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JOGMEC、タンザニア連合共和国と探査開発を促進する覚書を締結

2010年12月7日

 JOGMEC(理事長河野博文)は、12月6日、タンザニア連合共和国ダルエスサラームにて、同国エネルギー鉱物省地質調査所(The Geological Survey of Tanzania, Ministry of Energy and Minerals of theUnited Republic of Tanzania)と、同国における鉱物資源の探査・開発など資源分野でのより一層の関係強化を図る包括的な内容の覚書(MOU )に署名しました。

 タンザニアは、金、ダイアモンドなどを産出するほか、ウランやニッケルなどのレアメタル、レアアースなどの鉱物資源ポテンシャルも高く、世界的に資源獲得競争が激化する中で、レアメタルの新たな供給国として期待されています。
 そこで、JOGMEC は、2009年10月にウィリアム・ンゲレジャエネルギー鉱物大臣来日の機会をとらえ、同大臣とJOGMEC 河野理事長との会談において覚書案を提案し、その後、両国間で議論を重ねた結果、覚書の内容が合意に達したことから署名の運びとなりました。

 今後、この覚書の締結を受けて、両国の関係強化の最初の具体的なプロジェクトとしてタンザニアから地質技術者をJOGMEC ボツワナ地質リモートセンシングセンターに招き、同国の鉱物資源ポテンシャルを評価するための共同解析及び技術移転を来年1月より開始する予定にしております。
 また、JOGMEC は、この覚書に基づき、同国地質調査所などの協力を得て、レアメタル資源等の権益確保へむけて民間鉱山会社との JV 探査プロジェクトの形成を加速できるものと期待しています。

 なお、今回のタンザニアとの覚書の締結は、2007年11月のボツワナ共和国、南アフリカ共和国をはじめ、これまでのザンビア共和国、モザンビーク共和国、アンゴラ共和国、ナミビア共和国、マラウィ共和国に次いで、南部アフリカ地域では 8カ国目となるもので、レアメタル等の資源確保を目的とした JOGMECによる「資源国との関係強化」が着実に進んでいることを示すものと考えています。

MOU署名後の写真
写真左から、アブドゥルカリム・ムルマ タンザニア・エネルギー鉱物省 地質調査所 所長、
カフム タンザニア・エネルギー鉱物省鉱業コミッショナー、
川口周一郎 在タンザニア日本国大使館 公使、
森脇久光 JOGMEC理事、
鈴木哲夫 JOGMECボツワナ地質リモートセンシングセンター所長

(参考)

覚書締結の経緯

 2009年10月にウィリアム・ンゲレジャエネルギー鉱物大臣来日の機会をとらえ、同大臣とJOGMEC河野理事長との会談において、覚書(MOU)案を提案し、その後、経済産業省、外務省、在タンザニア日本大使館、在京タンザニア大使館などの関係機関の協力を得て両国間で議論を重ねた結果、覚書(MOU )の内容が合意に達し、署名の運びとなりました。

覚書の骨子

  1. タンザニアへの鉱業探査開発投資促進のための両国鉱業政府関係者の意見交換の実施。
  2. JOGMECによるタンザニア国内で同国あるいは海外企業等と実施する共同探査事業の支援。
  3. 地質リモートセンシングセンター(ボツワナ共和国)でのJOGMEC とタンザニア地質専門家によるリモートセンシングによる鉱物資源ポテンシャル評価のための共同解析の実施。

タンザニアの最近の鉱業事情

 タンザニアは、金、ダイアモンド、銅(金鉱山の副産物としての生産)を産出しています。2008年の金産出量は36.6tで、アフリカでは、南ア(220.1t)、ガーナ(79.5t)、マリ(40.7t)に続いて第4位の生産量です。探査では外資がウランやニッケルの探査を行っています。特に、ウランは、2009年7月にンゲレジャエネルギー鉱物大臣が、タンザニアには利用可能な約24千tの酸化ウランがあり、2011年までにUranex Tanzania Ltd、2012年までにMantra Tanzanita Ltd.がウランの生産を開始する見込みであることを発表しています。2007年のGDPに占める鉱業・採石業の割合は3.2%であり、政府は2025年までに10%にすることを目標としていますが、インフラ不足や、慢性的な手続の遅延等により鉱業の発展は遅れているため、政府は2007年にエネルギー鉱物省に鉱業権や探査権を管理するためのMining Cadastral Information Management System(MCIMS)を導入するなど、環境整備を進めています。

タンザニア連合共和国の主要非鉄金属の生産量(2009年)

(1)タンザニア連合共和国の主要鉱物資源埋蔵量(2009年)

Mineral Commodity Summaries 2010 データなし

(2)タンザニア連合共和国の主要非鉄金属の生産量(2009年)

鉱種 生産量(A) 世界(B) (A)/(B)(%) ランク
金鉱石(t) 41.1 2,378.0 1.7% 16
銅鉱石(千t) 3.1 15,761.3 0.0% 44
出典:World Metal Statistics Yearbook 2010

(3)日本のタンザニア連合共和国からの主要非鉄金属輸入実績(2009年)

輸入実績無し

ボツワナ地質リモートセンシングセンター

 ボツワナ共和国では、2008年7月にJOGMECと同国地質調査所の共同事業として地質リモートセンシングセンターを開設。JOGMECは現地に職員を常駐させ、同国の地質技術者への技術移転と共同解析を実施しています。
 同センターでは、2009年度より、その活動範囲を南部アフリカ開発共同体(SADC)諸国へ拡大して、更なる共同探査の形成を目指しています。具体的には、2009年に引き続き、2010年も、SADC加盟国関係者20名以上が参加する約1週間のセミナー及びワークショップの開催や、ザンビア共和国、モザンビーク共和国、アンゴラ共和国、マラウィ共和国との1ヶ月半の長期の技術移転/共同解析等を実施するなど参加各国から好評を得ています。

JOGMECと南部アフリカ諸国との基本合意書の締結一覧

No. 相手国 締結時期 署名者  
1 ボツワナ共和国 2007年11月16日 カゴ・モシャシャネ
鉱物エネルギー 水資源省次官代行
理事長 掛札勲
2 南アフリカ共和国 2007年11月16日 スィベディ・ラモンジャ所長
南アフリカ共和国地質調査所

吉川弘之理事長
曽良達生副理事長
独立行政法人 産業技術総合研究所
理事長 掛札勲
3 ザンビア共和国
鉱山・鉱物開発省
商務・貿易・産業易省
2009年7月22日 マックスウェル・ムワレ
鉱山・鉱物開発大臣
フェリックス・ムタティ
商務・貿易・産業大臣
理事長 河野博文
4 モザンビーク共和国
鉱物資源省
2009年12月9日 エスペラン・ラウリンダ・ビアス
鉱物資源大臣
理事長 河野博文
5 アンゴラ共和国
地質鉱山産業省
2010年5月20日 ジョアキン・ドゥアルテ・ダ・コスタ・ダビド
地質鉱山産業大臣
理事長 河野博文
6 ナミビア共和国
鉱山エネルギー省
2010年7月13日 ジョセフ.S.・イイタ
鉱山エネルギー省次官
理事長 河野博文
7 マラウィ共和国
天然資源エネルギー
環境省
2010年7月28日 ランソン・ムワディワ
天然資源エネルギー環境省次官
理事長 河野博文
8 タンザニア連合共和国
エネルギー鉱物省
2010年12月6日 アブドゥルカリム・ムルマ
タンザニア連合共和国
エネルギー鉱物省
地質調査所長
理事長 河野博文

JOGMEC と南部アフリカ諸国との基本合意書の締結国

JOGMEC と南部アフリカ諸国との基本合意書の締結国 画像

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