海外地質構造調査は、外国政府や国営石油会社、国際大手石油会社等と協力関係を結び、対象地域の石油・天然ガスポテンシャルを評価する制度です。本邦企業の参入に向けた優先交渉権等の獲得、探鉱活動初期における技術的リスクの低減、パートナーとの関係構築等を目的とし、地質調査、物理探査といった実地作業や既存データの解釈等を行います。JOGMECの前身である石油公団からはじまり、これまで30か国以上、計70件以上の調査を行ってきました。
海外地構調査には、機構が主導して行う「従来型海外地質構造調査」と企業から提案を受けて企業主体で実施する「知見活用型海外地質構造調査」の2つの制度があります。
地質構造調査風景
機構が先んじて調査を実施し、興味を持つ本邦企業に調査結果を開示することで、本邦企業の権益獲得へ繋げることを目的としています。
2008年に機構が調査を開始したロシア・東シベリア陸上案件は、2013年に民間企業に権益を承継し、その後の開発移行、生産開始に繋げた、海外地質構造調査の代表的な成功ケースです。近年では、ケニアやメキシコ、アゼルバイジャンなど、世界の様々な国の地質構造を対象に調査を行っています。
(図)従来型海外地質構造調査のスキームの一例
効果的に優良案件を発掘・形成するとともに、本邦企業による権益獲得をより円滑にするために、本邦企業の知見を活用する調査制度です。公募形式で各企業の提案を募り、提案内容を審査した上で採択します。これまでにインドネシア東部海域、カンボジア陸上、ベトナム南西海域等の案件を採択し、調査を実施しました。公募内容の詳細は機構HPの「入札・公募」ページ
入札・公募(JOGMECホームページ)からご覧ください。
(図)知見活用型海外地質構造調査のスキームの一例
(図)海外地質構造調査(知見活用型)実施の流れ
事前スタディでは、新規海外地質構造調査事業の発掘および対象地域の絞り込み、あるいは複数の本邦企業が関心を持つ入札対象鉱区・エリアの情報提供を目的として評価を行います。本邦企業の要望を受けて機構内部で行う評価作業から、本邦企業と共同で行うものまで、柔軟な体制でスタディを行っています。