国内洋上風力発電の案件形成の加速化に向けた日本海事協会との基本協定の締結
JOGMECは、2023年10月4日に、一般財団法人日本海事協会と、国内洋上風力発電の案件形成の加速化に向けた基本協定を締結しました。今回の基本協定の締結により、政府の「セントラル方式」の一環としてJOGMECが実施する洋上風力発電のサイト調査の結果が、発電事業者の案件の実現に寄与し、「再生可能エネルギーの主力電源化の切り札」として期待される洋上風力発電の案件形成の加速化が図られるよう、両機関が連携して取り組んでまいります。
基本協定の署名式
JOGMECは、2023年度より、案件形成の初期段階から政府が主導的に関与する仕組みである「セントラル方式」(注1)において、洋上風力発電に係る海底地盤・風況・気象海象に関するサイト調査(以下「サイト調査」。)を開始しており、現在、北海道岩宇・南後志地区沖、北海道島牧沖、北海道檜山沖の3区域で初の調査を実施しています。この結果は、再エネ海域利用法に基づき実施する促進区域の公募に応募する発電事業者に対し、JOGMECから提供される予定です。
2021年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画(注2)では、洋上風力発電は2030年度までに約570万kWの導入を目指すこととされており、目標達成に当たっては、案件形成の加速化に向けた取組が不可欠です。
これを受けJOGMECはサイト調査の結果が、風力発電設備が設置される場所の現地環境条件・運転条件等に対する設計妥当性等を判断するプロセス(第三者認証プロセス)に貢献することを目的とし、一般財団法人日本海事協会(以下、「ClassNK」。)との間で、国内洋上風力発電の案件形成の加速化に向けた両機関の連携に係る基本協定を締結しました。今回の基本協定締結により、公募落札後の洋上風力発電設備に係る適合性確認を見据えた、より効率的・効果的なサイト調査を実現し、案件形成の迅速化に取り組んでまいります。
JOGMECとClassNKは、今回の基本協定の締結により、両機関が保有するノウハウ及び人材等を活用した連携を実現し、国内洋上風力発電の案件形成の加速化に取り組みます。
(注1)セントラル方式の概要およびJOGMECによる洋上風力事業は以下をご参照下さい。
(注2)第6次エネルギー基本計画は以下をご参照下さい。
令和5年度 海底地盤調査サイト(鋼製櫓によるボーリング)
- セントラル方式の概要とJOGMECの役割
「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(以下「再エネ海域利用法」。)が2019年に施行され、公募による事業者の選定と、選定事業者による30年間の占用が制度として確立しました。他方、再エネ海域利用法施行後の課題として、複数の事業者が同一海域で調査を実施することで、漁業等地元関係者の活動に影響を及ぼす懸念が生じたことから、JOGMECは昨年度、JOGMEC法(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法)を改正し、政府の主導的な関与の下、効率的な案件形成目指す「セントラル方式」において、発電事業の採算性分析に必要な情報を得るための調査事業を本年度より開始しました。
セントラル方式においてJOGMECは、発電事業の採算性分析に必要となる情報を得るための海底地盤・風況・気象海象に関するサイト調査を実施し、その調査結果を事業者へ提供することを通じて、洋上風力発電における調査の重複実施の弊害を解消するとともに、案件形成の効率化・加速化に貢献します。
セントラル方式の運用方針[骨子]は以下をご参照下さい。
- 洋上風力発電に係るセントラル方式の運用方針[骨子](経済産業省資源エネルギー庁ホームページ)
- ClassNKについて
海上における人命と財産の安全確保及び海洋環境の汚染防止という使命の下、1899年(明治32年)に設立された、日本を本拠地とする国際船級協会です。洋上風力発電の分野では、ClassNKは、2023年3月に、電気事業法第69条第1項の規定に基づき、同法第48条の二に規定する登録適合性確認機関として登録されており、我が国における洋上風力発電所(着床式及び浮体式)に係る適合性確認を実施する機関です。
ClassNKによる再生可能エネルギー関連事業については以下をご参照下さい。
この記事に関するお問い合わせ先
洋上風力事業部 企画課小嶋
電話 03-6758-8129
総務部 広報課柿平
電話 03-6758-8106