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はじめに
 我が国の金属鉱業には長い歴史があり、かつては世界でも有数の銅や銀の生産国でした。こうした金属鉱業は明治以降、産業近代化の先鋒として発展し、多数の鉱山が国内で鉱石を採掘し多くの富を生みました。その生産量は第二次大戦前後にピークを迎えましたが、その後は良質資源の枯渇と国際資源取引の発達などにより減少に転じ、1970年代以降は急速な円高進行などにより多くの鉱山が閉山に追い込まれました。
 
  鉱山は、その操業時においては富、雇用や社会資本など様々な面で地域社会の総合的振興を促しますが、同時に環境問題―鉱害―が必然的に発生します。それぞれの鉱害の形態は、酸性坑廃水の流出、有害重金属を含む残置廃棄物の飛散・流出や精錬所からの煙灰など多岐にわたりますが、鉱山の稼行が停止した後も、水質汚染や有害廃棄物の残置等により周囲の環境に悪影響を与える恐れが残っている場合も多く、一般の工場施設等とは異なる側面を有しています。鉱害は地域住民の生活環境に多大な影響を与える恐れがあるため放置しておくことはできません。

  かつて有数の鉱山国であった我が国においては、国内各地には6000箇所にも及ぶと言われる休廃止鉱山(いわゆる「鉱山跡」)が存在します。そのうち約450箇所では、鉱山の稼行が停止した後、何らかの鉱害防止事業を実施中の鉱山、或いはその必要があるとされています。こうした現場において鉱害の発生を防止し、将来鉱害が発生する可能性を抑えるために、行政機関や鉱山業界は様々な取り組みを行っており、JOGMECは昭和48年から、そうした鉱害防止事業を実施する地方公共団体や企業等に対して、技術面或いは資金面からのサポートを実施し、これまでの活動についても関係各方面から高い評価を頂いております。また、一転して世界に目を向けると、もはや鉱山開発と環境問題は切り離しては議論し得ないことが常識となっています。そうした時代的要求の中で、我が国において培われた鉱害防止のノウハウは極めて貴重なものであり、JOGMECでは国内外を問わず「鉱山と環境の調和」をキーワードに様々な活動を展開しています。

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