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接続可能な開発と鉱業
 
鉱業の持続可能な開発に係る国際機関、政府、産業界でのグローバルな取り組みに関する動向を紹介します。
 
接続可能な開発とは
 

1987 年「環境と開発に関する世界委員会」が報告書(ブルントラント報告書)で提唱した概念で、 『持続可能な開発 (Sustainable Development) とは、将来の世代がそのニーズを充足する能力を損なうことなしに、現在のニーズを充たす開発のことである。』 環境保全に配慮し、調和の取れた開発が重要であるとする考え方です。

特に、 1992 年リオ・デ・ジャネイロで開催された国連環境開発会議 (UNCED)、通称リオサミットを境にこの『持続可能な開発』の概念に基づく地球規模での取組が積極的に行われるようになりました。この概念は、『経済』『社会』『環境』の主要3つの側面での取組の重要性と『国』、『企業』、『地域住民』等の利害関係者(ステークホルダー)間での対話と理解と協調に基づいた開発を目指すものです。

鉱業は、人々が必要とする鉱物資源や金属という素材を供給する重要な産業であり、これらの事業活動を通じて国や地域経済に経済的利益をもたらしました。一方で、鉱業は自然環境に手を加えて鉱山開発や操業を行うことから、自然破壊や環境汚染を起こしやすく環境や社会に負荷や影響を与えやすい性格を有していました。このため他一般産業以上に環境負荷を低減する活動や地域社会との良好な関係構築や影響緩和を目指した活動が求められ、政府や鉱業界は積極的に取り組んできました。

 
接続可能な開発と鉱業
 
鉱業分野でのグローバルな取組
 
政府関係

リオサミット 10 周年に当たる 2002 年 9 月に南アフリカのヨハネスブルグにて 『持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)』 が開催されました。その結果、加盟国 (191 カ国)は『実施計画』を採択。その パラグラフ 46 に、環境サミット関係では初めて『鉱業』という産業分野が取り上げられ今後の指針が示されました。

 
鉱業分野ではサミット開催に先立ち、国連、 国連環境計画(UNEP) APEC/GEMEED 南北米鉱業大臣会議 国際銅研究会研究会 国際鉛亜鉛研究会 国際ニッケル研究会 等の国際組織で、サミットに向けた議論や活動が行われ、サミット後も各組織機関で継続的な取組が行われています。
 
産業界

産業界でもヨハネスブルグサミットに向けて世界主要非鉄金属企業 9 社の CEO たちによって GMI(Global Mining Initiative) が提唱され、その事業の一環として鉱業分野での持続可能な開発に係る現状と課題関する調査 (MMSD) が実施されました。サミット後はその宣言に沿った具体的な取り組みついて、 世界金属鉱業評議会 (ICMM) を母体に活動を推進しています。

 

欧米の一般企業の不透明な活動に起因し、企業は社会から透明性の確保、説明責任、法連遵守等への対応を求められました。さらに最近では企業の事業活動において、法令順守していても従来からは対象としていなかった利害関係者の活動により大きな影響を受ける事態が発生したりしました。この結果、企業は『経済』『社会』『環境』 3 つの側面(スリーボトムライン)での幅広い利害関係者(マルチステークホルダー)に対する配慮や対応が必要となりました。これが『企業の社会的責任 (Corporate Social Responsibility : CSR) 』と言われるもので、企業も積極的に取り組もうとしています。

 

鉱業界は、歴史的に鉱山開発や操業に伴う環境問題や先住民問題を含む社会問題に直面し対応してきました。これに対応するため、企業の自主的な取組として環境管理システムの導入やそれに用いる各種ガイドラインの整備を図ってきました。その一環として鉱業界は『環境報告書』の公開にも積極的に取り組んでおり、更に現在は、 CSR の観点も踏まえ環境報告書の内容も含む『持続可能報告書』や『 CSR 報告書』の導入が進みつつあります。

 
最近の動向
 
政府関係

2004 年 6 月チリ北部の都市アントファガスタにて我が国はじめ APEC 加盟の 17 ヶ国の鉱業を所管する大臣や高官が出席し、 APEC 初の鉱業大臣会議が開催されました。結果、鉱業、鉱物資源・金属の重要性が認識されるとともに、鉱業の発展には『持続可能な開発』の概念に基づいた取組が重要であるとの結論に達し 共同声明(アントファガスタ声明) が発表されました。

 
 
 
持続可能な開発と企業の社会的責任(CSR):GRI鉱業補足文書案

ICMM は、鉱業界の透明性等を確保するため環境報告書などに取り組んできましたが、 CSR の観点でその報告書作成に関するグローバルなガイドライン作成を推進する国際組織である GRI(Global Reporting Initiative) と連携し、 2002 年に出された包括的なガイドラインに加え、 産業別補足文書 (Sector Supplement) 案の作成を進めており 2004 年内には最終版が出来る予定です。

 
 
 
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