南アフリカ共和国ウォーターバーグ白金族プロジェクト、開発に向けてインパラ・プラチナム社と戦略的提携
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:黒木啓介)は、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部においてカナダのプラチナム・グループ・メタルズ社(PTM社)と共同で実施しているウォーターバーグ白金族金属JVプロジェクトにおいて、南アフリカ白金族金属生産量第2位のインパラ・プラチナム社(以下、インパラ社)を新たに開発パートナーとして迎え入れ、本プロジェクトを実施していくことといたしました。同社の参画により、南アフリカにおける鉱山操業の豊富なノウハウと、地金の精錬能力が本プロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まることが期待されます。
JOGMEC は2011年11月に本地域で初めて*白金族金属鉱床を発見し、その後の探査結果に基づくプレ・フィージビリティ・スタディ(2016年11月発表)において、良好な評価を得ました(※過去に実施のニュースリリース参照)。1オンスあたりの生産コストは、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域で現在生産されている白金族鉱山と比較しても、最も競争力の高いプロジェクトのひとつであると評価されています。
このたび、本プロジェクトに南アフリカ白金族金属生産量第2位のインパラ社を新たに開発パートナーとして迎え入れることとなり、同社の参入完了後、同社がプロジェクトのオペレータを担うことになります。
インパラ社は、1960年代から同国で白金族金属ビジネスに従事しており、同社の参画により、南アフリカにおける鉱山操業の豊富なノウハウと、地金の精錬能力が本プロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まることが期待されます。
本プロジェクトは現在、最終フィージビリティ・スタディの確度を向上させるための追加試錐を実施中であり、今後はインパラ社との共同検討をふまえ採掘法や鉱石処理法、社会環境対策、インフラ施設、経済性などの定量評価を加速させます。
JOGMECは本プロジェクトからインパラ社が生産する地金全量の購入権を確保しており、これは将来の日本の白金族金属の安定供給に資するものです。今後、本契約における地位の入札を通じて日本企業への本プロジェクト権益の引き継ぎを目指します。
今後とも資源探査を通じて南部アフリカでの新しい鉱物資源探査の情報を提供し、我が国企業が関与する鉱山開発の促進に貢献してまいります。
*白金族金属:プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムおよびオスミウムの 6元素の総称。特にプラチナおよびパラジウムは、自動車用排ガス触媒として産業用用途として重要な役割を果たす。
インパラ社はJOGMECおよびPTM社から計15%(JOGMEC6.4%、PTM社8.6%)の権益を現金US$30Mで獲得。インパラ社はこれにより本プロジェクトに参入し、15%の権益および最終FS承認後90日以内に追加35.01%を買い増すオプションを獲得する(Step1後のJOGMEC権益は21.95%)。
インパラ社が35.01%を買い増すオプションを行使した場合、同社は機構の権益12.195%を現金US$34.8Mで取得し、さらにJV会社へUS$130Mの単独資金拠出を実行、JOGMECおよびPTM社の権益希釈により計22.815%(JOGMEC4.755%、PTM社18.06%)を獲得し、以後オペレータを務める(Step2後のJOGMEC権益は5.00%)。
ウォーターバーグ(Waterberg)およびウォーターバーグ・エクステンション(Waterberg Extension)地域
鉱区面積 |
1,118km2 |
概要 |
首都プレトリアの北北東約270kmに位置し、白金族金属を胚胎するブッシュフェルド岩体の北端に位置するが、地表は表土で覆われ、ブッシュフェルド岩体の露出がないことから、これまで積極的な調査が行われていなかった地域。アクセス至便、年中探鉱可能。 |
周辺の開発状況 |
・モガラクエナ鉱山(Mogalakwena):ウォーターバーグ地域の南70kmに位置する。アングロ・アメリカン・プラチナム社(Anglo American Platinum Limited、本社:南アフリカ)が露天鉱採掘で生産を行っており、金属量(埋蔵量および資源量ベース)の合計は294.9百万オンス(約9,172t、プラチナ、パラジウム、ロジウム、金の合計)。
・プラットリーフプロジェクト:ウォーターバーグ地域の南82kmに位置する。JOGMEC出資案件。本格的探鉱実施中。 |
プラチナム・グループ・メタルズ社(Platinum Group Metals Ltd.)
本社 |
カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
設立 |
2000年 |
概要 |
白金族金属の鉱山開発を目的とし、南アフリカで探鉱・開発を実施している。南アフリカのヨハネスブルグに現地会社を有し、現在、本プロジェクトのオペレータを務める。 |
インパラ・プラチナム社(Impala Platinum Holdings Ltd.)
本社 |
南アフリカ共和国ハウテン州ヨハネスブルグ |
設立 |
1957年 |
概要 |
南アフリカ白金族生産第2位、世界の白金生産の約4分の1を担う。主要なオペレーションは南アフリカのブッシュフェルド複合岩体およびジンバブエのグレートダイクにて行われている。2016年生産量2.91百万オンス(4E:プラチナ、パラジウム、ロジウム、金)、売上高359億ランド(約3,518億円)。 |
調査地域位置図
この記事に関するお問い合わせ先
資源探査部宮武
電話 03-6758-8374
総務部広報課乾
電話 03-6758-8106