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アルゼンチン・チリ国境アンデス山岳地帯において銅・金鉱化帯を発見

2008年10月8日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、アルゼンチン共和国及びチリ共和国国境アンデス山脈山岳地帯において実施したボ-リング調査により、顕著な銅・金鉱化帯を発見しました。今後の探査による新鉱床発見の期待が高まっています。なお、共同探査者であるスラミナリソーシズ社(Suramina Resources Inc.、本社カナダ・バンクーバー)も調査結果を発表しております。

 ボ-リング調査は、共同資源開発基礎調査(いわゆるJV調査)フロンテラ地域の一環として、ロスエラードス地区(チリ側)およびフィロデルソル地区(アルゼンチン側)において2007年度及び2008年度に実施されたものです。ロスエラードス地区では、360m間の平均銅品位:0.52%、金品位:0.25グラム/トン(DDH-LH01孔)などを、また、フィロデルソル地区では146m間の平均銅品位:0.47%、金品位:0.37グラム/トン(VRC-49孔)などを把握しました。今後、追加調査を実施し、発見した鉱化帯の拡がりを確認する予定です。十分な拡がりが確認できた場合、資源量推定及び経済性評価へと調査段階が進むことになります。

 フロンテラ地域は国境山岳地帯の24,000haに及ぶ広大な範囲を調査対象としています。アクセスが困難であることなどから鉱床賦存ポテンシャルに見合う探査が十分進んでいない地域でしたが、これまでの調査によりロスエラードス地区及びフィロデルソル地区のほかに、セロブランコ地区など新たな有望地区を把握していることから、今後の探査により複数の新規鉱床が把握される可能性が高い地域といえます。
(参考)

共同資源開発基礎調査

 開発途上国の経済発展と技術力向上を図るとともに、我が国の鉱物資源の安定供給の確保に資するため、経済産業省からの委託を受けてJOGMECが資源探査実施組織と共同で資源開発調査等を実施するもの。

フロンテラ地域事業の概要

 フロンテラ(Frontera)地域はアルゼンチン共和国サンファン州北西部、ラリオハ州南西部及びチリ共和国第Ⅲ州にまたがるアンデス山脈山岳地帯に位置する。平成20年2月1日付にて、スラミナ社及び同社のアルゼンチン及びチリ子会社(デプロミンサ社(DeprominSA)及びミネラフロンテラデルオロ社(Minera Fronteradel Oro))と共同探鉱契約(Joint Exploration Agreement)に署名。JOGMECはプロジェクトの40%の権益獲得の権利を有する。

スラミナリソーシズ社の概要

 カナダ・バンクーバーに本拠地を置く非鉄金属資源の探鉱・開発企業でトロント株式市場に上場。2007年7月にテンケマイニング社(Tenke Mining Corporation)の南米探鉱資産を継承して設立された。ランディンマイニング社(Lundin Mining、本社カナダ・トロント)等を有するランディングループ(本社カナダ・バンクーバー)関連会社の一つ。Tenke Fungurume銅・コバルト鉱床(コンゴ民主共和国)開発事業はランディンマイニング社の事業のひとつ。

ロスエラードス地区ボーリング結果
 ボーリング10孔、計2,884mを実施。分析結果は以下のとおり。

ボーリング孔 総掘進長
(m)
着鉱区間
(m)
着鉱長
(m)

(%)

(g/t)
DDH-LH01 530   0 530 530 0.46 0.31
うち

うち
70
170
416


143
530
530
73
360
114
0.52
0.52
0.63
0.60
0.25
0.23
DDH-LH02 506   0 506 506 0.32 0.19
うち
うち
324
412

452
452
128
40
0.48
0.62
0.21
0.27

フィロデルソル地区ボーリング結果
 ボーリング10孔、計2,884mを実施。分析結果は以下のとおり。

ボーリング孔 総掘進長
(m)
着鉱区間
(m)
着鉱長
(m)

(%)

(g/t)
VRC-46 204   8
92
122
186



44
122
186
204
36
30
64
28
0.95
0.30
1.19
0.24
0.55
0.20
0.26
0.39
VRC-47 250   52
84
144


84
140
200
32
56
56
0.43
0.49
0.33
1.6
0.50
0.36
VRC-48 330   138
200
240
318



200
240
306
330
62
40
66
12
0.36
0.50
0.30
0.35
0.29
0.40
0.30
0.09
VRC-49 435   120 262 146 0.47 0.37
うち 142 246 104 0.51 0.41
VRC-50 350   0 350 350 0.36 0.31
うち 8
218

68
350
60
132
0.55
0.40
0.25
0.43
VRC-51 204   40 132 92 0.50 0.43
VRC-52 450   0
222

126
450
126
228
0.27
0.33
0.42
0.34
うち 358 450 92 0.41 0.29
VRC-53 300   0 300 300 0.35 0.28
うち 20
208

136
240
116
32
0.51
0.39
0.28
0.33
アルゼンチン・チリ国境アンデス山岳地帯における鉱床探査開発事業
 アルゼンチン・チリ国境アンデス山岳地帯における鉱床探査開発事業としてはバリックゴールド社(カナダ)のパスクア・ラマ金鉱床事業(鉱量5億4千万トン、金品位1.23グラム/トン)やエクストラータ社(スイス)のエルパチョン銅・モリブデン鉱床事業(鉱量9億8千万トン、銅品位0.58%、モリブデン品位0.016%)などがある。
調査地域位置図
  • セロブランコ地区(アルゼンチン-チリ国境)
  • ロスエラードス地区(チリ側)
  • フィロデルソル地区

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