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JOGMEC、アフリカで初のレアメタル共同探鉱に着手
南アフリカ共和国でプラチナ・銅・ニッケルをターゲットにJV事業を開始

2009年3月5日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、理事長:河野博文)は、カナダの探鉱会社プラチナム・グループ・メタルス社※1と共同探鉱実施契約を締結し、南アフリカ共和国のワースプリングス地域において、プラチナ・銅・ニッケル等の共同探鉱(JV)を開始した。

 プラチナは、世界各国の自動車排ガス規制強化に伴い世界的な需要の拡大が見込まれている。
 また、燃料電池等の新エネルギー材料等としても注目されており、将来性が高い鉱種と言える。
 しかしながら、プラチナは地域偏在性が特に高く、南アフリカが世界埋蔵量の9割を占めているものの、我が国企業による権益は存在せず、安定供給確保が課題になっていたところ。

 2007年には、甘利前経済産業大臣が南アフリカ共和国を訪問し、日本政府とJOGMECがアフリカ資源国との関係強化の取り組みを継続してきた結果、成果に繋がったものである。この探鉱の結果、有望性が確認された場合は、日本企業に権益が譲渡され、我が国のプラチナの安定供給が確保されることとなる。

 調査対象地域であるワースプリングス地域は、南アフリカ共和国北部に所在し、世界一のプラチナの生産地として知られるブッシュフェルト岩体の北縁部に位置し、日本をはじめ世界のレアメタル資源企業が強い関心を示す地域である。ブッシュフェルト岩体のプラチナ探鉱案件は、プラチナ価格が高騰を続ける中ではJV形成はむずかしいとされていたが、2008年秋以降の未曾有の国際金融経済危機の中でも、探鉱会社の資金需要に的確に対応しJOGMECが探鉱会社と交渉を継続した結果、交渉が結実したものである。

プロジェクトの概要

1)調査地域
 ワースプリングス(WarSprings)地域の鉱区面積は22km2。これまでに22孔の試錐により、資源量換算で金、プラチナ、パラジウムが合計で52t、ニッケルが6万t、銅が5万tそれぞれ計上されている。鉱体は、地下400mから深部に連続し、また、ブッシュフェルト岩体では、1,000m以深でプラチナ等を濃集する塊状硫化物の存在も報告されていることから、深部試錐により鉱量の増加が期待できる地域である。

2)契約内容
 同鉱区においてプラチナム・グループ・メタルス社は70%の権益を保有している。残りの30%はアフリカワイド社(Africa Wide)社とタウンプラチナム(Taung Platinum)社がそれぞれ15%ずつを保有している。JOGMECはプラチナム・グループ・メタルス社に対し探鉱費用として5年間、総額10百万米ドルを負担することにより、同社から35%の権益を獲得することが出来る。

3)探鉱内容
 広域的な土壌地化学探査を実施し試誰により鉱床規模を確認する。深部(1,000m以深)で塊状の鉱化が確認されていることから、本地域においても深部鉱化の可能性を探るために長尺ボーリング調査を実施する。

プラチナム・グループ・メタルス社(Platinum Group Metals Ltd.)※1の概要

 カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーをベースとし、南アフリカ共和国のヨハネスブルグにも事務所を持つ。カナダ・南アフリカの双方に経営陣が存在し、20年以上に渡り探鉱、鉱山開発などの実績を有する。同社は南アフリカのブッシュフェルト岩体西部にプラチナのFS案件(Project1)を保有するほか、カナダ・オンタリオ州においてプラチナの案件(AgnewLake)を保有する。

以上

調査地域位置図

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