資源・素材学会秋季大会において企画講演
「自然力活用型坑廃水処理の実用化~課題とブレイクスルー~」を開催
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野哲弘)は、9月10日、資源・素材関係学協会合同秋季大会「資源・素材2018(福岡)」(主催:一般社団法人資源・素材学会、会場:福岡工業大学)にて企画講演「自然力活用型坑廃水処理の実用化~課題とブレイクスルー~」を開催し、これまでの研究成果に関する活発な議論を行いました。
JOGMECは、鉱害防止事業における坑廃水処理費用の大幅な削減が期待できる自然力活用型坑廃水処理(パッシブトリートメント)(注)に関する調査研究に取り組んでおり、現在、休廃止鉱山のサイトで実証試験を行っています。
「JOGMECプロセス」は、米ぬかを栄養供給源とするバイオリアクター内で、硫酸還元菌の活性で酸性坑廃水中の金属を固定・除去する坑廃水処理技術です。
今回の企画講演は、プログラムに示すとおりJOGMECの研究成果を中心に7つの発表が行われ、およそ50名の参加者を得ました。
JOGMECは、複数の休廃止鉱山での「JOGMECプロセス」の実証試験状況やプロセスの最適化(処理時間短縮)、実用化する上での課題とこれまでのブレイクスルーへの取り組み状況について報告を行いました。
外部からは、経済産業省の川邊鉱害防止専門職より「自然力活用型坑廃水処理の実用化への期待と我が国の取り組み」に関する基調講演、産業技術総合研究所の羽部グループ長より「菌叢解析を活用した『JOGMECプロセス』維持管理のための要素技術開発」、住友金属鉱山株式会社の伊藤担当主任より「実坑廃水を用いた実証試験について~第2報~」に関する講演をしていただきました。
それぞれの発表に対し、参加者からは多数の質問・意見が寄せられ、総合討論では、JOGMECプロセスの休廃止鉱山への実導入に向けた技術的・検討項目等の課題について活発な議論が交わされました。
JOGMECは、鉱害防止対策を支援する国策実施機関として、坑廃水処理コスト削減を実現する手段である自然力活用型坑廃水処理技術の実導入を目的として、それに資する調査研究を今後も推進してまいります。
「自然力活用型坑廃水処理の実用化~課題とブレイクスルー~」の概要(プログラム)
日時:2018年9月10日(月)13時15分~16時30分
会場:福岡工業大学 工学部 A棟2階 講義室
『講演題目』発表者:
- 『趣旨説明』 JOGMEC 岨中 真洋
- 『自然力活用型坑廃水処理の実用化への期待と我が国の取組みについて』 経済産業省 川邊 規史
- 『JOGMECプロセスのパイロットスケール実証試験経過について』 JOGMEC 林 健太郎
- 『菌叢解析を活用した「JOGMECプロセス」維持管理のための要素技術開発』 産業技術総合研究所 羽部 浩
- 『JOGMECプロセスにおける低分子有機物添加の最適条件の検討』 JOGMEC 正木 悠聖
- 『八総赤倉鉱山の坑廃水を用いたパッシブ・トリートメント試験について~第2報~』 住友金属鉱山株式会社 伊藤 竜也
- 『石炭鉱山における人工湿地方式を用いた坑廃水処理の実導入事例に関する現状と課題』 JOGMEC 平川 浩幸
この記事に関するお問い合わせ先
金属環境事業部 調査技術課岨中、正木
電話 03-6758-8032
総務部 広報課高橋
電話 03-6758-8106