カザフスタン・カスピ海沖合のカシャガン油田開発事業の債務保証採択について
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:大澤秀次郎)は、2005年10月26日、カザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区においてインペックス北カスピ海石油株式会社(代表取締役社長:黒田直樹氏)がAgip社(伊)等と共同で行っているカシャガン油田開発事業について債務保証対象プロジェクトとして採択した。
JOGMECは、同プロジェクトについて、我が国のエネルギー安定供給に資する案件であり、技術的・経済的にも妥当であると判断し、今般採択を行ったものである。これにより、JOGMECは、同社が分担する、カシャガン油田の開発作業に当面必要な借入資金約12億米ドルのうち、50%につき保証(保証見込額約6億米ドル)を実施する。
インペックス北カスピ海石油株式会社は、1998年に、カザフスタン共和国北カスピ海沖合鉱区(カザフスタン共和国アティラウ市の南東約70km)の権益を取得し、2000年に試掘に成功しカシャガン油田を発見した。カシャガン油田は、過去30年間に発見された油田の中で最大級の油田とされており、2004年にカザフスタン政府より商業生産に向けた開発計画の承認を得ている。今回債務保証採択を行ったカシャガン油田は、2008年中に原油生産開始が予定されており、2010年中には日量45万バーレルの生産水準を達成する見込みである。
1)会社概要
名称 |
インペックス北カスピ海石油株式会社 |
設立 |
1998年8月6日 |
本社所在地 |
東京 |
President |
黒田 直樹 氏 |
資本金 |
461.8億円(2005年9月末時点) |
株主構成 |
JOGMEC 50.0% 国際石油開発(株) 45.0%三菱商事(株) 2.5% 石油資源開発(株) 2.5% |
2)鉱区位置(添付図参照)
カザフスタン共和国 北カスピ海沖合鉱区(カザフスタン共和国のアティラウ市の南東約70km)
3)沿革
- 1998年9月、インペックス北カスピ海石油株式会社はカザフスタン国営石油会社(KCS)鉱区権益の7.14%を取得。
- 2000年7月、試掘成功。カシャガン油田発見。
- 2001年5月、BP及びStatoilが権益を売却。インペックス北カスピ海石油株式会社は先買権を行使し、権益比率は8.33%に増加。
- 2004年2月、カザフスタン政府が、カシャガン油田開発計画を承認。
4)共同事業者及び権益比率
権益保有者 |
権益比率 |
インペックス北カスピ海石油 |
8.33% |
Agip(伊)【オペレーター】 |
18.52% |
ExxonMobil(米) |
18.52% |
Shell(英・蘭) |
18.52% |
Total(仏) |
18.52% |
ConocoPhillips(米) |
9.26% |
KazMunayGas(カザフ) |
8.33% |
合計 |
100% |
5)カザフスタン領北カスピ海沖合鉱区カシャガン油田開発事業の概要
2008年中に生産を開始する予定。生産原油は、パイプライン、鉄道輸送等により出荷される計画。会社引取分の生産原油については、代替原油が日本に持ち込まれる予定。
1)採択日
2005年10月26日
2)債務保証見込額
6.03億米ドル(借入予定額12.06億ドルの50%)
本プロジェクトについては、
- (1)技術的事項、(2)経済的事項、(3)事業実施関連事項等(事業実施体制、環境安全配慮等)を総合的に審査・検討した結果、保証対象債務の返済が相当程度確実と判断されること
- 石油供給源を多角化することにより我が国のエネルギー安定供給に資する案件であると判断されること等から、債務保証対象として採択することとした。
なお、本プロジェクトの採択に際しては、経済産業大臣と協議し同意を得ている。
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