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資源エネルギー業界が主導するカーボンニュートラル社会(1)

資源エネルギー業界が主導するカーボンニュートラル社会(1)

カーボンニュートラル社会で目指すエネルギーのカタチ

そもそも、カーボンニュートラル社会とはどのようなものだろう?
まずはカーボンニュートラル社会におけるエネルギーの利用と供給の姿を考えるとともに、
将来のエネルギー資源や金属資源の役割を考えてみよう。

エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの両立を主導するのは資源エネルギー業界

 クリーンな社会といえば、二酸化炭素(CO2)を排出しない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)が走り、CO2を一切排出しない水素や再生可能エネルギーだけで発電する――。そんな姿を想像する人も多いかもしれない。
 将来的にはそんな未来もありうるが、経済活動や安定した暮らしを継続するには、当分、CO2の排出は避けられない。将来のカーボンニュートラル社会実現には、しばらくは安価に安定供給できる化石燃料を利用しつつ、省エネとCO2排出削減、回収を段階的に進めることが重要だ。

カーボンニュートラル社会における資源エネルギーのサプライチェーンのイメージ

CO2排出削減に取り組みつつ、再エネ、クリーンな化石燃料、水素、アンモニア等が持つそれぞれの特徴を最大限生かしたエネルギーのベストミックスにより、カーボンニュートラル社会を実現する

 例えば上図のように、CO2フリーの水素・アンモニアや低炭素な天然ガスを火力発電に利用し、自動車や船舶でも水素などの利用や電化を図ることで、省エネとCO2排出削減を進められる。
 一方、化石燃料から液化天然ガス(LNG)や水素を生産し、排出されるCO2を回収、除去しながら、植林などのCO2回収事業も行い、トータルでのCO2排出量をゼロにしたクリーンエネルギーを供給する。金属資源は、電化や再エネ・省エネ機器に不可欠だが、それ自体の生産工程や輸送で再エネ由来の電力や水素の利用、省エネを進め、CO2排出量を削減。こうして生産されたクリーン資源を利用し、持続可能な経済や安定した暮らしとカーボンニュートラル社会を両立する。ポイントは、化石燃料も賢く使いながらライフサイクルやバリューチェーン全体でCO2排出量を抑えること。カーボンニュートラル社会実現に資源エネルギー業界が果たす役割は大きい。

カーボンニュートラルとはどんな考え方?

 カーボン(炭素、C)は人間の体にも必要なとても重要な物質。しかし、燃焼で酸素と結びつくことで、温室効果ガス(GHG)であるCO2が生じる。つまり問題は、「炭素を燃焼してCO2を大気中に排出すること」で、炭素そのものの存在や利用が否定されているわけではない。そのCO2の排出は、現時点ではすべての経済活動で排出ゼロにすることは不可能。そこで生まれた考え方が、カーボンニュートラルだ。
 カーボンニュートラルとは、電化や省エネなどでCO2 排出量の削減を進めながら、どうしても排出が避けられないCO2に対し、別の事業でCO2を回収・除去(再利用含む)し、相殺(オフセット)することで、実質的にゼロにするという考え方。省エネとCO2の排出抑制・回収をセットで進める概念だ。

カーボンニュートラルの概念

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