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沖縄海域に大規模な海底熱水鉱床を確認

2013年3月27日

最終更新日:2013年3月28日

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、平成20年度より経済産業省から委託を受けて、沖縄海域・伊是名海穴において実施した海底熱水鉱床調査の結果、海底面付近の鉱床は、亜鉛、鉛、金等に富む硫化物で、資源量は340万トン程度と算定しました。
 また、これに加えて、平成24年2月から新たに運航を開始した海洋資源調査船「白嶺」による深部掘削調査の結果、海底面下30mより深い深度に、相当大規模と推測される海底熱水鉱床の新鉱体が存在することを確認しました。これにより、「海底熱水鉱床開発計画にかかる第1期中間評価報告書」(平成23年3月公表)における、沖縄海域及び伊豆・小笠原海域全域での概略資源量(鉱石重量)5,000万トンを上回る資源量が我が国の排他的経済水域内に分布する可能性が出てきました。
 今後、引き続き、「白嶺」を用いた深部掘削調査を行い、新鉱体の詳しい産状や鉱石の化学組成を詳しく調査する予定です。
 なお、本調査は、海底熱水鉱床の開発に向けて策定された「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」(平成21年3月、総合海洋政策本部了承)の一環として実施しているもので、資源量評価、採鉱や選鉱・製錬等の生産技術、採鉱に伴う環境影響評価を同時に推進しています。
 今年度末には、海底熱水鉱床開発計画の第1期5年間が終了することから、5年間の成果や今後の計画について総括した、第1期最終評価報告書を近日中に公表する予定です。

図1 伊是名海穴の位置図

図1 伊是名海穴の位置図

大規模海底鉱床の可能性

  • (1) 沖縄海域伊是名海穴(図1、沖縄本島北西約100kmの日本の排他的経済水域内)内のモデル鉱床(Hakurei-site)の資源量340万トン(平均品位 銅:0.33%、鉛:2.52%、亜鉛:7.25%、金:2.63g/t、銀:216g/t)は、掘削121孔(掘削長1,073m、1孔の長さは最長15m程度)のコアサンプルなどを用いた国際基準に基づく鉱量計算結果に基づくものです。
    この資源量は、秋田県で過去に開発された海底熱水鉱床と同じ成因と考えられている陸上の黒鉱鉱床である「深沢鉱床(1969年発見、1994年閉山)」とほぼ同規模です。

  • (2) さらに、海洋資源調査船「白嶺」が今年1、2月に掘削した9孔(掘削長391m、平均50m)の深部掘削(図2及び図3)の結果、MD02孔では、海底下42.8mから47mまで、またMD03孔でも35.5mから48.7mまで硫化鉱の存在が確認でき、海底面下30mより深い深度に海底熱水鉱床が相当大規模に存在することが期待されます。
    なお、発見された新鉱体は、今回の掘削調査では掘削孔が鉱体の下限を突き抜けていないためその厚みは判明していません。

図2 伊是名海穴モデル鉱床(Hakurei-site)内の北部マウンド断面イメージ

図2 伊是名海穴モデル鉱床(Hakurei-site)内の北部マウンド断面イメージ

(縦の棒は掘削調査による鉱体の分布状況を示す。マウンド裾野から実施した掘削調査
(MD02及びMD03)で、海底面下30m以上の深度で、新鉱体(硫化鉱)を発見)

  • (3) これは、当該モデル鉱床に限定しても、過去少なくとも2回以上の熱水活動によって形成された可能性を示唆し、何層かの鉱体を有する多層的構造を形成している可能性が高いことが推定されます。

  • (4) 今後、深部で発見された新鉱体を含むモデル鉱床全体の正確な鉱体の規模を把握するため、「白嶺」による深部掘削調査を継続していく予定です。

図3 海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」

図3 海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」

(船体中央には高さ37mのやぐら(船上設置型掘削装置)を装備し、
そこから1本約10mのロッドを繋いで海底まで降ろしていき、
海底下の岩石をコアサンプル(円筒状試料)として採取できる。)

今回の新鉱体発見の意義

 平成23年3月に実施した海底熱水鉱床開発計画にかかる第1期中間評価を踏まえ、集中的な掘削調査等により、鉱体の水平・垂直方向の連続性を調査した結果、伊是名海穴において、当初の想定を上回る大規模な鉱床が見込まれることが判明しました。今後、同鉱床の規模を正確に把握するとともに、同様の鉱床が複数発見されることにより、開発可能性は更に高まるものと期待できます。

今後の調査方針

 海洋資源調査船「白嶺」により、モデル鉱床で発見された海底面下30m以深の新鉱体の分布を把握するとともに、モデル鉱床以外の海域についても資源ポテンシャルを把握していく予定です。

図4 船上設置型掘削装置で採取されたコアサンプルの一例(MD02)

図4 船上設置型掘削装置で採取されたコアサンプルの一例(MD02)

 (海底下43m付近で、新鉱体が把握され、そのさらに下部に新鉱体が孔底まで連続している)

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TEL 03-6758-8106