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メタンハイドレート層からのガス生産実験の終了について

2013年3月18日

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、渥美半島~志摩半島沖(第二渥美海丘)において、第1回メタンハイドレート海洋産出試験のガス生産実験を3月12日に開始し、実験を継続しておりましたが、本日3月18日にガス生産実験を終了しました。これより、生産実験設備撤収を行います。
 メタンハイドレート(注1)は将来の天然ガス資源として注目されており、2001年度から2008年度まで実施された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」(注2)のフェーズ1では、東部南海トラフ海域(静岡県から和歌山県の沖合にかけた海域)をモデル海域として地震探査・試掘などの調査を実施し、同海域において、相当量のメタンハイドレートの賦存を確認しています(注3)。
 2009年度から開始された同計画のフェーズ2では、メタンハイドレートを分解させ天然ガスとして取り出す技術の開発を目指しており、世界初の海洋における実験となります(注4)。
 第1回メタンハイドレート海洋産出試験は2年にわたり、昨年2月から3月にかけて、事前掘削作業として生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、6月から7月には、メタンハイドレート層から、圧力を保持したコアサンプル(地質試料)を含むコアの採取作業を行いました。今回の作業では、掘削、実験機器設置等の準備作業を経て、3月12日にメタンハイドレート分解によるガス生産実験を開始しました。
 これまで、順調にガスの産出をおこなっておりましたが、減圧のために水をくみあげるポンプが一時的に不調となり、同時に出砂が増加するなどの坑内状況の変化等がみられたこと、また、天候の悪化が見込まれることから、機器やデータ類の安全確保のため、本日3月18日にガス生産実験を終了しました。
 詳細な分析はこれからとなりますが、これまでの実験期間において、減圧法による海洋のメタンハイドレ-ト層からガス産出し、連続ガス生産をおこなったこと、生産井から約20メートル離れたモニタリング井までメタンハイドレ-トの分解が及んでいる徴候を確認することができたことなど、今後の研究開発を推進していくうえで必要なデータを得ることができました。
 <第1回メタンハイドレート海洋産出試験の概要>
・作業予定期間:2012年(平成24年)2月~2013年(平成25年)8月頃
                      (事前掘削作業、ガス生産実験、廃坑作業を含む)
・作業地点:渥美半島~志摩半島沖(第二渥美海丘)
・事業主:経済産業省
・関係者:JOGMEC(実施主体)、JAPEX(オペレータ)
・使用船舶:地球深部探査船「ちきゅう」
・これまでの経緯:
2012年2月15日 事前掘削作業開始
2012年3月26日 事前掘削作業を終え、清水港帰港
2012年6月29日~7月4日 圧力コア採取作業
2013年1月28日 試験海域にてガス生産実験のための準備作業を開始
3月12日 ガス生産実験を開始
同日 メタンハイドレート層からのガスの産出を確認
3月18日 ガス生産実験を終了
・スケジュール(今後の予定)
3月末頃まで 生産実験設備撤収
8月頃 モニタリング機器等の周辺設備を撤収
 第1回海洋産出試験は、商業生産ではなく、調査段階の実験作業ですが、本試験により減圧法による海底面下のメタンハイドレートの生産状況や周辺環境への影響の把握など、将来のメタンハイドレートの実用化に向けた貴重なデータが得られることから、メタンハイドレートの資源開発研究にとって大きな前進となることが期待されます。試験の成果を活用して、今後予定されている第2回海洋産出試験の計画や、将来の商業生産に向けた技術基盤の整備(フェーズ3:2016~2018年度を予定)を進めていく予定です。
  • 注1: メタンハイドレートとは、低温高圧の条件下でメタン分子と水分子が結合して生成する氷状の物質です。分解して発生するメタンガスを、資源として利用することが期待されています。永久凍土地域の地下や、水深500m以深の海域の海底面下に存在します。
  • 注2: 経済産業省が2001年に発表。フェーズ2ではJOGMECと独立行政法人産業技術総合研究所によるメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21、プロジェクトリーダー:東京大学増田昌敬准教授)が同開発計画を実施中。
  • 注3: 東部南海トラフにおける調査対象海域では、約40tcf(約1.1兆立方m)のメタンガスに相当するメタンハイドレートの賦存を確認しています。これは、日本のLNG輸入量(2011年)の約11年分に相当します。このうち、メタンハイドレート濃集帯(ある程度の規模のメタンハイドレートがまとまって濃集しており、将来の資源開発対象と期待される箇所)は全体の約6分の1の面積であり、そこに全体の半分の約20tcfのメタンガスに相当するメタンハイドレートが賦存しています。ただし、資源として利用できる量は、実際にどの程度の量が回収できるかによります。
  • 注4: 日本は、世界に先駆けて、カナダの陸上で、国際共同研究として過去2回に亘り、メタンハイドレート陸上産出試験を実施しています。2001年度に行った第1回の試験では、温度を上昇させてメタンハイドレートを分解する加温法(温水循環法)を試み、2007~2008年度の第2回試験では、圧力を低下させてメタンハイドレートを分解する減圧法を試みました。その結果、減圧法の方が、より効率的にメタンハイドレートを分解し、メタンガスとして産出できることを確認したことから、今回の海洋産出試験でも、減圧法による実験を計画しています。

以上

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