独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、理事長:河野博文)は、7月1日付けで、石油開発技術本部内に「CCS・環境調和型油ガス田開発研究チーム」(略称CCSチーム)を設置しました。
CCS(CarbondioxideCaptureandStorage)とは、炭酸ガス(CO2)を地中に圧入、貯留する技術であり、地球温暖化対策として注目を集めています。
JOGMECは、1980年代から、CO2の圧入による原油回収増進(EOR)の技術開発に取り組んできました。すなわち、1996年までに国内外で3件のフィールドテストを実施し、その後、クウェート及びアブダビにおいて、発電所から排出されるCO2の回収から、油層への圧入、原油回収増進までの一貫したプロセスについて事業化スタディを実施しました。
最近、世界的に地球温暖化等環境問題に対する関心が高まり、産油・産ガス国との関係強化を図るためには、CCS等の環境対策も含めた提案が求められています。このため、JOGMECとしては、上記「CCSチーム」を設け、特に産油・産ガス国との連携を中心に、
- これまでのEORの技術開発を通じて蓄積した知見(CO2の圧入技術、地下の油ガス層における流体挙動解析の技術等)を活用し、CCSに関する技術開発や調査を行うとともに、
- さらに、CCS以外の石油・天然ガス開発に係る環境面の課題(石油・天然ガス開発に伴う随伴ガス・水の処理等)についても技術開発や調査を推進します。
具体的には、「CCSチーム」においては、当面、以下のプロジェクトを中心に対応を進める方針です。
- 中国におけるCCS-EORの実証研究の推進
- ベトナム及びメキシコの油田におけるCO2の分離・地下圧入の事業化スタディの推進
- リビアの油田における随伴水処理及び環境影響調査の推進
- 国内におけるCCS調査等に対する技術的貢献
以上