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メタンハイドレート海洋産出試験の開始について

2012年2月3日

最終更新日:2013年4月16日

 経済産業省の「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」のフェーズ2(注1)の一環として、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、理事長:河野博文)が実施を受託し、石油資源開発株式会社(JAPEX、代表取締役社長:渡辺修)が同試験に係る掘削工事を担当し、第1回のメタンハイドレート海洋産出試験が本年2月に愛知県~三重県沖合において、開始されることとなりました。
 メタンハイドレート(注2)は将来の天然ガス資源として注目されており、2001年度から2008年度まで実施された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」のフェーズ1では、東部南海トラフ海域(静岡県から和歌山県の沖合にかけた海域)をモデル海域として地震探査・試掘などの調査を実施し、同海域において、相当量のメタンハイドレートの賦存を確認しています(注3)。

 2009年度から開始された同計画のフェーズ2では、メタンハイドレートを天然ガスとして取り出す技術の開発を目指しており、今回の試験は、海洋における世界初のメタンハイドレート産出実験となります(注4)。

 今回のメタンハイドレート海洋産出試験の作業期間は2年にわたり、本年2月から3月にかけて、事前掘削として生産井やモニタリング井の坑井掘削を行い、来年の1月から3月の期間内(予定)に、産出試験(フローテスト)を計画しています。

第1回メタンハイドレート海洋産出試験の概要

  • 作業予定期間:2012年(平成24年)2月~2013年(平成25年)8月頃
  • 作業地点:愛知県~三重県沖(第二渥美海丘)
  • 事業主:経済産業省
  • 関係者:JOGMEC(実施主体)、JAPEX(オペレータ)
  • 使用船舶(事前掘削):地球深部探査船「ちきゅう」(来年度の使用船舶は未定)
  • スケジュール(予定)
2012年2月2日 開坑披露
2月12日頃 清水港出港
2月14日頃 事前掘削作業開始
3月下旬 事前掘削作業終了
2013年1月~3月 産出試験(フローテスト)・廃坑
8月頃 周辺設備等の機器撤収
 今回の産出試験は、商業生産ではなく、調査段階の試験作業ですが、減圧法による海底面下のメタンハイドレートの生産状況や地層の変化の把握など、将来のメタンハイドレートの実用化に向けた貴重なデータが得られることから、メタンハイドレートの資源開発研究にとって、大きな前進となることが期待されます。試験の成果を活用して、今後の第2回の海洋産出試験の計画や、将来の商業生産に向けた技術基盤の整備(フェーズ3:2016~2018年度を予定)を進めていく予定です。
  • 注1:
     経済産業省の委託を受けたJOGMECと独立行政法人産業技術総合研究所によるメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21、プロジェクトリーダー:東京大学増田昌敬准教授)が実施。
  • 注2:
     メタンハイドレートとは、低温高圧の条件下でメタン分子と水分子が結合して生成する氷状の物質です。分解して発生するメタンガスを、資源として利用することが期待されています。永久凍土地域の地下や、水深500m以深の海域の海底面下に存在します。
  • 注3:
     東部南海トラフにおける調査対象海域では、約40tcf(約1.1兆立方m)のメタンガスに相当するメタンハイドレートの賦存を確認しています。これは、日本の年間ガス消費量(2005年)の約13.5年分に相当します。このうち、メタンハイドレート濃集帯(ある程度の規模のメタンハイドレートがまとまって濃集しており、将来の資源開発対象と期待される箇所)は全体の約6分の1の面積であり、そこに全体の半分の約20tcfのメタンガスに相当するメタンハイドレートが賦存しています。ただし、資源として利用できる量は、実際にどの程度の量が回収できるかによります。
  • 注4:
     日本は、世界に先駆けて、カナダの陸上で、国際共同研究として2回のメタンハイドレート陸上産出試験をすでに実施しています。2001年度に行った第1回の試験では、温度を上昇させてメタンハイドレートを分解する温水循環法を試み、2007~2008年度の第2回試験では、圧力を低下させる減圧法を試みました。その結果、減圧法の方が、より効率的にメタンハイドレートを分解し、メタンガスとして産出できることを確認したことから、今回の海洋産出試験でも、減圧法による実験を計画しています。

以上

参考資料

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