ニュースリリース
ホーム >  ニュースリリース >  2015年度 >  氷海開発のための高精度氷況観測センサによる国内実証試験成功

氷海開発のための高精度氷況観測センサによる国内実証試験成功

2016年3月22日

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木啓介)では、氷海開発を支援するための高精度氷況観測技術の開発を進めており、各種開発センサの国内実証試験が成功裏に終了致しました。

 JOGMECでは、我が国の資源エネルギーの安定確保を図るため、未発見資源の宝庫と言われる北極海等における資源開発が重要と位置づけ、技術ソリューション事業の一環として「氷海開発を支援するための高精度氷況観測技術の開発」を実施しております。
 本事業では、施設周辺の海氷分布および接近速度を検知するオンボード海氷レーダ、海氷厚、積雪深および氷表面形状が計測可能な高機能型EM-BIRD(航空機搭載型電磁誘導センサ)、氷山等による海底洗掘(ガウジング)の痕跡を水中から高精度観測するためのパラメトリックサブボトムプロファイラの3種類の機器について、開発および高精度・高機能化を図るとともに資源開発を支援するための氷況データベースシステムの構築を進めております(図1)。
 平成28年3月3日に実施した高機能型EM-BIRDの実証試験をもって、全ての開発センサの国内実証試験が終了致しました。

図1 氷海開発を支援するための高精度氷況観測技術の開発事業概念図(図中朱文字部が現在開発中の機器およびシステム)

図1 氷海開発を支援するための高精度氷況観測技術の開発事業概念図
(図中朱文字部が現在開発中の機器およびシステム)

パラメトリックサブボトムプロファイラの国内実証試験の紹介

 平成27年4月30日、10月7日の2度にわたり、パラメトリックサブボトムプロファイラの精度検証のため、国立大学法人東京大学(総長:五神真氏)、国立研究開発法人海上技術安全研究所(理事長:茂里一紘氏)により長野県青木湖および北海道サロマ湖にて実証試験を行いました。本試験では、ゴムボートおよび小型船舶に開発したパラメトリックサブボトムプロファイラを設置し海底計測を行いました(図2)。
 サロマ湖における試験を実施するにあたり、サロマ湖養殖漁業協同組合、常呂漁業協同組合、佐呂間漁業協同組合、湧別漁業協同組合、株式会社西村組の関係者皆様には多大なるご協力を頂きましたことを、深く感謝致します。

図2 サブボトムプロファイラによる実証試験状況

図2 サブボトムプロファイラによる実証試験状況

オンボード海氷レーダの国内実証試験の紹介

 オンボード海氷レーダの精度検証に必要となるデータ取得を目的に、平成28年2月25日から同年2月26日にかけて、国立大学法人東京大学が北海道紋別市にて流氷を対象に実証試験を実施しました。本試験では、オホーツク・ガリンコタワー株式会社(代表取締役社長:宮川良一氏)が運営する氷海展望塔オホーツクタワーおよび流氷砕氷船「ガリンコ号Ⅱ」に機器を設置しデータの取得を行いました(図3)。
 本試験を実施するにあたり、紋別市には平成27年12月17日に締結した「海洋観測分野に係る連携と協力」に関する覚書のもと試験フィールドのご提供、地元への調整をして頂き、またオホーツク・ガリンコタワー株式会社には施設を使用させて頂き、関係者の皆様には多大なるご協力を頂きましたことを、深く感謝致します。

図3 オンボード海氷レーダの実証試験状況

図3 オンボード海氷レーダの実証試験状況

高機能型EM-BIRDの国内実証試験の紹介

 試験は平成28年3月3日に実施され、国立研究開発法人海上技術安全研究所、国立大学法人北見工業大学(学長:高橋信夫氏)、学校法人日本大学(理事長:田中英壽氏)および北日本港湾コンサルタント株式会社(代表取締役:上原泰正氏)が参加し、高機能型EM-BIRD(航空機搭載型電磁誘導センサ)の精度検証に必要となるデータを取得しました。またヘリコプターの運用は朝日航洋株式会社(代表取締役社長:立野良太郎氏)が担当しました。
 EM-BIRDは、ヘリコプターから吊り下げて海氷上を飛行し海氷の厚さ、積雪の深さおよび氷表面の形状を高精度に観測でき、本試験では国内初の観測飛行に成功致しました。
 サロマ湖にて本試験を実施するにあたり、北見市常呂総合支所、株式会社西村組、サロマ湖養殖漁業協同組合、常呂漁業協同組合、佐呂間漁業協同組合、湧別漁業協同組合の関係者皆様には多大なるご協力を頂きましたことを、深く感謝致します。
 

図4 EM-BIRDによる観測状況及び計測原理

図4 EM-BIRDによる観測状況及び計測原理

技術ソリューション事業「氷海開発を支援するための高精度氷況観測技術の開発」の概要

 JOGMECは、平成25年度より技術ソリューション事業を実施しています。本事業を通じて、産油ガス国の国営石油・ガス会社(NOC)、あるいは国際石油・ガス会社(IOC)等(以下「産油国等」)が抱える技術的課題(ニーズ)に対し、JOGMECと日本企業が一体となって、解決策(ソリューション)を提案していくことで、日本と産油国等との関係をさらに強化したいと考えています(図5)。

図5 技術ソリューション事業のコンセプト図

図5 技術ソリューション事業のコンセプト図

 近年、北極圏等において本邦石油会社の氷海開発への取組みが活発化しつつあります。氷海域における安全で効率的な開発を行うためには、対象海域における氷況を把握できる観測技術が必要不可欠であることから、技術ソリューション事業において実施する技術開発課題の1つとして、平成26年度より氷海研究を行っています。

この記事に関するお問い合わせ先

技術ソリューション事業グループ技術開発チーム  浅沼、山本 

TEL 03-6758-8687

総務部広報課  乾 

TEL 03-6758-8106