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カナダで新規のウラン共同探鉱を開始

2009年3月12日

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC理事長:河野博文)は、経済産業省より補助金の交付を受けて実施している海外ウラン探鉱支援事業※1において、新規のウラン共同探鉱をカナダのサスカチュワン州で開始した。
 調査対象地域であるウルバリン地域は、カナダ・サスカチュワン州北部のアサバスカ堆積盆地に位置し、シガーレイク鉱床(開発中)やマッカーサーリバー鉱床(操業中)といった世界屈指の大規模鉱床から50km圏内に位置している。現時点では、地表鉱徴が見られないものの、今後の物理探査やボーリングにより鉱徴が把握される可能性の高い地域である。なお、共同探鉱の相手は、カナダの探鉱会社ピッチストーン・エクスプロレーション社※2である。

プロジェクトの概要

1) 探鉱地域
 調査対象であるウルバリン(Wolverine)地域は、カナダ・サスカチュワン州北部のアサバスカ堆積盆地の東部に位置し、2つの探鉱鉱区(面積約64km2)からなる。アサバスカ堆積盆地の中でも既知のウラン鉱床が集中する東部地域に位置するものの、鉱区内の鉱徴は見られず、ここ10数年間の本格的な探鉱実績も無い地域であり、我が国民間企業では有望性の評価の難しい地域でもある。

2) 契約内容
 JOGMECは4年間で合計2百万加ドルの探鉱費用を負担することにより、本プロジェクトの50%の権益を獲得できる。また、取得した権益に応じた生産物の販売権を取得できることとする。共同探鉱契約の締結は平成21年3月11日。

3) 探鉱内容
 対象地域では、これまでに詳細な調査が実施されていないが、鉱区近隣の試錐において、鉱床母岩となり得る変成泥質岩の基盤岩が確認されている。今年度は、ピッチストーン社が昨年実施した空中電磁探査データを入手し、JOGMECが(ピッチストーン社とともに)今後の最適な地上物理探査手法を検討する。4月以降に物理探査を実施してターゲットを抽出した上で、ボーリング調査を実施し、鉱徴の有無を確認する。

(参考)
海外ウラン探鉱支援事業※1
 海外でウラン探鉱を行う本邦法人等の探鉱におけるリスクを軽減し、海外ウラン探鉱開発を促進するための事業として平成19年度より創設され、JOGMECが経済産業省より補助金の交付を受けて実施している。本事業では、海外において外国法人と共同でウラン探鉱を行う本邦法人等に対して助成金を交付するほか、投資環境等海外のウラン探鉱に関する調査を行い、ウラン資源ポテンシャルが高いにもかかわらず、投資環境あるいは技術的な問題等から本邦法人等による資源探査活動が停滞している地域ないし鉱床において、本邦民間企業に引き継ぐことを前提としてJOGMECが外国企業等と共同でウラン探鉱を行う基礎的調査を実施する。
ピッチストーン・エクスプロレーション社(Pitchstone ExplorationLtd.)概要※2
 カナダ・BC州バンクーバー市に本拠地を置くウランの探鉱会社。カナダ・サスカチュワン州、ヌナブット州の他に、アフリカのガボンやナミビア等に複数の探鉱案件を持つ。トロント証券取引所に上場。
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