JOGMEC 独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構

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南米において2件の調印を実施
-ペルーの鉱害防止に協力・ボリビアでの共同探鉱を推進-

2008年12月15日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、藤田副理事長を派遣し、12月11日(木)、ペルー共和国の首都リマにおいて、同国エネルギー鉱山省(MEM)との間で、鉱害防止政策アドバイザー派遣に関する協定書を締結しました。また、12月12日(金)、ボリビア共和国の首都ラパスにおいて、同国鉱山公社(COMIBOL)及び地質鉱山技術サービス局(SERGEOTECMIN)との間で、共同調査の実施に関する覚書を締結しました。
 ペルーへの鉱害防止政策アドバイザー派遣は、JOGMECが長年鉱害防止支援事業に取り組んできたことを評価したMEMからの強い要望により、実施するものです。
 ボリビアでのCOMIBOL・SERGEOTECMINとの共同探鉱は、アンデス高地西部のメンドーサ地域を調査地域とし、衛星画像解析と現地評価調査等により有望地区を絞り込むことを目的としています。
 ボリビアでは2007年5月の大統領令により新たな探鉱鉱区では全てCOMIBOLが参加することとなっているため、本覚書締結により、COMIBOLとの共同探鉱事業をすすめ、これが将来のJV調査につながることを期待しています。
 JOGMECとしては、これら事業の実施により、資源分野における両国との関係が、より密接なものに発展することを期待しています。

1.ペルーへの鉱害防止政策アドバイザー派遣に係る協定書の締結について

(1)経緯等

 今回の締結は、2007年6月のリマにおける鉱害防止セミナー(JOGMEC-MEM共催)を契機とし、ペルー側から鉱害防止に関する協力について強い要請がなされたことによるもの。
 さらに2008年3月、ガルシア大統領来日時の福田総理(当時)との共同声明に、我が国がペルーにおける鉱害防止対策に対し積極的に協力していくことが盛り込まれた。
 これを受け、2008年9月のイサシ・エネルギー鉱山省鉱山次官訪日時にJOGMEC河野理事長との面談の中で鉱害防止政策アドバイザーを派遣することで意見が一致した。その後、具体的な業務内容等についてペルー側と協議を続け、今回合意に至り、協定書の締結となった。
 現在、ペルーでは休廃止鉱山等を発生源とする鉱害対策が急務となっており、来年4月からMEMによる「鉱害対策戦略プラン」の策定及び具体的施策の実施が計画されている。
 ペルーへの鉱害防止政策アドバイザー派遣は、JOGMECが長年鉱害防止支援事業に取り組んできたこと(注)を評価したMEMからの強い要望により、実施するもの。
 なお、今回、ペルーを訪問したJOGMEC藤田副理事長は、署名に先立ちサンチェス・エネルギー鉱山大臣と会談し、鉱害等のおそれのある鉱山周辺の環境対策は政府の積極的な関与が不可欠であることで認識が一致した。

 (注)かつて、有数の鉱山国であった我が国においては、国内各地に6,000カ所にも及ぶと言われる休廃止鉱山(いわゆる「鉱山跡」)が存在し、そのうち約450カ所では、鉱山の稼行が停止した後、何らかの鉱害防止事業の必要があるとされていた。こうした現場において鉱害の発生を防止するために、行政機関や鉱山業界は様々な取り組みを行っており、JOGMECは1973年からそうした鉱害防止事業を実施する地方公共団体や企業等に対して、技術面あるいは資金面からのサポートを実施しており、これまでの活動についても関係各方面から高い評価を受けている。

(2)協定書の概要

 1)署名者
  ペルー側:イサシ エネルギー鉱山省鉱山次官
  JOGMEC:藤田文萌副理事長

 2)派遣期間
  2009年4月から2011年3月まで

 3)鉱害防止政策アドバイザー業務内容
  鉱害防止に関する法体系整備に向けた助言
  鉱害行政組織・体制の整備及び人材育成の助言
  鉱害問題の解決に向けた「総合戦略プラン」への助言
  閉山計画書の評価への助言
  定期的なエネルギー鉱山省内連絡会議の開催
  JOGMECとエネルギー鉱山省との定期協議の開催 等

署名式写真

左側より、サンチェス大臣、イサシ次官、目賀田大使、藤田副理事長、西川リマ事務所長

2.ボリビア鉱山公社等との共同探鉱に関する覚書の締結について

(1)経緯等

 今回の覚書は、今年2月、JOGMECの招聘で同国エチャス鉱業冶金大臣及びミランダCOMIBOL総裁が来日の際、ボリビア側からJOGMECの衛星画像解析技術を用いた共同探鉱に期待が寄せられていたもので、その後の交渉の結果、締結に至ったものである。
 署名に先立ち、ボリビア訪問中のJOGMEC藤田副理事長はエチャス大臣と会談し、未開発の鉱物資源を豊富に有しながら開発の進まないボリビアにおける探査活動の重要性で認識が一致した。ボリビアでは2007年5月の大統領令により新たな探鉱鉱区では全てCOMIBOLが参加することとなり、民間企業のみでの鉱区取得は認められていない。この新制度の下で本覚書締結により、ボリビアにおけるCOMIBOLとの共同探鉱事業推進が更に発展することが期待される。

(2)覚書の概要

 1)署名者
  ボリビア側:ミランダ COMIBOL 総裁、コルテス SERGEOTECMIN 局長
  JOGMEC:藤田文萌副理事長

 2)調査地域
  ボリビア共和国オルーロ県南部で、ウユニ塩湖北に隣接するメンドーサ地域(別添図)

 3)探鉱内容
 衛星画像解析により有望地区候補を複数抽出し、現地評価調査(初期的な地質調査)を実施して有望地区を選定する。現地評価調査にはボリビア側からも地質技師が参加し、日本側から探査技術の移転が図られる。

共同資源開発基礎調査

 開発途上国の経済発展と技術力向上を図るとともに、我が国の鉱物資源の安定供給の確保に資するため、経済産業省からの委託を受けてJOGMECが資源探査実施組織と共同で資源開発調査等を実施するもの。

COMIBOL 及び SERGEOTECMIN の概要

 COMIBOL: ボリビアの鉱山公社。1952年以降ボリビア最大の鉱山企業として錫等の鉱産物を生産してきたが、1990年代に鉱業活動を実施しない管理執行機関に変貌した。しかしながら、モラレス政権は同公社の再建を掲げ2007年5月の大統領令により新たな鉱区に関する探査・開発の権限を全て管理することとなった。

 SERGEOTECMIN:ボリビアの政府機関として地質調査所と鉱区登記機能を併せ持つ組織。

調査地域位置図

左側より、コルテスSERGEOTECMIN局長、エチャス鉱山冶金大臣、田中大使、藤田副理事長、ミランダ COMIBOKL 総裁

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