、本プロジェクトからLNGの生産開始が予定されている2018年以降、日本にとってもエネルギー資源の重要な調達先の一つになることが期待されます。このためJOGMECとしてもさまざまな支援を行っており、以下に一例を紹介します。

JOGMECのモザンビーク対象研修事業~日本と産油ガス国にウインウインの関係をもたらし、関係を深化させる研修事業~

研修事業は、JOGMECの人脈を広げ深化させる一方で、産油国側のエンジニア・マネージメントなど、人的インフラを整備・拡充させる双方ウインウインの関係性をもたらす、JOGMECにとって貴重なツールの一つです。 想定を超える巨大ガス田を発見したモザンビークにおいては、大規模なガス田開発プロジェクトを着実に進め、LNGとして市場に供給するために必要な技術、そして法制化する知識などが大幅に不足しています。そこで、JOGMECはこれらに資する研修を行うことで同国の人材育成に貢献するべく、4年間にわたってのLNG対応技術者受け入れを盛り込んだ政府間協定を締結しました。 現在、同国からの研修生は28名に達しています。JOGMECは同国を含め、これまで25年間にわたり、46カ国2,736名に及ぶ技術者などの研修を行ってきました。研修生OBは、多くの国で権益 交渉などを担当するような枢要な地位に昇りつめています。研修事業による産油国の人材育成が明日の日本の資源安定供給に寄与するよう、今後も研修の強化・充実に努めてまいります。

  • 研修修了式研修生代表挨拶

    研修修了式研修生代表挨拶

  • 修了式にて大使館公使と記念撮影

    修了式にて大使館公使と記念撮影

東アフリカの大地溝帯※で掘り起こされた石油

「ケニアで初めて石油が発見される!」2012年春、こんなニュースがエネルギー業界の関係者の間で話題になりました。

 イギリスの石油開発会社Tullow Oilがケニア北西部のトゥルカナ地域で石油の試掘に成功したという内容で、従来油田とは無縁だったケニアにおける快挙だっただけに、モザンビークに続く新規開発エリアとして注目が集まりました。

 周辺では北方に豊富な油田地帯として知られる南スーダン(2011年7月にスーダンから独立)がありますが、地質構造はかなり異なります。ケニアはアフリカ東部を南北にわたって縦断する地球の割れ目である大地溝帯に貫かれた国であり、大地溝帯の形成は約1,000万~500万年前と地質年代的には新しい時代に始まっていることから、これよりもはるかに古い地層から石油がみつかることが多いアフリカでは石油があるとは考えられていなかったのです。

 しかし大地溝帯西リフトバレーのウガンダでは厚い湖沼性の堆積物がみつかっていたほか、石油が生成される根源岩や貯留層となる砂岩が確認されており、2005年以降複数の油田が発見されてきました。今回、東リフトバレーに位置するケニアで初の油田が発見されたことから、開発に向けての動きが進展する可能性があります。

※大地溝帯(Great Rift Valley) 大陸地殻が地球内部のマントル活動によって引き裂かれ、巨大な溝状の谷となった地形。総延長約7,000キロメートル、幅35~100キロメートルに及び、両端には高さ100メートルを超える崖が随所にみられます。東リフトバレー、西リフトバレー、ニアサリフトバレーがあり、現在でも年に数メートルの速さで拡大しています。

  • 東アフリカの大地溝帯

    東アフリカの大地溝帯

  • 東アフリカリフト積盆の主な鉱区

    東アフリカリフト積盆の主な鉱区

JOGMECのケニアでの地質構造調査事業

大地溝帯東リフトバレーの堆積盆はエチオピアからケニア、タンザニアへと長く続いており、東アフリカは新たな油田地帯へと変貌する可能性があります。JOGMECもこの地域には早くから注目しており、2012年4月にはケニア国営石油公社(NOCK)と石油探鉱共同調査契約を締結し、ケニア陸上における「海外地質構造調査事業*」を進めており、その成果が期待されています。 *海外地質構造調査事業外国政府や国営石油会社などからの要請を受け、あるいはJOGMECからの働きかけにより、JOGMECが地質調査・物理探査などを行って対象地域の石油ポテンシャルを評価します。これにより調査対象地域の技術的リスクを低減するとともに、相手国との関係を構築し日本企業の進出を支援しています。

広がりをみせるアフリカ大西洋岸の油ガス田地帯

南米大陸とアフリカ大陸(西部)との石油システム(根根岩や貯留岩の堆積環境や年代)の相関性

南米大陸とアフリカ大陸(西部)との石油システム
(根根岩や貯留岩の堆積環境や年代)の相関性

 アフリカの大西洋岸では、ギニア湾最深部にあるナイジェリア、赤道ギニア、ガボンなどが主な産油国でしたが、沖合の大水深域で開発が進む南部のアンゴラが急激に生産量を伸ばし、現在ではナイジェリアに続くアフリカ第2位の石油生産国になっています。アンゴラ周辺はジュラ紀から白亜紀初期にかけてアフリカ大陸と南米大陸が分裂した時、ブラジル南部と分かれた土地です。そのブラジルでは、プレソルトと呼ばれる深海の岩塩層の下にある油ガス層の開発が進み、現在では世界第14位の石油埋蔵量を誇る国に成長しました。従って同じ地質構造を持つアンゴラ沖でも、今後プレソルトの開発が進めば、生産量の拡大が期待されます。

 また、ギニア湾から西に続くエリアでもガーナ深海などで新たに大規模油ガス田の発見があったことで西隣のコートジボアールやリベリア、シエラレオネにも鉱区が設定され、探鉱・開発が進んでいるのです。

■南米大陸とアフリカ大陸(西部)との石油システム(根根岩や貯留岩の堆積環境や年代)の相関性

JOGMECのアフリカでの出資事業

JOGMECのアフリカでの出資事業

JOGMECは、モザンビークのほか、ガーナ、コンゴ民主共和国、ガボン、ナミビアにおいて日本の民間企業が実施する探鉱事業への支援を行っています。
これらのプロジェクトが成功した際には、供給源多様化の実現を通じた我が国へのエネルギー安定供給への貢献と、これらの国との一層の関係強化に資することが期待されます。

北アフリカで始まりつつあるシェールガス革命

 サブサハラ以外では北アフリカの産油ガス国においても新たな動きが出ています。

 従来、これらの国で産出するエネルギー資源は地中海を横断するパイプラインによってヨーロッパへ運ばれていました。しかしリビアを中心にシェールガスの開発が始まりつつあることで生産量が伸びる可能性があり、将来的には新たな供給先として日本にも目が向けられています。

JOGMEC NEWS Vol.32
内容は2013年3月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌「JOGMEC NEWS Vol.32(2013年3月発行)」も併せてご利用ください。