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[開催報告] 「地熱シンポジウム in 函館」
国内最大級の地熱資源を有する北海道で、道内の地熱開発と地熱利用をレビューし今後を展望

2017年10月27日

 JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木啓介)は平成29年10月17日(火)~18日(水)に、北海道函館市において「地熱シンポジウムin函館」を開催し、地熱開発と地方創生のあり方などについて、北海道で事業に携わる方々やゲストを交えて意見交換を行いました。また、道内唯一の大型地熱発電所である森地熱発電所や地熱利用農業ハウスなどを巡る「地熱見学ツアー」を開催し、地熱に関する理解をより深める場をつくりました。
 今後、シンポジウムの内容を広く発信し、地熱開発の推進に役立てていきます。
 JOGMECは、10月17日~18日に、函館市において「地熱シンポジウム in 函館」を開催しました。北海道は、国内最大級の地熱開発エリアとして期待され、4カ所で地熱発電設備が稼働しているほか、函館市内や八雲町内など道南エリアを中心に資源量把握を目的とした調査活動が15カ所で進められています。
 「地熱開発と地方創生を考える ~期待が高まる北海道~」と題した本シンポジウムでは、道内における地熱開発の動向や、地域と共生した地熱利用の事例などを紹介。また、将来を担う若者たちが発案した「地熱を利用した未来の街づくり」のアイディアをふまえ、ゲストを交えて地熱の可能性について議論しました。
 本シンポジウムには、関係各省庁、地方自治体、地熱開発事業者、地熱利用事業者、学生、地元住民の方々など全国各地から約400名にご来場いただきました。また、来賓として参加していただいた、超党派地熱発電普及推進議員連盟、北海道からご挨拶をいただきました。
 JOGMECは、今後も地熱開発への理解を一層深めていただくため、このようなイベントの開催に積極的に取り組むとともに、シンポジウムの内容や成果を全国の地熱開発地域に発信し、地熱開発の推進に役立てていきます。

  • シンポジウム会場の様子

  • ゲストの木佐彩子さんが
    パネリストとして登壇

「地熱シンポジウム in 函館」開催内容

第1部: 北海道の地熱資源ポテンシャルの高さと先駆的地熱利用の事例を紹介

 第1部では、「地熱開発の現状と北海道内の取り組み」、「地熱利用事業」等の基調講演などが行われました。

 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 地質研究所資源環境部長高橋徹哉氏は、基調講演「北海道における地熱開発の動向と今後の展望」で、北海道の利用可能な資源量は蒸気フラッシュ方式で、276万キロワットと高く評価されていることを強調するとともに、家庭における暖房・給湯や農林水産業でのエネルギー消費が多いことから「電気も熱も生み出す地熱発電は、北海道に最適な地域エネルギー」であると述べられました。

 その後、JOGMEC地熱分野の取り組みについて地熱部長西川信康から紹介したのち、道内で唯一の大規模地熱発電所を有する森町の梶谷惠造町長が、森町での地熱利用事業について紹介。農業ハウス向け熱供給によりつくられた、トマトや森町名物「森らいす」を、ゲストのフリーアナウンサー木佐彩子さんにご試食いただき、町長との地熱トークを弾ませました。
  • 基調講演 高橋徹哉氏

  • ゲストの木佐彩子さんが地熱で育ったトマトなどを試食

第2部: 未来を担う若者たちが、地熱のある25年、50年後の街づくりを考える

 第2部では、前半のプログラムとして、野村北海道菜園(株) 代表取締役 十川洋氏が「地熱を利用した温室栽培~弟子屈町での地熱発電と地熱利用~」と題して講演し、地熱利用により通年での野菜栽培を実現したことで、地域の安定した雇用が創出できたことなどを紹介しました。

 また、後半のプログラムとでは、東北芸術工科大学山崎亮教授をコーディネーターとした、行政、地熱事業者、温泉事業者、熱利用者、一般市民の代表者とゲストによるパネルディスカッションを行いました。
 パネルディスカッションのなかでは、函館市内の大学生らがワークショップで考案した、地熱を利用した未来の街づくりについて発表。地熱を利用した観光や農業の産業化に加え、「地熱ダイエット」や「地熱ディスコ」といった、若者ならではの斬新なアイディアが発表されました。パネラーからは「未来を担う若者たちが、25年後、50年後について地熱を通して考えてくれるだけでワクワクする」「常識に捉われずに可能性を探すことで、技術は向上していく」などがコメントされ、観客らも関心を持って聞き入っていました。

 そして、コーディネーターの山崎亮教授は、「地熱には大きな可能性がありながら伝わっていないところが多い。難しい話ではなく、地熱で結構すごいことができそうだ、ということを少しずつでも広げていくべきではないか」と締めくくりました。
  • パネルディスカッションのコーディネーターを務める
    山崎亮教授

  • 函館市内の大学生らによるワークショップの成果発表

「地熱シンポジウムin函館」の来賓、登壇者

 このほか、シンポジウムの開催に併せ、シンポジウム会場入口前では道内各地方自治体および関係事業者による事業紹介、地域物産の説明・販売・展示などが行われたほか、共催の日本地熱学会による「市民のための地熱講座」には、熱心な地域の方々など49名が参加されました。
 また、翌18日には森地熱発電所や地熱利用農業ハウスなどを巡り、「森らいす」を試食する「地熱見学ツアー」を実施し、約120名の方にご参加いただきました。
  • 展示会で地域の野菜や果物を販売する壮瞥町

  • 森発電所蒸気生産基地で説明を受ける見学会参加者
    (10月18日)

地熱利用農業ハウスを見学中の見学会参加者
(10月18日)

この記事に関するお問い合わせ先

地熱部地熱開発課高橋

電話 03-6758-8015

総務部広報課

電話 03-6758-8106

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