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石油開発最新事情:最新のラボ事情 / はじめに


技術部実験・研究基盤課

はじめに

 JOGMEC-TRCのラボ(技術部実験・研究基盤課)は、産油国等との共同研究プロジェクトにおいてそれぞれの担当部署、例えばEOR課や非在来油ガス田技術課などと協同で実験・分析業務を実施しています。一方、ラボとして独自で前述の実験・分析業務に関連する調査、技術開発及び研究も実施しています。本稿においてその中の一つである「CO2飽和水圧入による岩石物性変化の研究」というテーマを紹介いたします。

背景

 近年環境負荷への関心が高まるなか、油ガス田開発技術においてもCCS等による環境負荷低減技術が注目されています。またCO2EOR開発技術においては炭酸塩岩鉱物がCO2圧入によって溶解することが知られており、CO2圧入貯留層においては孔隙率等の岩石物性の変化や物理探査モニタリングへの影響を正しく評価することが重要となります。よってCO2EORを効果的にかつ安全に操業する上で重要な要素技術の一つに貯留層内の流体挙動を正確にモニタリングすることが挙げられます。
 ラボでは平成25年度に炭酸塩鉱物がCO2によって溶解する影響を室内実験から評価する研究を行いました。本稿ではこれらの測定結果を報告します。

実験

 本実験は、炭酸塩岩へCO2飽和水圧入を段階的に行い(50、100、150、200PV。PV: Pore Volumeの略。岩石試料の孔隙容積を1PVとする。)、各段階において地震波速度や孔隙率等の変化を測定するとともに、SEM画像解析によって岩石の鉱物構造の変化を評価しました。本実験では岩石試料として、4種類の炭酸塩岩を使用しています。岩石試料は、直径が1.5インチ(約3.8cm)、試料長は約5cmに整形しました。

測定結果

SEM画像(走査型電子顕微鏡画像)

 図1は炭酸塩岩試料の同一箇所を撮影したものであり、CO2飽和水の透水前から8週間後までの期間において、CO2飽和水を透水した各段階後に撮影したものです。炭酸塩鉱物と推定される岩石の溶解が確認されました。また、時間経過にともない鉱物が消滅していく様子も確認されています。


  • Before

    Before

  • After 1week

    After 1week

  • After  2 weeks

    After 2 weeks

図1 SEM画像5000倍の解像度にて定点観測を実施