JOGMEC 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構

ホーム >  刊行物 >  広報誌:JOGMEC NEWS >  広報誌:JOGMEC NEWS vol.66 >  特集1:SPECIAL対談 AIの専門家とエネルギー開発を語る(4)

特集1:SPECIAL対談 AIの専門家とエネルギー開発を語る(4)

AIの活用で見えてくる未来の姿

小西 新興国では当面、安価な化石燃料の需要がなくなることはありません。油ガス田開発における省力化、省人化、安全化は必須であり、その点でAIやシミュレーション技術は今後、大きく貢献していくと、比戸さんのお話を伺いながら感じました。

比戸 最近はあまり言われなくなりましたが、一時期、「AIが人の仕事を奪う」といった議論もありました。我々の考え方は、人がやらなくてよい仕事や危険な仕事の省人化や安全化であり、その点で、資源エネルギー分野はまさに最適です。苦役から人間を解放することがAIやロボットを活用する最大の目的です。今後はますますAIやAIを搭載したロボットの活用が進むと思います。

小西 火力発電においては、化石燃料に代わり、燃焼時にCO2を排出しない水素を燃料として利用する取り組みが進んでいます。しかしそのためには、当面、水素を製造する際に発生するCO2を分離して、地下に貯留する「CCS」や「CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)」が不可欠です。地下構造に関するシミュレーションやAIによる解析は、CCSにも役立つでしょう。そういう意味では、地下探査用のAIはエネルギー問題と環境問題という、世界が乗り越えなくてはならない2つの問題を同時に解決してくれる存在なのかもしれません。

比戸 シミュレーションの精度が高まれば、CCSの計画も立てやすくなるはずです。貯留層を探し出し、そこにCO2を毎年どれくらい貯留していけばよいのかがわかれば、当面は化石燃料を使いながら、カーボンニュートラルを実現することも可能になるでしょう。実際、Mit-PFN Energyでは、CCSによる低炭素化事業への応用も視野に入れて、事業化を進めています。

小西 産油国なら油ガス田に関する豊富なデータを保有しています。産油国にAIを導入することで、生産効率の大幅な向上と、環境負荷の低減が図られるでしょう。

比戸 小西さんはAIの発展で、資源エネルギー分野が今後どのように変わると思われていますか?

小西 JOGMECは、日本企業の資源エネルギー開発を支援することで、日本に安定的かつ安価に資源エネルギーを供給することを使命としている組織です。やはりAIに対しては、「データを入れただけで、どこにどのくらいの資源が眠っているかがわかるようになる」「見つけた資源をより短い時間で、より低いコストで、より低い環境負荷で開発できるようになる」ことを通じて、資源が安定的に日本に入ってくることを期待しています。たとえばAIとシミュレーションを活用すれば、地球にある資源の総量が今よりも高い精度で推定できるようになるかもしれません。そうなれば、油ガス田をストレージととらえ、必要なときに必要な分だけ生産するというような、計画的な化石燃料との付き合い方も見つかるかもしれません。CCSについても同様に、CO2を計画的に貯留していくことで、これまでの暮らしを大きく変えずにカーボンニュートラル達成を目指すという道筋もありえるでしょう。夢物語かもしれませんが、せっかくなら大きな夢を持ちたいと思います。

比戸 ぜひAIを通して夢の実現に協力したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

小西 こちらこそ、貴重なお話をありがとうございました。
 

EVENT情報

JOGMECでは石油天然ガス開発に関する各種イベントを予定しています。ぜひご参加ください。

  • TRCウィーク2021 2021年10月25日(月)~29日(金)
     JOGMECが掲げる技術戦略テーマ「『資源ミライ開発』脱炭素社会を支える資源開発技術を拓く」に沿った講演内容を配信します。デジタル事業は、PoCだけでなく現場実証の成果報告をします。

    JOGMEC TRC WEEK2021 紹介動画

  • 砂層型メタンハイドレートフォーラム2021 2021年12月1日(水)
     砂層型メタンハイドレート研究開発の様々な取り組み経過や今後の現場作業予定について、オンラインでご報告します。詳しくはMH21-S研究開発コンソーシアムのホームページまで
  • JOGMEC Digital Online Session 2021 2021年12月17日(金)
     資源開発に対するデジタル技術の活用事例や昨今のトレンド、各石油企業の皆様の取り組みを広く発信すると同時に、活発な意見交換の場とする予定です。

独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
(法人番号 4010405009573)

〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-1 虎ノ門ツインビルディング 16階(JOGMEC 総合受付)
電話(代表)03-6758-8000

Copyright© Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.