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特集2:大阪・関西万博催事企画プロデューサー小橋氏と考える 地熱のミライ(1)

(左)The Human Miracle株式会社代表/クリエイティブディレクター 小橋賢児氏 (右)地熱事業本部 特命審議役 安川香澄

2025 年大阪・関西万博の「催事企画プロデューサー」に就任した、クリエイティブディレクターの小橋賢児さんをお迎えし、国際エネルギー機関(IEA)地熱部門議長に就任したJOGMEC の安川香澄と、地熱のミライについて語り合いました。

海外で進む地熱利用と地熱発電の魅力

安川 2021年11月22日に福島県会津若松市で開催した「地熱シンポジウム」では、パネルディスカッションにご登壇いただきありがとうございました。

小橋 こちらこそ、地熱に関する意識が高まりました。安川さんが2022年1月に国際エネルギー機関(IEA)の地熱部門(GIA)の議長に就任されたと伺いましたがどんな役割なんですか?

安川 GIAは地熱の利用促進を目的に、地熱技術に関する情報の収集と共有を図るための組織です。世界的には地熱の発電量は増えていますが、技術情報交換が進んでいないので、今後どのように進めていくかを話し合う予定です。また、加盟しているのはわずか15カ国ですので、加盟国を増やしていく方針です。

小橋 現在の国内外の地熱発電はどのような状況なのですか?

安川 海外では年々増えてきています。特に最近はトルコやインドネシア、ケニアでの増加が顕著です。資源さえあれば、安定的かつ比較的安価に発電できるので注目されています。また、ヨーロッパでは二酸化炭素排出量が少ない再生可能エネルギーとして、地熱資源にあまり恵まれない地域でも、小規模の地熱発電を行うところが増えています。日本でも、温泉地でのバイナリー発電等、地域の特性を活かした開発は進んでいるものの、海外と比べると十分な開発が進んでいないのが現状です。

小橋 環境保護や自然エネルギーの循環という長期的な視点で見ると、地熱発電の経済合理性は高いと思いますが、短期的に見ると進みませんよね。

安川 おっしゃる通りです。地熱発電は経済合理性だけでなく、エネルギーミックスの視点でも重要な要素です。エネルギーミックスというと堅く感じますが、社会でどのようなエネルギーを作り、使うかは、私たち一人ひとりがものを食べ、そのエネルギーで活動することと似ています。スーパーフードといっても、それだけ食べればよいわけではないですよね。バランスよく食べることが健康的なのと同じです。

小橋 電力も1つの発電方法に絞ればいいわけではないんですね。

安川 長所、短所を活かし、いろいろな発電方法を選んでいくことが重要です。太陽光発電も地熱発電も別々のメリットを持っています。太陽が照っている時間に使わなければ蓄電池に充電するしかない太陽電池は、食材に例えるとお魚のような発電方法です。新鮮なうちはお刺身として食べ、余ったら干物として保存するといったイメージです。

小橋 おもしろいですね。地熱発電はどんなイメージですか?

安川 地熱発電は大豆のイメージです。枝豆にも、乾燥させて保存食にもできる大豆は、常に発電できていつでも使える地熱と似ています。さらに、豆腐やしょうゆ、味噌に加工できる点は、観光や農業など、使い方の幅が広い地熱発電の特徴と重なる感じがします。

海外と国内で差のある地熱の活用事例

安川 地熱は多くの可能性のある資源ですが、海外では広く活用される一方、日本ではまだまだ理解が進んでいないのが現状です。小橋さんは海外に行かれることが多く、海外の地熱利用施設をよくご存じと伺いました。

小橋 以前、アイスランドの一大観光地、ブルーラグーンに行きましたが、世界最大の屋外温泉プールは圧巻でした。周辺には、地熱により冬でも収穫できるトマト農園があり、隣接するオーベルジュで素晴らしい料理を提供していて、地熱と観光が上手に融合していました。

安川 オーストリアには、自ら地熱発電をしているホテルがあります。すごくファッショナブルで素敵なんですよね。有名な芸術家が建てたということで、いつも大勢の宿泊客であふれています。日本でも、伊豆の熱川バナナワニ園が地熱を使ってバナナなどの熱帯植物やワニを育てています。

小橋 僕も熱川バナナワニ園には行ったことがありますが、あそこも地熱を利用していたとは知りませんでした。

安川 日本でも地熱活用の例はあるんです。岩手県八幡平市では地熱の蒸気で生地を染める「地熱染め」を行っていたり、福島県の土湯温泉では地熱発電に使った温水でエビの養殖を行うなど、地熱を観光に活用しています。ただし認知度は限定的で、より多くの人に知ってもらうことが大きな課題です。
 

小橋氏、安川がパネルディスカッションに登壇した地熱シンポジウム in 会津若松。
「温泉と地熱の共存」をテーマに、来場者とオンラインの視聴者合わせ1,744 名が参加した

INNOVATION GARDEN でも2 人の対談を実施

旧松尾鉱山の新中和処理施設

2月18日、「エネルギーシフトとウェルビーイング」のテーマのもと、小橋氏と安川で地熱発電の可能性について活発な議論を行った

 2022年2月18~20日、「Innovation Garden 2022」が開催された。
小橋氏×安川をはじめ、国内外からさまざまなジャンルの第一級イノベーターが登壇し、オンラインでトークセッションを実施。成長の種について探る3日間となった。

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