豪州ライナス社への出融資について
-レアアースの安定供給に向けた長期供給契約の締結-
2011年3月30日
最終更新日:2011年3月30日
本日、双日株式会社(以下、「双日」)と独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下、「JOGMEC」)は、レアアース資源開発を行うライナス・コーポレーション・リミテッド社(本社:豪州ニューサウスウェールズ州シドニー、Lynas Corporation Limited(以下、「ライナス社」)へ総額 2 億 5 千万米ドル(約 200 億円)を出融資することを決定し、同社が 10 年に亘って日本の消費量の約 3 割にあたる年間約 8,500 トン(±500 トン)以上のレアアース製品を長期供給する契約を締結しました。
双日は、ライナス社との間で、同社が生産するレアアース製品の日本市場における独占販売契約および総代理店契約を締結しました。この結果、品種面、品質面でも日本における需要家の要求を満たすレアアース製品の安定的な供給が可能となります。
双日は、2010 年 11 月にライナス社と締結した戦略的提携の基本合意に基づき、日本でのレアアースの最終需要家開拓を目的とした共同マーケティングや第 2 フェーズの製錬所の拡張に必要なファイナンス組成等の検討を進めてまいりました。
一方、JOGMEC は、双日からの資金支援要請を受け、本事業が我が国のレアアース資源の供給源多様化を図り、安定供給に寄与すると判断したことから、海江田万里経済産業大臣の同意を得て、2010 年 10 月に閣議決定された平成 22年度「レアアース総合対策」補正予算を活用し、資金協力することを決定しました。なお、出融資の実行は、豪州政府の外国投資審査委員会(「FIRB」)の承認後に行われます。
現在、ライナス社は国際的なレアアース需要増大に対応するため、豪州西オーストラリア州マウント・ウェルド鉱山でのレアアース資源開発、およびマレーシアでレアアース分離のための製錬所の建設を同時並行して 2 段階で進めています。
マウント・ウェルド鉱山に完成したレアアース選鉱プラント
第1フェーズは、投資総額5億4千万米ドル(約440億円)、生産能力11,000トン/年で、2011年第3四半期より操業を開始する予定としており、現在、世界で進められているレアアース開発プロジェクトの中で、最も早く操業および商業生産を行うプロジェクトの一つです。2011年末には、ジジムやセリウム、ランタン等のレアアース製品が日本向けに供給される見込みです。
また、第2フェーズは、投資総額2億5千万米ドル(約200億円)で鉱山、および製錬所を拡張(追加生産能力11,000トン/年)するもので、2012年第4四半期より操業を開始する予定です。(第2フェーズ引取り量:年間約8,500トン(±500トン)以上)。
産業のビタミンと称されるレアアースは、精密ガラス研磨剤、自動車用排ガス触媒、石油精製用触媒、蛍光体等の既存用途に加え、電気自動車用モーター磁石や風力発電用磁石等の環境対策を考慮した新規分野での需要の拡大が見込まれていることから、今後も我が国製造業への長期的な安定供給確保が不可欠であり、本事業による貢献が大いに期待されています。
(1)会社名: |
LynasCorporationLimited(豪州証券取引市場に上場) |
(2)所在地: |
Level7, 56 Pitt Street, Sydney NSW 2000 Australia |
(3)代表者: |
Nicholas Curtis(ニコラス・カーティス) |
(4)事業内容: |
豪州国内で操業している鉱山会社。事業は主に、レアアース鉱床の探査・開発、およびその他の鉱物資源の探査。また、選鉱装置と高度材料加工工場の計画や設計、建設も行う。 |
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(5)時価総額(2011年3月29日現在): |
36億豪ドル(約3,000億円) |
(6)主要子会社: |
Mt.Weld Mining Pty Ltd(鉱山権保有採掘会社) |
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Lynas Malaysia Sdn Bhd(分離精製プラント) |
(7)主要株主: |
Morgan Stanley & Co. |
7.5% |
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GE Asset Management |
2.9% |
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JP Morgan Asset Management |
2.7% |
(1)本社: |
東京都港区赤坂 |
(2)代表者: |
代表取締役社長 加瀬豊 |
(3)設立: |
2003年4月1日 |
(4)資本金: |
1,603億円 |
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の概要
(1)本社 |
神奈川県川崎市幸区 |
(2)代表者 |
理事長 河野博文 |
(3)設立 |
2004/2/29 |
(4)資本金 |
3,451億円 |
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