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特集1:SPECIAL対談 AIの専門家とエネルギー開発を語る(3)

データ収集を実現させる2つの方法

小西 AIの活用における課題のひとつにビッグデータの収集を挙げられましたが、比戸さんはどのようなアプローチがあると考えていますか?

比戸 資源エネルギー分野でビッグデータを収集するには、主に2つの方法があると考えています。ひとつはコンピューターシミュレーションの活用。そしてもうひとつが、業界全体での課題解決です。ひとつ目のコンピューターシミュレーションの活用とは、ターゲットとなる地域の地下構造の3次元モデルを使ってシミュレーションすることで、その地下構造に関するいろいろな評価データを蓄積する方法です。十分なデータが集まれば、逆に評価データから地下構造を類推することもできるようになります。これがAIとシミュレーションを組み合わせる強みです。

小西 御社は三井物産さんと協働で探査プロジェクトを行っていますよね。シミュレーションを活用した技術はそこでも生かされているのですか?

比戸 三井物産さんと弊社が共同で創設したMit-PFN Energyは、ディープラーニングを用いた地下構造解析AIシステムの開発および事業化が目的です。資源エネルギー開発における地下構造に関するデータをAIで解析するほか、PFNが所有するスーパーコンピューターを使って大規模シミュレーションを行うことで、複雑な地下構造をより正確に推定し、石油・天然ガスをはじめとした地下資源の探査、二酸化炭素の地下貯留(CCS:Carbon Capture and Storage)等の低炭素化事業、地熱発電等の再生可能エネルギー分野への応用を目指しています。

小西 探査にAIが活用されるとは、夢のような話ですね。地下構造の評価にAIが活用されれば、コスト削減だけでなく、油ガス田発見の新たな可能性につながるのではと本当にわくわくします。

比戸 そして、もうひとつの業界全体での課題解決は、たとえば異常検知による安全性の確保や開発コストの削減が、企業同士の競争領域ではなく、協調領域であるならば、資源エネルギー分野全体のデータを活用できることを意味します。1社だけでなく、日本中の資源開発企業のデータが集まれば、未知の異常検知や探査に対する予測精度の向上につながります。資源エネルギー分野は、国の施策と密接に結びついています。まさに国の資源エネルギー分野を担うJOGMECが旗振り役を担えば、今後大きな進展があるのではないでしょうか。

小西 おっしゃる通り、協調領域となればその意義は非常に大きいでしょう。その第一歩になるかわかりませんが、2021年3月、JOGMECが加盟している、ベンダー中立のグローバル標準を推進する団体「オープン・グループ」の下に、「OSDU」というエネルギー業界を対象としたフォーラムがあり、このグループがオープンソースのデータ・プラットフォームを発表しました。石油・天然ガスを起点にエネルギー業界に共通のデータ・プラットフォームを普及させることで、今後、資源エネルギー業界全体のデータが共通のフォーマットで蓄積されていくことになります。

比戸 それは極めて大きな一歩ですね。たとえデータが提供されても、データ・フォーマットがバラバラではAIに学習させることができません。データ整備の手間がなくなるだけでも、ハードルは大きく下がるのではないでしょうか。

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