掛札理事長が南米の資源大国を訪問
資源の安定供給確保に向けチリ・ブラジルとの連携強化へ
3月9日~18日、掛札理事長が南米の資源保有国チリ・ブラジルにおいて主要金属及び石油天然ガス関係企業や政府機関を訪問しました。日本から遠く離れた南米ですが、銅や鉄鉱石、石油・天然ガスなどの天然資源に恵まれており、世界的な資源獲得競争が激化する中、資源外交の観点からも資源国との連携を益々強化する必要があります。
- CODELCO(チリ銅公社)はチリ政府が保有する世界最大の銅生産会社です。JOGMECは製錬所の技術開発を共同で行っていますが、今回の訪問の際、チリ北部における共同探鉱など新たに4件の協力案件の提案を受けました。
- COCHILCO(チリ銅委員会)は金属の需給分析や資源政策を司るチリ政府機関で、今回の訪問で年一回銅市場などに関する日本-チリ情報交換会を開催することで合意し、基本合意書に調印しました。
- CVRD(リオドセ社)はブラジルの世界一の鉄鉱石生産会社で、かつ昨年カナダのインコ社を買収したことで世界一を争うニッケル生産会社となりました。JOGMECは世界における共同探鉱事業をCVRDと模索しています。
- PETROBRASはブラジル国営石油会社で、石油ガス生産量は世界第7位を誇ります。同社は沖合油田の技術力が高く、JOGMECを含む本邦石油会社とブラジル国内外で複数の共同プロジェクトを実施しています。また、両社の研究部門は、深海エリアにおける技術開発の共同研究を進めています。今回の訪問では現在の協力関係を探鉱・開発分野でさらに拡大することで合意し、基本合意書に調印しました。
PETROBRAS との基本合意書に調印
COCHILCO と基本合意書に調印
掛札理事長がチリの銅鉱山やブラジルの石油関連研究所を訪問
掛札勲JOGMEC理事長はチリでエスコンディーダ銅鉱山を、ブラジルでCENPES研究所をそれぞれ訪問しました。
チリは世界一の銅生産国で、日本が輸入している銅鉱石の約半分は、エスコンディーダを含むチリの銅鉱山から来ています。エスコンディーダの権益の1割は日本企業が持っており、約1/4の銅鉱石は日本に輸出されています。エスコンディーダ銅鉱山は世界最大の銅鉱山で2006年には132万トンの銅を生産し、一鉱山で日本の銅需要を全て満たすほどの量です。
CENPESはPETROBRASの研究部門で1,860人もの職員を擁し、石油ガスに関して上流から下流まで様々な研究を行っています。ブラジルの油田は沖合油田が約7割を占め、同社の深海掘削技術は世界的に高く評価されています。JOGMEC技術センターはCENPESとこの深海エリアでのモノコラムハル型石油生産・貯蔵・出荷システム(MPSO)の開発に関する共同研究を進めています。
エスコンディーダ鉱山の露天掘りピット前で
CENPES研究所見学でインタビューを受ける
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