JOGMEC、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部で白金族金属の存在を確認
JOGMEC(理事長:河野博文)は、南アフリカ共和国において、プラチナム・グループ・メタルズ社(本社:カナダ)と共同で実施していたボーリング調査の結果、高品位の白金族金属の鉱化を捕捉しました。
調査地域であるウォーターバーグは、南アフリカの白金族金属鉱山地帯(ブッシュフェルド岩体地域)の北端部に位置し、地表に鉱徴が見られないため、これまで積極的な調査が行われていない地域でした。
この白金族金属の鉱化は、深部ではあるものの、現在近隣で操業中の鉱山と比較しても同等以上と言える良好な結果であることから、JOGMEC は引き続き鉱化の連続性を確認するためのボーリング調査を継続する所存です。
白金族金属は、需要の5割近くが自動車の排気ガスを浄化する触媒に使用されるほか、電気・電子工業用に用いられており、今後は燃料電池の電極用としての需要が期待される等、我が国の産業の競争力維持と強化に不可欠なレアメタルのひとつです。
(参考)
- 深度643m~646m(3.5m間)平均品位(プラチナ、パラジウム及び金の合計)3.47g/t
- 深度661m~666m(5.0m間)平均品位(同上)7.00g/t
(うち、663m~665m(2.0m間)平均品位(同上)14.46g/t )
以上
位置 :プレトリアの北北東約270km
鉱区面積 :137km2
概要 :白金族金属を胚胎するブッシュフェルド岩体の北端に位置するが、地表は被覆されブッシュフェルド岩体の露出はないことから、これまで積極的な調査が行われていない地域
周辺の開発状況 :
- Mogalakwena鉱山:ウォーターバーグ地域の南70kmに位置する。アングロアメリカンプラチナム社(本社:南アフリカ)が露天鉱採掘で生産を行っており、鉱量は約387百万トンで品位は3.31g/t(プラチナ、パラジウム、ロジウム及び金の合計)。
- プラットリーフプロジェクト:ウォーターバーグ地域の南82kmに位置。JOGMEC出資案件。
契約日 :平成21年10月9日
条件 :4年間で320万米ドルの調査費用を拠出することにより、37%の権益を獲得することができます。調査結果が良好な場合には、優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されています。
ブッシュフェルド岩体北端での鉱化を確認することを目的とし、空中物理探査データから抽出された高磁気、高重力の異常に対して、地上物理探査及びボーリング調査を実施しています。
JOGMECは、南部アフリカ地域において、ボツワナ共和国及びモザンビーク共和国でニッケル・プラチナの共同探鉱、南アフリカ共和国でプラチナの共同探鉱を実施している他、同国ブッシュフェルド地域北部に位置するプラットリーフプロジェクトに出資を行う等、レアメタルの重要な供給源として注目されている南部アフリカ地域での探鉱、出融資を積極的に行っています。
共同探鉱の契約上、新たに鉱床が発見された場合、優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されており、実質的な権益確保に繋がるものと期待されています。
プラチナム・グループ・メタルズ社(Platinum Group Metals Ltd.)
本社 |
カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
設立 |
2000年 |
概要 |
白金族金属の鉱山開発を目的とし、カナダ及び南アフリカで探鉱を実施している中堅探鉱会社。南アフリカのヨハネスブルグに現地会社を有し、ブッシュフェルド地域西部WBJVプロジェクトではFS調査を実施中。 |
平成23年度は6孔のボーリング調査を計画しており、今回の結果は1孔目の結果となる。
Reef |
From(m) |
To(m) |
厚さ(m) |
プラチナ(g/t) |
パラジウム(g/t) |
金(g/t) |
合計2PGE+Au(g/t) |
1.T1 Reef |
643.25 |
646.75 |
3.50 |
1.11 |
1.74 |
0.62 |
3.47 |
2.T2 Reef |
661.50 |
666.50 |
5.00 |
1.71 |
4.22 |
1.07 |
7.00 |
3.2.の高品位部分 |
663.25 |
665.25 |
2.00 |
3.54 |
8.82 |
2.10 |
14.46 |
(注)ロジウム、ニッケル及び銅は分析中である。
調査地域位置図
この記事に関するお問い合わせ先
資源探査部 探査第2課増田・宮内
電話 03-6758-8397、8399
総務部 広報課植松
電話 03-6758-8106