海洋資源調査船の起工式実施について
‐新調査船の建造開始‐
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC 理事長:河野 博文)が調達する新たな海洋資源調査船の起工式が、7月8日、三菱重工業株式会社(取締役社長:大宮英明)の主催で、同社下関造船所において執り行われました。
JOGMEC理事長をはじめ、安永 裕幸 資源エネルギー庁鉱物資源課長など関係者が出席し、起工スイッチを入れて本船用鋼板の溶接が行なわれた後、建造中の安全を祈願しました。
本船の調達にあたっては、本年1月12日に同社と建造契約を締結し、これまで詳細設計等を行っておりました。今後本船は、同社において建造が進められ、平成23年3月に進水、その後艤装工事等が施された後、平成24年2月頃に就航の予定です。
写真1:起工スイッチ入れ
写真2:安全祈願
◆本調査船の基本コンセプト~安全性と地球環境に配慮した海洋資源調査船~
- 独創性ある資源調査、技術試験が可能
2種類のボーリングマシンを搭載し、海底熱水鉱床が形成する急峻な地形における調査やメタンハイドレートが存在する大水深域での浅層掘削が可能です。 また、音響による測深・探査機器、物理探査機器、海底熱水鉱床採掘要素技術試験機及び各種海洋環境調査機器等を搭載し、資源調査の他、各種の海底調査も実施できます。
- 安全性・信頼性に優れた機能を保持
一地点に止まるための高精度な自動船位保持機能と音響調査機器への影響を抑えるための水中雑音低減を両立させるため、複数のバウスラスターと大直径・低速回転型ハイスキュープロペラを使用した全旋回式推進器を採用します。 また、船体中央部に開口部(ムーンプール)を設置することで、調査機器を安全かつ効率的に操作できます。
- ライフサイクルコストの最適化を実施
就航後のライフサイクルコストの最適化を実現するために、将来を見越したシステム設計、新技術や新製品の先取り、機器操作性やメンテナンスを考慮した機器配置、機関部や暴露部設置の部材等にステンレス材を多用することによる防錆対策等を実施します。
- 地球環境に優しい先見的設計
推進性能の良い船型と電気推進システムを採用し、燃料の消費及びCO2 やNOx 等の排出を最小限に抑制します。また、船内照明にLED を多用し、消費電力の低減を図るとともに、船橋上に高効率の太陽光発電設備を設置し、船内の電気需要の一部を太陽光発電によって供給します。この他、海洋環境に関する各種の国際条約への対応を先取りし、地球環境の保全と調査活動の両立を目指します。
◆本調査船の諸元等
- 主要寸法:
全長 118.3m
幅 19.0m
深さ 9.2m
総トン数 約6,100 トン
- 航海速力: 15.5 ノット
- 航続距離: 約9,000 海里
- 最大搭載人員: 70 人 (乗組員34 人、調査員等36 人)
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