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裸眼立体視・大規模3次元可視化システムが完成
∼石油・天然ガス開発の効率化に寄与・本邦石油業界で初∼

2007年2月5日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:掛札勲)、技術センター(千葉市)は、このたび本邦石油・天然ガス開発業界で初の、“裸眼立体視・大規模3次元可視化システム(以下3D-Visualization)1※を完成し、運用を開始する。

 3D-Visualizationシステムの活用により大量のデータに基づき地下の油ガス層の“姿”を3次元で可視化し、専門の異なる多分野技術者間での情報・認識の共有化が促進され、石油・天然ガス開発にかかる的確な意思決定の迅速化による油ガス田評価作業の効率化が図られると期待される。

 具体的には、本システムの運用開始により、油ガス田発見成功率の向上、より正確な構造・特性把握、油ガス層埋蔵量推定の高精度化、油ガス田での掘削・生産・開発作業の最適化・コスト削減、生産物の回収率向上に資する。

 JOGMECの技術センターは、最先端のIT技術を積極的に採用して世界レベルの研究・開発に取り組んできており、さらに今回の3D-Visualizationシステムを活用することで、本邦石油会社、産油・産ガス国等とのコラボレーションを実現し、研究開発・技術力向上、操業支援、産油国協力などに役立てると共に、石油・天然ガス開発の技術発展に寄与できると考えている。

 石油・天然ガス開発事業では、地下の多様なデータを基に油ガス田の将来の挙動を油層シミュレーション2※で予測を行い、探鉱・生産・開発の方針を策定しているのが通常である。近年、地下のデータ取得量が膨大になり、また油ガス田挙動予測のシミュレーション技術が高度化していることから、将来の探鉱・開発対象は技術的評価手段が複雑になりつつある。油ガス田の探鉱・開発・生産を効率的に行うため、IT技術を活用するデジタル・フィールド技術3※が大きく注目されており、国際的なスタンダードになると予測されている。
(参考)

注1※)3次元Visualization(可視化)システムの画像は、両眼立体視の原理に基づき、時分割等した左右の画像信号を、ステレオ画像としてスムーズに結合した形でスクリーン上に生成し、特殊な(偏光)眼鏡を用いて眺めることにより実現される。日本SGI社の高性能グラフィックスシステムをはじめ、明るい大画面立体視表示装置(80inchスクリーン2面)、裸眼立体視モニター6台、色々な解析結果を同時に表示可能とするマルチ画面制御機器などで構成される。

注2※)油層シミュレーション:地下の貯留岩に含まれる油、水、ガスの状態を3次元地震探査や掘削された坑井から得られるデータに基づき解析し、油田からの原油・天然ガスの生産を開発の開始から終了まで評価推定し、高性能な計算機システムによって詳細な油層構造を把握すること。

注3※)デジタル・フィールド:油田の広範な探鉱・開発・生産の総合化・効率化をIT(InformationTechnology)技術の活用で達成する概念。
(3 次元Visualization(可視化)イメージ)

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