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ペトロブラス社と石油天然ガス開発における協力協定を締結
-深海底下の油田開発技術等の分野で共同研究を推進、実用化をめざす-

2005年12月17日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長大澤秀次郎)は、ブラジル最大のエネルギー開発会社ペトロブラス社(本社リオデジャネイロ)との間で、石油天然ガス分野の開発事業、研究事業等を、今後戦略的に協力し実現させていくことで合意し、12月16日にリオデジャネイロのペトロブラス社において、協力協定書に調印した。

 本協定の締結により、JOGMECとペトロブラス社は、深海エリアでの浮遊式石油生産・貯蔵・出荷システム(FPSO)の実証研究、天然ガス資源の開発・利用などの石油天然ガス上流部門に関する共同研究を進め、両者がこれらの分野で有する優れた先進技術を今後効率的に融合し、発展させていくこととしている。また、本協定は、これらの事業を実施するにあたって、両国の他の研究機関や民間企業等の参加も視野に入れたものとなっている。

 FPSOに知見を有するJOGMECが、深海底下の石油開発技術について豊富な経験を有するペトロブラス社との協力関係を強化することによって、我が国の深海底下の油田開発技術力の向上や、今後、日本企業にとってブラジル沖、メキシコ湾などの深海エリアでの油田開発への参入機会が拡大することが期待される。
(参考)
ペトロブラス社の概要
 ペトロブラスはブラジル政府機関(国営石油会社)として、同国の石油産業の独占実施を目的として設立。現在、独占は終了し、外資も導入されている環境の下で、石油天然ガスの探鉱・開発・生産・輸送・各種石油製品販売と上下流の事業を有し、水力発電や風力発電をも行う総合エネルギー会社である。また、ブラジル国内だけでなく、積極的に海外進出も行い、アンゴラ、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、米国、ペルー、ベネズエラ、リビア等で702百万バレル、3.2兆立方フィートの埋蔵量を確保している。
 ブラジルの油田は洋上油田が約7割を占め、同社の深海底下の油田開発技術は世界的に高く評価されている。現在同社は、水深3,000mを対象とする超深海エリアでの探鉱・開発技術の研究開発や、開発費の削減を目的とした技術開発を積極的に推進している。
 2004年時点での同社の有する埋蔵量は原油9,900百万バレル、天然ガス11.4兆立方フィートであり、生産量は原油1,661千バレル/日、天然ガス2,154百万立方フィート/日となっている。
浮遊式石油生産・貯蔵・出荷システム(FPSO=Floating Production, Storage and Offloading system)
 現在、水深が200mを超えるようなエリアでの油田開発では、中古タンカー船などを改造したFPSOやセミサブ(半潜水式)式プラットフォーム等を利用するか、または海底に生産設備を設置し海底パイプラインを使って生産された油を運ぶシステムが利用されている。JOGMECが研究開発している中空円筒形の船体をもつモノコラム船型FPSOは、これらに比べ、以下に示すような利点を持っており、今後、深海エリアでの油田開発に利用されるようになると期待されている。
  • 貯油機能を有しており、タンカーに直接出荷できることから、パイプラインが不要。
  • タンカー型FPSOに比べ動揺安定性に優れ、油田の掘削や操業に必要となる大型のやぐらを搭載可能。
  • インフラの乏しい深海エリアでのハブ的施設として、周辺油田開発に対して石油・ガス生産インフラになりうる。
<モノコラム船型FPSOのイメージ>

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