レアメタルの安定供給を目指しベトナムに調査団を派遣
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:掛札勲)は、2月12日よりタングステン、レア・アース等のレアメタル資源のポテンシャルが高いベトナム社会主義共和国に調査団を派遣する。ベトナム政府及び鉱業関係機関等の要人を訪問し、タングステン、レアアース等レアメタルの鉱山開発可能性、日本への供給可能性などを探る。本調査団には、ベトナムにおけるレアメタル事業展開に関心を持つ民間企業5社が参加する。
JOGMECでは、昨今のレアメタル価格高騰に鑑み「レアメタル安定供給研究会」を開催し、将来におけるレアメタル安定供給の方策について検討を実施してきたところ。今回のベトナムへの調査団派遣は本研究会の活動の一環として実施するものである。
1)調査期間:平成18年2月12日(日)∼21日(火)
2)調査団:団長 JOGMEC 希少金属備蓄グループ審議役 馬場洋三
社団法人日本メタル経済研究所
レアメタル関連企業5社
3)調査の内容:
ベトナム政府及び鉱業関係機関等の要人を訪問し、今回の調査を将来のレアメタル供給国となる可能性を有する同国との緊密な関係構築の第一歩としたい考え。また、同国におけるレアメタル鉱床の賦存状況、開発状況、外国企業の参入可能性や留意事項について意見交換を行い、日本企業の同国における鉱山開発等への進出可能性を探る。
訪問予定先
ベトナム工業省:MOI-- Ministry of Industry
ベトナム天然資源環境省:MONRE--Ministry of Natural Resources and Environment
ベトナム計画投資省:MPI--Ministry Planning and Investment
ベトナム天然鉱物公社::VIMICO--Vietnam National Minerals Corporation
ベトナム地質鉱物局:DGMV--Department of Geology & Minerals of Vietnam
ベトナム石炭-鉱物工業協会:VCMIG―Vietnam National Coal-Mineral Industry Group
ベトナムは石油・石炭の産出国であり、また、非鉄金属資源(レアメタル資源を含む)のポテンシャルも高いが鉱業法等の未整備により開発が進んでいなかった。しかしながら、2002年末に出されたガイドライン等により改善されつつあり、初めての外国資本(カナダ企業)による鉱山開発(NuiPhaoタングステン等多金属鉱山;2007年末生産開始予定)が進んでいる。
昨今のタングステン等のレアメタル価格高騰に鑑み、日本が優位性を有する産業分野、環境・省エネ対策等に使われるレアメタルや今後需要の伸びが予想されるレアメタルについて、その安定供給の方策を民間企業の参加を得て検討する。
これまで民間企業22社2団体の参加を得て、計5回の研究会を開催している。
<これまで行った研究の内容>
1)中長期的課題への対応
・日本企業の海外鉱山等への進出可能性についてのビジネスモデル研究
2)短期的課題への対応
・タングステンの供給課題及びサイクル推進についての研究
・レア・アース、インジウム、ガリウムの供給課題についての研究
(参考)
1)タングステン:自動車製造、プリント基板極小穴空け(PCBドリル)等の超硬工具等に使用。
中国が世界の83%を生産、日本は中国から78%を輸入。
価格高騰から新規鉱山開発、休止鉱山の再開等の動き。
・ベトナム(NuiPhao鉱山;開発中2007年末生産開始予定)
・カナダ(CanTun鉱山;2005年9月より生産再開)
2)レア・アース:永久磁石(Nd・Fe・B磁石等)、蛍光材等幅広く使用。
中国が世界の95%を生産、日本は中国から91%を輸入。
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