独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC 理事長:河野 博文)は、平成22 年6月10 日、米国ネバダ州におけるリチウム資源の探鉱について、米国の探鉱会社であるアメリカン・リチウム・ミネラルズ社(American Lithium Minerals Inc.)と共同探鉱契約を締結しました。
現在、世界のリチウム資源の大部分はチリ、ボリビア及びアルゼンティンの南米諸国に賦存し、チリが世界最大の生産国となっています。一方、北米大陸においては本地域の近傍に位置するシルバーピーク鉱山が唯一の稼行鉱山となっていますが、本共同探鉱によって、経済的に開発可能なリチウム資源の賦存が明らかになれば、資源供給源の多様化に貢献することが期待されます。
探鉱地域は、米国ネバダ州の南西部に位置しており、地域内に存在するボレートヒル(Borate Hill)地区においては、地表岩石試料で最大0.275%のリチウムの分析結果が得られている他、1%以上のボロン(ホウ素)及びカリウムの含有も確認されており、副産物を伴うリチウム鉱床となる可能性がある。
米国を拠点とするジュニア探鉱会社。ネバダ州においてリチウム、ボロンの探鉱案件を実施。当社はボレートヒル地区の探鉱権を100%保有している。
JOGMEC は3 年間で400 万米ドルの探鉱費用を負担することにより、本プロジェクトの40%の権益を取得することができる。また、生産物は権益比率に応じて引き取ることができる。JOGMEC は今後3 ヶ月以内に本プロジェクトの適正評価(デューディリジェンス)を行い、問題がないことを確認した上で本契約が有効となる。
地質調査、地化学探査及び予察的なボーリング調査により、鉱化層準の分布及び鉱化作用の特徴を把握する。また、これらのデータに基づいて選定した有望範囲において、ボーリング及び選鉱・抽出試験を実施し、経済的に開発可能な鉱化帯を発見する。
リチウム資源は塩湖かん水及び鉱石の2 種類に大別され、その比率は約2:1 である。塩湖かん水中のリチウム資源は、南米のチリ、ボリビア、アルゼンティンの3 か国で80%を占め、北米大陸ではシルバーピーク鉱山が唯一の塩湖かん水からの生産地となっている。主要用途はリチウムイオン電池向けで、ノートパソコン、携帯電話の電源として欠かせない存在であるほか、今後の電気・ハイブリッド自動車向けに需要拡大が予測されている。
トルコ、ロシア、アメリカなど世界に広く分布し、トルコが埋蔵量、生産量で世界トップである。主要用途はガラス長繊維、ガラス短繊維で、プラスティック補強材やグラスウールとしての断熱材、吸音材として使用されている。
また、高磁力を発揮するネオジム-鉄-ボロン系磁石にも利用されている。
調査地域位置図
現地の状況1
現地の状況2
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