ブラジル・カンポス沖合のフラージ油田開発事業の債務保証採択について
石油・天然ガス開発プロジェクト推進グループ
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:掛札勲)は、2006年7月13日、ブラジル連邦共和国カンポス沖合フラージ鉱区においてインペックス北カンポス沖石油株式会社(代表取締役社長:黒田直樹氏)がブラジル現地法人FJPL(FradeJapaoPetroleoLimitada)を通じてChevron等と共同で行なっているフラージ油田開発事業について債務保証対象プロジェクトとして採択した。
JOGMECは、同プロジェクトについて、我が国のエネルギー安定供給に資する案件であり、技術的・経済的にも妥当であると判断し、今般採択を行ったものである。これにより、JOGMECは、同社が分担するフラージ油田の開発作業に当面必要な借入資金約396百万米ドルのうち、50%につき保証(保証見込額約198百万米ドル)を実施する。
フラージ油田は、1986年に発見されていたが、探鉱・評価段階にあった1999年にFJPLが権益を取得した。フラージ油田はブラジル・リオデジャネイロ州沖合120km、水深1,000m以上の深海部に位置しており、2006年6月、権益保有者間で開発移行の意思決定を行っている。今回債務保証採択を行ったフラージ油田は、可採埋蔵量約3億バレル、日量約10万バレルの生産水準を達成する見込みである。また、日本企業がブラジルにおいて権益を保有する初の原油生産プロジェクトとなる。
1)会社概要
- 名称 インペックス北カンポス沖石油株式会社
- 設立 2000年10月12日
- 本社所在地 東京
- 社長 黒田 直樹 氏
- 資本金 61.52億円(2006年6月末時点)
- 株主構成 JOGMEC 50.0% 国際石油開発(株) 37.5% 双日(株) 12.5%
2)鉱区位置
- ブラジル連邦共和国 リオデジャネイロ州カンポス堆積盆沖合120kmフラージ鉱区(水深1,050m~1,300m)
3)沿革
- 1999年7月、インドネシア石油(株)(現在の国際石油開発(株))と日商岩井(株)(現在の双日(株))は、ブラジル法人FJPL(Frade Japao Petroleo Limtada)を設立し、FJPL は、Texaco(現Chevron) 及びPetrobras 等との間でFrade鉱区に係る権益譲渡契約を締結。
- 2002年1月、開発コンセプト選定作業(Pre-FEED(Front End Engineering Design))開始。
- 2006年6月、フラージ油田開発移行決定。
4)共同事業者及び権益比率
権益保有者 |
権益比率 |
FJPL
(インペックス北カンポス沖石油(株)の伯法人) |
18.26% |
Chevron Brazil Limitada (伯)
(Chevron(米)の伯法人) |
51.74% |
Petrobras(伯) |
30.00% |
5)ブラジル・カンポス沖合のフラージ油田開発事業の概要
2009年4月に生産を開始する予定。会社引取分の生産原油については、代替原油が日本に持ち込まれる予定。
1)採択日
2006年7月13日
2)債務保証見込額
1.98億米ドル(借入予定額3.96億米ドルの50%)
本プロジェクトについては、
- (1)技術的事項、(2)経済的事項、(3)事業実施関連事項等(事業実施体制、環境安全配慮等)を総合的に審査・検討した結果、保証対象債務の返済が相当程度確実と判断されること
- 石油供給源を多角化することにより我が国のエネルギー安定供給に資する案件であると判断されること等から、債務保証対象として採択することとした。
なお、本プロジェクトの採択に際しては、経済産業大臣と協議し同意を得ている。
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