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Lithium Supply & Market 2009報告(その2)
<金属資源技術部特命調査役 阿部 幸紀 >
<企画調査部企画課長代理 大野克久>
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1.位置関係
2.アタカマ塩湖 アタカマ塩湖の湖面を形成する岩塩(写真1)は空隙率が24%であり、かん水はこの岩塩中の空隙を満たしている。SQM社及びChemetall社はアタカマ塩湖でリチウム濃縮プラントを操業しており(図2)、同塩湖にはSQM社所有のかん水汲み上げ用坑井が200ヵ所以上、Chemetall社の坑井が20ヵ所に存在している。 図3にアタカマ塩湖におけるかん水システムの状況を模した図を示す。アタカマ塩湖かん水はその水質と分布域から大きく3種類に分けられる。塩素を多く含む塩化物かん水(MOP:Muriate of potash)を基本とし、北東部の火山帯から供給される硫酸を高濃度で含む硫酸塩かん水(SOP:Sulfate of potash)、湖南部に分布する石灰岩の影響を受けるカルシウムかん水がある。このうちMOP とSOPの組成を表2に示す。SOPは硫酸塩が阻害物となりリチウム濃縮が困難であるが、SQM社の主産物は肥料であり、リチウムは副産物として回収しているため、SOP分布域でも操業している。一方Chemetall社はリチウムを主産物としているため、処理技術が確立されており資源量も豊富な塩化物かん水付近にプラントを設立している。リチウム濃縮に関しては、Chemetall社の設備の方が蒸発池が大きく、拡張も計画的に実施されており、副産物としてリチウムを回収しているSQM社よりも効率的にリチウム濃縮がされるようにプラントが設計されている。
![]() 図2 アタカマ塩湖におけるSQM社、Chemetall社リチウム濃縮プラント操業位置図 ![]() 図3 アタカマ塩湖におけるかん水システムの状況 ![]() SQM社とChemetall社は同じような工程でリチウムを濃縮している(図4)。汲み上げ量5〜150m3、レベル-40ml(Chemetall社のデータ)でかん水を汲み上げた後、広大な蒸発池(SQM社:1,000万m3)を利用し、SQM社では8ヶ月、Chemetall社は12〜15ヶ月かけ、かん水中のリチウムを0.2%から6%まで濃縮する。Chemetall社によると、効率よくかつ池全体で濃度差なくリチウムを濃縮するためには、蒸発池の形状、深さ、アンデス山脈からの風向き等を考慮する必要があり、同社では蒸発池の水位、電気伝導度及びかん水サンプル採取を毎日実施している。6〜7月の冬期は低温の影響でかん水中のMg分が沈殿しないため、Chemetall社のプラントは操業を中止する。SQM社のプラントも冬期は生産効率が60〜65%まで低下する。 ![]() 図4 SQM社及びChemetall社、アタカマ塩湖におけるリチウム濃縮工程 4.炭酸リチウム精製工程 濃縮かん水からホウ素を除去する際には有機抽出剤による溶媒抽出法が用いられるが、アタカマ塩湖では標高が高いために気圧が低く、有機抽出剤の揮発が著しい。そのためこのプロセスを効率的に行うことができない。したがって濃縮されたかん水は、アタカマ塩湖西方230kmの標高の低いアントファガスタ近郊カルメンに所在する両社の精製プラントまでトラックで運搬され、図5に示すフローによって炭酸リチウムが生産される(生産能力SQM:4万トン/年、Chemetall:2.7万トン/年)。SQM社では水酸化リチウムも生産している(生産能力:6千トン/年)。 精製には1日を要し、最終製品はアントファガスタから外国へ輸出されている。 ![]() 図5 SQM社及びChemetall社、カルメンにおける炭酸リチウム精製工程 |
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