上五島国家石油備蓄基地における防災訓練の実施について
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は、11月1日(金)に上五島国家石油備蓄基地(以下、上五島基地)にて実施された「令和元年度防災訓練」において、災害時の緊急対応および被害抑制体制が十分に整っていることを確認しました。
自衛消防隊による一斉放水
本訓練は、上五島基地が加入する「長崎県西部排出油等防除協議会」(注1)の会員が一体となった排出油防除訓練を実施し、関係機関相互による協力体制の確立と海上防災体制の充実強化を図ることを目的としたもので、上五島基地における大型タンカーからの原油流出事故を想定して実施されました。
訓練は、「上五島基地の原油受入設備(シーバース)に原油タンカーが衝突し、積載中の原油が海上に流出。さらに原油タンカー機関室内で火災が発生、乗組員による初期消火を実施するも火勢が強く、機関室内を密閉し総員退船。一方、原油回収作業船の作業員が、足を滑らせ海中に転落。」との想定で行いました。
訓練には、防災関係組織4機関(注2)、船艇8隻が出動し、情報の伝達、初動措置、緊急出動、船舶交通に対する安全措置、広報活動、流出油の拡散防止および回収・処理、流出油の拡散状況調査、海中転落者の救助、船舶火災消火訓練等を実施しました。
JOGMECは、今回の訓練を通じて、災害時の緊急対応および被害抑制の体制が十分に整っていることを確認しました。引き続き災害時の対応を万全なものとしてまいります。
一斉放水(シーバース)
一次オイルフェンス展張
現地本部
五島海上保安署長による講評
(注1)五島海上保安署、県、市、町さらに警察、消防、漁協、建設業など34の団体が一体となり排出油防除訓練を実施する機関
(注2)五島海上保安署、上五島石油備蓄(株)上五島事業所、上五島総合サービス(株)、(株)坂本組
本基地は、世界で初めて洋上タンク方式を採用した原油備蓄基地として、昭和63年9月に完成。
防波堤により、平穏な泊地を確保し、貯蔵船5隻を並列に配置し各貯蔵船を防油堤で囲むもので、貯蔵船1隻あたりの貯油能力は88万キロリットル(5隻合計で440万キロリットル)です。
令和元年10月末現在、約362万キロリットルの原油が保管されています。
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