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技術ソリューション事業 技術開発テーマの決定
~平成26-27年度技術ソリューション事業フェーズ2公募採択と事業開始のお知らせ~

2014年10月7日

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、技術開発公募「平成26-27年度技術ソリューション事業(技術開発プロセス)(フェーズ2技術開発)」において、「超臨界水を利用した超重質油部分改質技術の小規模実証試験」を採択しました。

 JOGMECは、昨年度より技術ソリューション事業を実施しています。本事業を通じて、石油・天然ガス資源を自国内に有する国営石油・ガス会社や国際石油・ガス会社等(以下、「産油国等」)が抱える技術的課題 (ニーズ)に対し、JOGMECと日本企業等が一体となって、解決策(ソリューション)を提案していくことで、日本と産油国等との関係をさらに強化したいと考えています。
 今般の技術開発公募において、超重質油田開発で課題となっている超重質油の経済的な輸送方法の開発に関するニーズに対して、油田近傍で適用できる超臨界水を利用した超重質油改質技術を保有し、かつJOGMECと共に実証試験を実施できる日本企業等として、日揮株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:川名 浩一)からの提案を採択し、9月に事業を開始しました。
 今後は、日揮(株)とともに小規模実証を通して技術を確立し、次のフェーズである産油国等における現場実証を目指して、石油・天然ガス分野において日本が先導する技術となるよう取り組んでまいります。

技術ソリューション事業のコンセプト図

技術ソリューション事業のコンセプト図

フェーズの概念

フェーズの概念

フェーズ2技術開発では、ラボレベル等で実績のある技術について海外実証試験の準備等を行う。

採択案件の紹介

(1)採択案件名:超臨界水を利用した超重質油部分改質技術の小規模実証試験
(2)実施期間:契約締結日から平成27年度末
(3)予算概要:約10億円(機構負担50%)
(4)実施内容:スケールアップに必要なデータの取得、長期運転試験を実施
(5)実施場所:カナダ・アルバータ州 デボン市
(6)装置能力:超重質油処理能力 日量5バレル(約800リットル)

装置概要

装置概要

(7)超臨界水を利用した超重質油部分改質(SCWC:Supercritical Water Cracking)技術について
SCWC技術とは、超臨界水を用いて超重質油等を部分的に改質し、合成原油(Synthetic Crude Oil、以下「SCO」)を製造する技術です。
 水は、220気圧以上/摂氏374度以上で超臨界状態になります。この超臨界状態の水は、その熱により超重質油等を分解し、その高い親油性のため分解後の軽質分を溶解する能力を備えています。この能力を利用することで、粘度が高く比重の大きい超重質油等を、パイプライン輸送可能な粘度および比重のSCOに改質することができます。
(8)SCWC技術の適用可能性・優位性
 超重質油はカナダやベネズエラ、コロンビア等に存在しており、重質油も含めると原始埋蔵量は在来型の軽・中質原油と同程度と言われています。特にカナダには、オイルサンドという状態で1,680億バレルの埋蔵量があり、そのうち20%が地表付近に存在していますが、地下に存在する残りの80%はSteam Assisted Gravity Drainage(以下「SAGD」*3)法などの水蒸気を圧入する方法により一部が生産されています。
 生産後の超重質油をパイプラインで輸送するために、超重質油をコンデンセート*1やナフサなどの希釈油で希釈する技術(ディルビット(Dilbit)法)と、水素化分解やコーカー*2などで改質する技術(フルアップグレーダー(Full Upgrader)法)が一般的に用いられています。ディルビット法は、希釈油や希釈油用のパイプラインが必要であること、フルアップグレーダー法は化学反応を生じさせる触媒が必要であること、プラントが大規模かつ操作が複雑であること等の問題点が挙げられています。
 一方、SCWC技術は、超重質油等を希釈油・触媒・水素などを用いることなく水のみを用いて改質し、フルアップグレーダー法に比べ小規模な設備でパイプライン輸送可能なSCOを生成できます。この利点を生かすことで、超重質油等を製油所に輸送するコストを低減できる可能性があります。
 下図は、SAGD法を用いた生産現場に、SCWC技術を適用した場合のプロセス概念です。SCWCプロセスから副生するピッチ*4をSAGD/SCWCの水蒸気発生用ボイラー燃料に用いることにより、天然ガスなどの外部からの燃料を大幅に削減し、プロセスからの固体の副生成物を最小化することも可能となります。

SCWCとSAGDのインテグレーションプロセス

SCWCとSAGDのインテグレーションプロセス

*1 コンデンセート 凝縮物という意味であり、地下では気体で存在しているが、地上では凝縮されて液体(油)になる成分をコンデンセートという。一般の原油より軽質でナフサに近い性状を有する。
*2 コーカー(Coker) 重質油等の重質成分を熱分解反応により軽質成分に転換する装置。
*3 SAGD 地層内に2つの坑井を上下に配置し、上部の坑井に水蒸気を圧入して、地層内の超重質油の流動性を増し、重力により下部の坑井内に流入させて回収する方法。
*4 ピッチ 重質油の熱分解で副生する残渣。高温で液状になる。

この記事に関するお問い合わせ先

技術ソリューション事業グループ 企画チーム  末廣 

TEL 03-6758-8671

総務部広報課  西川 

TEL 03-6758-8106