資源ライブラリ
ホーム >  資源ライブラリ >  特別企画 >  世界のJOGMECから:中東事務所(アブダビ)

世界のJOGMECから:中東事務所(アブダビ)

摂氏50度の灼熱の地で産油国との信頼を築く

世界で奮闘するJOGMECの事務所を紹介する本企画。
今回は、中東はUAEに拠点を置く、中東事務所をご紹介します。


写真 左から、シリア人のアマールさん、浅和所長、スリランカ人のチャンドリカさん、<br />インド人のサリムさん。国籍が異なるため、お互いを理解することが大切という

写真 左から、シリア人のアマールさん、浅和所長、スリランカ人のチャンドリカさん、
インド人のサリムさん。国籍が異なるため、お互いを理解することが大切という

世界有数の石油産出国で奮闘する国籍の異なる4名のメンバー

中東事務所のあるビジネス街の様子。オイルマネーで潤うアブダビは、<br />意外にも高層ビルが立ち並ぶ。治安もよく、日本人にとっても非常に住みやすいという

中東事務所のあるビジネス街の様子。オイルマネーで潤うアブダビは、
意外にも高層ビルが立ち並ぶ。治安もよく、日本人にとっても非常に住みやすいという

 日本のエネルギー政策を語る上で欠かせないアラブ首長国連邦(以下UAE)。資源エネルギー庁が発表する2014年のデータによると、日本が輸入する原油のうち、20パーセント以上を同国が供給しています。この数字はサウジアラビアに次ぐ第2位。埋蔵量も世界7位の978億バレルを誇るなど、エネルギー戦略上、極めて重要な国だと言えるでしょう。
 UAEで産出する石油のうち、そのほぼすべてを占めるのがアブダビ首長国(以下アブダビ)です。アブダビは、UAEを構成する7つの首長国のうちのひとつで、同国の面積の約8割を占めています。UAEの首都も兼ねており、また、UAEの大統領はアブダビ首長が務めることになっていたりと、同国の中でも特に存在感の強い国です。
 JOGMEC中東事務所は、そんなアブダビ市内、ペルシャ湾を望むビジネス街の一角にあります。スタッフは浅和所長を含めて4名。秘書のチャンドリカさんはスリランカ人。誠実な仕事ぶりで、事務所の一般事務全般を担当してくれており、「彼女がいなければ事務所が回らない」と浅和所長は話します。アマールさんはシリア人の事務員で、複雑なアラビア語での対外手続き関係をきちんとやってくれる大切な存在です。そして最後に、ドライバーでインド人のサリムさん。アブダビでは日中、気温が高いため、中東事務所のオフィスアワーは朝7時半始業、ランチタイムをとらずに14時半には終業とのことですが、14時半以降の来客対応や外勤もよくあるため、サリムさんはそんな彼の日常勤務を裏で支えてくれる心強いドライバーです。

両国の信頼関係を現地でのFACE to FACEで支える

事務所でのミーティングの様子。国籍の異なる彼らにとって、公用語は英語だ。<br />バックボーンが異なるスタッフをまとめるためには、よく話し合うことが鍵となる

事務所でのミーティングの様子。国籍の異なる彼らにとって、公用語は英語だ。
バックボーンが異なるスタッフをまとめるためには、よく話し合うことが鍵となる

 JOGMEC中東事務所の主な役割は、中東からアフリカにいたるエリアでの情報収集と、本部のさまざまな業務サポート。日々変動する油価、産油国や資源メジャーの動向などを探り、石油の日本への安定供給に寄与しています。
 「石油の権益については、多くのケースで入札が行われます。入札では参入希望者の技術力・価格競争力だけでなく、それまでの貢献度合いや今後の協力体制などを含め、総合的に評価されることを考えなくてはなりません。そのため、産油国が何を求めているのか、JOGMECとしてどの分野でいかに貢献できるか、こうした情報を集めることが重要です」
 このように語る浅和所長ですが、アブダビに赴任した当初、商習慣が異なるうえ、事業のキーマンが誰なのか、どのように接触するのかなどがわからず苦労したといいます。しかし、現地の人たちとコミュニケーションをとるうちに、“Face to Face”で接することが特に重要だと気づきました。
 「JOGMECを知っていても、外から来たばかりの私に多くの情報を教えてはくれません。顔を合わせてコミュニケーションをとり、私自身が産油国の方々に信頼されることで、ようやく心を開いてくれるのです」
 また、JOGMECが長年取り組んでいる研修事業も信頼関係の構築には有効です。この研修事業とは、産油国を対象に1989年から行っているもの。これまで3,300名以上もの参加者を記録しています。当然、その中にはアブダビの技術者も含まれており、現在ではアブダビの国営石油会社ADNOCやその傘下の操業会社などで働いていることも少なくありません。「以前、ADNOCに行ったとき、『お疲れさまです!』と声をかけられたことがあります。よくよく話してみると、JOGMECの研修参加者だったのです」。こうしたケースでもわかるように、研修事業を通じて親日的な感情を持っている方も多く、信頼関係をスピーディーに築けることもあります。
 「アブダビを含む中東エリアでは、今後も石油権益を獲得する機会が出てくるでしょう。そのときに日本のエネルギー安定供給につながるように、貢献していきたいと思います」
 そう語る浅和所長と中東事務所の活躍に、ご期待ください。

アブダビで開催された国際会議・ADIPECでJOGMECの存在を産油国にアピール

 2015年11月9日~12日、アブダビ国際石油展示会・会議(ADIPEC)が開催。JOGMECも参加、展示を行った。ADIPECは30年以上の歴史を誇る、世界最大級の展示会。アブダビはもちろん、世界各国のエネルギー大臣、石油メジャーも一堂に会するため、JOGMECの存在や日本の技術をアピールする絶好の機会でもある。
 展示ブースでは石油増産や環境問題への対応など、産油国が抱える課題に貢献しうる先進技術を展示。産油国や資源メジャーから、高い関心を集めた。JOGMECでは来年以降もADIPECに参加し、石油産業の中のJOGMEC、ひいては日本のプレゼンスを高めていく計画だ。

  • ADIPECに出展したJOGMECの展示ブース。資源開発についての展示だけでなく、<br />日本文化の紹介も行うことで、多くの来場者の関心を集めた

    ADIPECに出展したJOGMECの展示ブース。資源開発についての展示だけでなく、
    日本文化の紹介も行うことで、多くの来場者の関心を集めた

  • 産油国のほか、仏トタール社や米エクソンモービル社など石油メジャーの<br />面々も参加したカンファレンスには、JOGMEC理事長河野もスピーカーとして参加

    産油国のほか、仏トタール社や米エクソンモービル社など石油メジャーの
    面々も参加したカンファレンスには、JOGMEC理事長河野もスピーカーとして参加

  • 日本文化を伝えるため、書家を呼んで書道の実演なども行った。<br />来場者の名前を漢字で書くパフォーマンスは、来場者に好評だ

    日本文化を伝えるため、書家を呼んで書道の実演なども行った。
    来場者の名前を漢字で書くパフォーマンスは、来場者に好評だ




JOGMEC NEWS Vol.43
内容は2015年12月時点のものになります。
当記事が掲載された広報誌「JOGMEC NEWS Vol.43(2015年12月発行)」も併せてご利用ください。