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地熱資源の探し方(3)

INTERVIEW

地熱技術部 探査課 天藤寛子

地質情報を収集し、想像と検証を繰り返しながら
地下の構造を明らかにしていく。

 昨今、新聞やインターネットで話題となっているカーボンニュートラルやエネルギーセキュリティの観点から、地熱発電のさらなる普及が求められています。一方で、地熱資源開発にはさまざまなリスクやコストが伴うことも事実です。発電事業者の代わりにこのようなリスクを一部負担し、地熱資源開発をさらに活性化させることが、JOGMECの役割だと考えています。

 JOGMECは地熱開発分野を任されて以降、「地熱資源ポテンシャル調査」を実施してきました。この調査は、情報が十分に蓄積されていない地域に入り、検討の土台となるデータを公開していくものです。未知の地域に入っていくリスクを低減させ、事業者が積極的に現地へ踏み出せるよう後押しする狙いをもちます。そして近年は、従来から実施していた空中物理探査とヒートホール調査(浅部ボーリング)に加えて、地質調査や地上での物理探査、深部ボーリング調査も開始し、調査件数を大きく増加させています。国立・国定公園内での調査にも数多く着手しています。

 地熱調査を実施する立場としては「見つけなくてはならない」というプレッシャーもありますが、調査の度に覚えるワクワク感はそれを上回ります。自然の中を歩き、五感をフルに働かせながら、周辺の地質情報を丁寧に集めていく。そして、集積した情報を基に想像と検証を繰り返し、目には見えない地下の構造を明らかにしながら、徴候を探す。地球の歴史を紐解くことにもつながり、非常にエキサイティングな工程だと感じています。
 
 JOGMEC再生可能エネルギー事業本部には、石油・天然ガス資源分野や金属資源分野など、さまざまな出自の技術者が在籍し、外部有識者の意見を伺う機会も多々あります。そうした数多くの人間の“集合知”で調査にあたれることは、私たちの強みだと感じています。日本は世界有数の地熱資源国でありながら、そのポテンシャルを十分に活かしてきれていないのが現状です。しかし、地熱資源開発における経験やノウハウは蓄積され、調査技術や掘削技術、発電方法も進化し、法制度も変わってきています。新たな時代とともに、新たな視点で地熱調査に取り組み、地熱資源開発の促進に貢献していきたいと思います。

再生可能エネルギー事業本部 地熱技術部 探査課
天藤 寛子

2014年4月入構。金属環境事業部、金属海洋資源部を経て2022年7月より現職。
金属環境事業部での水質調査、金属海洋資源部で経験した海底熱水鉱床探査などの知見も活かし、地熱調査を担当。(1)掲載の地熱資源ポテンシャル調査では、プロジェクトの統括管理を担う。

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