資源ライブラリ
ホーム >  資源ライブラリ >  地熱資源開発 >  広報誌特集:地熱資源が切り開く地域活性化への道

広報誌特集:地熱資源が切り開く地域活性化への道

地熱資源が切り開く地域活性化への道

2015年8月7日~8日の2日間、JOGMECは湯沢市とともに「全国地熱自治体サミット in 湯沢」を開催。
地熱を活用している7道県8自治体から首長を招き、地熱エネルギーの現在、そして未来について、活発な議論を行った。

8自治体の首長が集い 地熱資源の可能性を発信

 国内では23年ぶりとなる山葵沢地熱発電所。JOGMECが債務保証を行い、今春着工したこの発電所の建設が進むのは、緑豊かな秋田県湯沢市だ。この湯沢市と共催で、JOGMECは地熱エネルギーを活かした街づくりについて考える「全国地熱自治体サミット in 湯沢」を、2015年8月7~8日の2日間にわたり開催した。
 1日目は全国8自治体から集まった首長やゲストスピーカー、地元湯沢市の高校生らがプレゼンテーションやパネルディスカッションを実施。北海道や湯沢市などの雪国で採用している、温水を冬場のビニールハウスの暖房として利用する事例や、温水を福祉施設で利用する事例など、各地で行われているさまざまな地熱活用事例が発表された。そんな中、特に注目を集めたのが、湯沢翔北高校商業クラブのプレゼンテーションだ。地元の特産品、さくらんぼと、地元の天然資源である地熱を使い、新しい名産品を開発した事例の発表である。農商工を巻き込み、連携させることで開発したという「ミッチェリー」は、さくらんぼを地熱で乾燥させたドライフルーツ。持ち運びやすさにこだわったジッパー付きの小型パッケージを採用するなど、高校生ならではのアイデアが盛り込まれている。地熱資源の活用に取り組んでいる地元高校生の発表が終わると、自治体関係者だけでなく、一般の参加者からも盛大な拍手が送られ、初日で一番の盛り上がりを見せた。
 翌8日には、湯沢市内の地熱関連施設を見学するバスツアーを実施。目玉はなんといっても、すでに稼働中のうえ上のたい岱地熱発電所だ。地熱発電についてより深く理解してもらうため、実際に発電中の設備を見学しながら地熱発電のしくみを解説。なお、本発電所ではタービンの回る音や温水を冷やす冷却塔の音がするくらいで、大きな騒音や振動はほとんど感じない。外観も山小屋風のデザインを採用し、周辺環境との違和感もない。併設するPR館もログハウス風のデザインで、まるで別荘のような雰囲気。美しい山々と調和する外観、少ない稼動音など、環境への影響を最小に留めようとする周辺地域への配慮がよく伝わってくる発電所だ。
 上の岱地熱発電所のほかには、建設中の山葵沢地熱発電所の工事現場で掘削を進めるリグを紹介。最新の掘削技術や安全性について説明を行った。加えて、温水で低温殺菌を行っている牛乳工場、地熱を利用した農産物加工所の見学なども実施。参加者の方々に実際の地熱活用現場をめぐってもらうことで、地熱資源の魅力を広くアピールできた。
 自治体だけでなく湯沢市民や一般の方も参加した本サミット。日本が誇る重要な資源、地熱エネルギーについて、ともに学び、ともに考える場を提供できたのではないだろうか。東日本大震災以降注目の高まる、再生可能エネルギーの一つである地熱。今後の利用拡大に、期待が高まる。

全国地熱自治体サミットとは?

地熱資源のもたらす付加価値について 首長と市民がともに考える場

湯沢市

湯沢市

 地熱をテーマにしたイベントで、JOGMECと湯沢市が共催し実現。大型地熱発電所を抱える自治体の首長を招き、地熱エネルギーを使った地域活性化について意見交換を行った。参加自治体は、北海道森町/岩手県八幡平市/岩手県雫石町/秋田県湯沢市/宮城県大崎市/福島県柳津町/大分県九重町/鹿児島県指宿市の8自治体。加えて、地熱の理解促進を目的に、地熱関連施設の見学も実施。

  • 8自治体の首長から、地熱エネルギーの利用状況と現状、問題点などが<br />発表された。どの自治体からも、地熱による雇用創出、産業創出に期待する声が

    8自治体の首長から、地熱エネルギーの利用状況と現状、問題点などが
    発表された。どの自治体からも、地熱による雇用創出、産業創出に期待する声が

  • 当日最も注目を集めた湯沢翔北高校商業クラブ。地熱エネルギーの<br />メリットや活用事例の紹介を通じ、地熱利用への理解促進に貢献した

    当日最も注目を集めた湯沢翔北高校商業クラブ。地熱エネルギーの
    メリットや活用事例の紹介を通じ、地熱利用への理解促進に貢献した

  • 温泉の蒸気で乾燥野菜を製造する工場。天日干しよりはるかに短い時間で乾燥できる。<br />たとえばトマトなら半日程度で乾燥可能だ

    温泉の蒸気で乾燥野菜を製造する工場。天日干しよりはるかに短い時間で乾燥できる。
    たとえばトマトなら半日程度で乾燥可能だ

  • 上の岱地熱発電所(右)と地熱発電のPR館(左)。どちらも自然と調和するデザインで、<br />背後にある山の緑とのコントラストが美しい

    上の岱地熱発電所(右)と地熱発電のPR館(左)。どちらも自然と調和するデザインで、
    背後にある山の緑とのコントラストが美しい

齊藤 光喜

JOGMEC NEWS Vol.42
内容は2015年9月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌「JOGMEC NEWS Vol.42(2015年9月発行)」も併せてご利用ください。