アゼルバイジャンでの石油開発事業の債務保証採択について
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:大澤秀次郎)は、2005年4月14日、アゼルバイジャン領カスピ海においてITOCHUOilExploration(Azerbaijan)Inc.(ケイマン法人、代表取締役社長:松川良夫氏)が行っているGunashli(グナシュリ)油田深海部及びChirag(チラグ)油田西部開発事業(フェーズ3事業)につき債務保証対象プロジェクトとして採択しました。
ITOCHUOilExploration(Azerbaijan)Inc.は、1996年に、アゼルバイジャン領カスピ海沖合ACG鉱区(アゼルバイジャン共和国首都のバクー市の東方約100km)の権益を取得、翌97年にChirag(チラグ)油田で試験生産を開始しました。また、2005年2月中旬には、Azeri(アゼリ)油田中央部開発事業(フェーズ1事業)より原油生産を開始し、現在合計約21万b/dの原油を生産しています。今次の開発分を合わせ、2009年頃には100万b/dを超える生産水準に達する見込みです。
今次の債務保証は、グナシュリ油田の開発、およびチラグ油田西部の開発作業に必要な資金約2億5千万米ドルの借り入れに関し、JOGMECが借入額の50%につき保証(保証見込額約1億2,500万米ドル)を行うこととしたものです。なお、ITOCHUOilExploration(Azerbaijan)Inc.は、生産された原油(同社引き取り分)と等量の代替原油を日本に持ち込んでいます。
1)会社概要
名称 |
ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc. |
設立 |
1996(平成8)年1月22日 |
本社所在地 |
ケイマン諸島 |
社長 |
松川 良夫 氏 |
資本金 |
3,101万ドル(2005年2月末時点) |
株主構成 |
伊藤忠商事株式会社 100% |
2)鉱区位置(添付図参照)
アゼルバイジャン領カスピ海沖合ACG鉱区(アゼルバイジャン共和国首都のバクー市の東方約100km)
3)沿革
1996年 McDermott、次いでPennzoilから権益を取得し、権益合計は約3.92%となる
1997年11月 Chirag(チラグ)油田早期生産事業により原油試験生産を開始
2001年 8月 Azeri(アゼリ)油田中央部開発事業(フェーズ1事業)の開発移行を決定
2002年 9月 Azeri(アゼリ)油田西部及び東部開発事業(フェーズ2事業)の開発移行を決定
現在、開発作業実施中
2004年 9月 Gunashli(グナシュリ)油田深海部及びChirag(チラグ)油田西部(フェーズ3事業)の開発移行を決定
現在開発作業実施中
2005年 2月 Azeri(アゼリ)油田中央部開発事業(フェーズ1事業)から原油生産を開始
4)共同事業者及び権益比率
権益保有者 |
権益比率 |
*ITOCHUOilExploration(Azerbaijan) |
3.9205% |
BP(英、オペレーター) |
34.1367% |
Unocal(米) |
10.2814% |
SOCAR【アゼルバイジャン国営石油会社】 |
10.0000% |
インペックス南西カスピ海石油 |
10.0000% |
Statoil(ノルウェー) |
8.5633% |
ExxonMobil(米) |
8.0006% |
TPAO(トルコ) |
6.7500% |
Devon(米) |
5.6262% |
AmeradaHess(米) |
2.7213% |
合計 |
100% |
5)フェーズ3事業の概要
アゼルバイジャン領カスピ海沖合ACG鉱区におけるGunashli(グナシュリ)油田深海部及びChirag(チラグ)油田西部開発事業。
生産原油は、既存の西ルートパイプライン(Baku-Supsa)とあわせ現在建設中のBTCパイプライン(Baku-Tbilisi-Ceyhan;バクー∼トビリシ∼ジェイハン)を通じて輸送される予定であり、地中海沿岸のジェイハン(トルコ)から主に欧州向けに船積みされる見通しである。
1)採択日
2005年4月14日
2)債務保証見込額
124.4百万米ドル(借入予定額248.8百万米ドルの50%)
本プロジェクトについては、
- (1)技術的事項、(2)経済的事項、(3)事業実施関連事項等の観点からのJOGMECの採択審査基準を満たすと判断されること
- 石油供給源を多角化することにより我が国のエネルギー安定供給に資する案件であると判断されること等から、債務保証対象として採択することとした。
なお、本プロジェクトの採択に際しては、経済産業大臣と協議し同意を得ている。
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