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広報誌特集:資源大陸アフリカの全貌 (金属資源)

モリブデン(レアメタル)

モリブデン(レアメタル)

アフリカ大陸の南部、コンゴ民主共和国から南アフリカまで続く広いエリアは金属鉱物資源のポ テンシャルが高いことで知られています。これまでは内戦や政情不安を抱え、開発の進まなかった国が多かったのですが、徐々に環境が整ってきたことで、さまざまなプロジェクトが始まっています。アフリカ南部における金属資源開発がどのように行われているのか、JOGMECの推進する取り組みをいくつか紹介しましょう。

  • マラウイでは現地の方々と共働

    マラウイでは現地の方々と共働

  • ウォーターバーグ地域での試錐

    ウォーターバーグ地域での試錐

  • ナミビア地質調査所との共同研究対象地域

    ナミビア地質調査所との共同研究対象地域

ボツワナ・地質リモートセンシングセンターの設立

 2008年7月、JOGMECはボツワナのロバツエ市にボツワナ・地質リモートセンシングセンターを設立しました。
 リモートセンシングとは人工衛星や航空機を利用し、広範囲の地質データを迅速に取得し、解析する技術で、宇宙開発や画像解析などに多くの実績を持つ日本が得意とする分野の一つです。ボツワナのリモートセンシングセンターでは南部アフリカ全域の調査を進めるとともに、日本と南部アフリカ開発共同体(SADC)※加盟国との連携を目指し、現地への技術移転や資源開発に携わる人材の育成を進め、さらには彼らと共同で調査を実施しています。
※南部アフリカ開発共同体(SADC)
1980年に発足した南部アフリカ開発調整会議(SADCC)を先進とする国家連合で、経済統合・共同市場の合意を目指しているほか、紛争解決・予防のための活動も行っています。加盟国は次の15カ国:タンザニア、ザンビア、ボツワナ、モザンビーク、アンゴラ、ジンバブエ、レソト、スワジランド、マラウイ、ナミビア、南アフリカ、モーリシャス、コンゴ民主共和国、マダガスカル(クーデターの発生により資格停止中)、セーシェル。事務局はボツワナの首都ハボロネに置かれています。

ボツワナ・地質リモートセンシングセンター

ボツワナ・地質リモートセンシングセンター

2012年の最優秀探鉱賞に選ばれたJOGMECの白金族探査プロジェクト

JOGMEC白金族探査プロジェクト位置図

JOGMEC白金族探査プロジェクト位置図

南アフリカにおける二つ目のプロジェクトは、白金族探査プロジェクトです。白金族(プラチナ)は自動車の排気ガス浄化触媒として非常に重要な工業原料ですが、産地は南アフリカに偏在していて、同国の生産量だけで世界シェアの4分の3を占めています。しかも資源量は極めて少なく、金より貴重な金属といわれるほどなのです。また白金族として同時にみつかることの多いパラジウムとイリジウムはそれぞれ水素吸蔵合金※1、高硬度耐熱合金※2に必要なレアメタルとして需要があります。
 工業国である日本にとって欠かすことのできないこれら白金族金属を求めて、JOGMECは2009年から南アフリカのブッシュフェルド岩体北部(ブッシュフェルド北部リム)で探査を続けてきました。対象エリアは地表がより新しい堆積物でおおわれていることから、これまでほとんど調査が行われていない場所だったのですが、JOGMECはカナダの民間探鉱会社と共に可能性の高いエリアを新たに特定し、ボーリング調査の結果、2012年の夏ついに鉱床をみつけたのです。これまでに白金、パラジウムおよび金を合わせた約205トンの金属量が確認できました。世界屈指の金属量の獲得を目標に、現在も探査は継続しています。
※1水素吸蔵合金の用途
自動車から排出される排気ガスを浄化するマフラーの触媒として利用
※2高硬度耐熱合金の用途
自動車のスパークプラグの中心電極として利用

世界最高の探鉱成果に選ばれたJOGMECのプロジェクト

ウォーターバーグ地域における今回の白金族鉱床の発見は、まったく新しい探鉱理論の確立にもつながる可能性があることから世界的にも高い評価を受け、権威ある鉱業専門雑誌『マイニング・ジャーナル』において、2012年の最も優れた探鉱プロジェクトに贈られる最優秀探鉱賞に選ばれました。

レアアースの安定供給にアフリカが果たす役割

 最後にマラウイにおけるレアアースの探査を紹介します。  レアメタルの一種であるレアアース(希土類元素)は、超強力磁石や発光デバイスの高性能化に役立つことから、多種多様な工業製品を生産している日本にとっては欠かせない金属資源です が、供給を中国に依存していたことから政治的なリスクを負うようになってきました。このため JOGMECは南部アフリカで探査を続ける中、マラウイ南部で鉱床を発見し事業化に向けての取り 組みを続けています。  白金族やレアアースなど、産地が限られる金属資源に関して、南部アフリカは非常に有望なエリアです。長い間カントリーリスクが高いため開発の進まない状況でしたが、リモートセンシングセンターの活動など資源国との関係性の強化や、日本が誇る高い探査技術、何より探査チームの情熱で新たな経済価値を創出することができ、金属資源の供給地として世界的にも価値が認められてきました。アフリカにおける資源開発プロジェクトの多くはスタートしたばかりですが、近い将来同地 域の重要性はますます高まっていくことでしょう。

マラウイ南部でのサンプル採取作業

マラウイ南部でのサンプル採取作業

JOGMEC NEWS Vol.32
内容は2013年3月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌「JOGMEC NEWS Vol.32(2013年3月発行)」も併せてご利用ください。