2013年度 資源地質学会技術賞 受賞
~南アフリカ共和国における白金族金属鉱床探査での調査成果に関連して~
6月25日(水)、東京大学小柴ホールで開催された資源地質学会第64回年会学術講演会において、
JOGMEC資源探査部関係職員が南アフリカ共和国における白金族金属鉱床探査での調査成果に関連して、資源地質学会技術賞(注) を授与されました。
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部で、カナダのプラチナム・グループ・メタルズ社と共同で実施している白金族金属探鉱プロジェクト「ウォーターバーグ地域」において、ブッシュフェルド岩体の存在を初めて確認するとともに、同岩体中に白金族鉱床を発見し、その後のボーリング調査により、予測鉱物資源量としてプラチナ、パラジウム、金の金属量の合計約693tを報告するなどの探鉱成果をあげてまいりました。
今般、調査事業の主要担当者であり調査成果に貢献した資源地質学会会員であるJOGMEC資源探査部で南ア白金族探査を担った探査第2課関係者に対し、同学会技術賞が授与されました。
左から順に、林謙一郎資源地質学会会長、宮武、宮内、増田、栗原、椛島、霜鳥、久保田
対象件名:「南アフリカ共和国ブッシュフェルト北部リムにおける新しい白金族鉱床層準の発見」
受賞者:宮武修一(JOGMEC)・宮内 啓(三井金属資源開発)・増田一夫(JOGMEC)・栗原政臣(JOGMEC)・椛島太郎(JOGMEC)・霜鳥 洋(JOGMEC)・久保田博志(JOGMEC)
受賞理由:ブッシュフェルト北部リムの苦鉄質岩分布域の北限を外れており、過去に白金探査が行われたことはないエリアにおいて、既存の広域的な磁気図、重力図からブッシュフェルト苦鉄質岩が連続して分布する可能性を検討し、2009年からグラスルーツ探鉱を行った結果、2011年に新しい白金族鉱床層準の発見に成功し、2013年9月までに約545tの含有金属量を計上するに至った。南ア・ブッシュフェルトの白金族採掘は90年近い歴史を有するが、今回の潜頭性白金族鉱床層準の発見はこの地域の新たな可能性のみならず、新たな白金族鉱床を見出したとして国際的な評価も高く、今年度の資源地質学会技術賞にふさわしい。
(注)資源地質学会技術賞:探査技術の進歩に寄与し、あるいは著しい探鉱成果をあげて、資源・環境地質学ならびに天然資源の開発に貢献した会員に授与される(資源地質学会賞表彰規則より)
位置 |
首都プレトリアの北北東約270km |
鉱区面積 |
153km2 |
概要 |
白金族金属を胚胎するブッシュフェルド岩体の北端に位置するが、地表は表土で覆われ、ブッシュフェルド岩体の露出がないことから、これまで積極的な調査が行われていなかった地域 |
周辺の開発状況 |
・モガラクエナ鉱山:ウォーターバーグ地域の南70kmに位置する。アングロアメリカンプラチナム社(本社南アフリカ)が露天鉱採掘で生産を行っており、金属量(埋蔵量及び資源量ベース)の合計は265.9百万オンス(約8,270t、プラチナ、パラジウム、ロジウム、金の合計)。
・プラットリーフプロジェクト:ウォーターバーグ地域の南82kmに位置する。JOGMEC出資案件。本格的探鉱実施中 |
契約締結日 |
平成21年10月9日 |
条件 |
4年間で320万米ドルの調査費用を拠出することにより、37%の権益を獲得することができる。調査結果が良好な場合には優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されている。共同探鉱の契約上、新たに鉱床が発見された場合、優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されており、日本企業の新たな権益確保につながるものと期待される。 |
ブッシュフェルド岩体北端での鉱化を確認することを目的とし、ボーリング調査を実施。
プラチナム・グループ・メタルズ社(Platinum Group Metals Ltd.)
本社 |
カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
設立 |
平成12年 |
概要 |
白金族金属の鉱山開発を目的とし、カナダ及び南アフリカで探鉱を実施している中堅探鉱会社。南アフリカのヨハネスブルグに現地会社を有し、ブッシュフェルド地域西部WBJVプロジェクトは2015年央の生産に向け鉱山を建設中。本ウォーターバーグ地域プロジェクトのオペレータを務める。 |
この記事に関するお問い合わせ先
資源探査部 探査第2課宮武・増田
電話 03-6758-8397
総務部 広報課西川
電話 03-6758-8106